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BIRTH.

総ては死刑台から命が生まれる。生まれ変わっても何も変わらない、だからそこ誕生に祝福をあげるのであろう。そんな命の誕生の論文的個人文学

ゆっくりと渦を巻く、ゆっくりと深く息をする。

生まれ変わる苦痛や苦しみからやっと解放されるんだ。


暗闇に慣れた細々とした手で暗い扉を開けようと必死にもがいていた。


死刑台まであと少し。


子宮の海が、頬に指に身体に波を与えまた返っていく。


神が有罪を与えた、闇の外へ未知の世界へ、無理矢理鎖を繋げ首に絡める。


神などいない、そう決めつけてしまえば楽なのに。


刹那の時間は一瞬の瞬きに変わる、無数の星々に輝きを与え無限に輝き続ける月に生命を増幅させる。


そして命は灰になり紅く燃え続け朽ちる事をしらない太陽へと帰っていくんだ。


祝福の歌が響き渡る、紅く染まった暖かな手が、私の体を闇から引き摺り出す。

死刑台は閉ざされ、もう戻る事も許してくれない。


これから再び生きるという死刑台に立たされ13階段を未知の未来に置き換え生きていく。


再び祝福はあげられ引き摺り出されるであろう結末に、蒼穹の空は見向きもせずに広大な海の上で広がり続けるだろう。


そしてまた子宮の海に辿り着く。


逃げ場の無い、この連鎖(誕生)から生まれ変わる事の苦しみに人はいつ気付くのだろう。

生まれる事で祝福を上げ、生まれた事で喜びをあげる。

そして生まれた後には争い続け、やがて自然に逆らう事もなく鼓動は止まるのだ。


誕生とは浅はかであり、愚かな物でもあるだろう。

しかし光が優しいのは闇が窮屈だから、人が闇を意味嫌うのは、長い間、姿形もない細胞として生まれた時から、暗く狭い暗闇の中で祝福を待っていたからだろう。


再び死刑台に立ち、闇から引き摺り出された時には、身体に繋がれた重い鎖から解放され二度と戻る事を許してくれないから、誕生を祝うのだろう。


決して総てが幸せではない、始まりは死刑台から、そして繰り返す連鎖の光に生の産声をあげるだろう。


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