第二章 決意を打ち明ける
第二話です。駄文ですが、楽しんでいただけたら幸いです。
わたしのおじいちゃんは、機関士だった。わたしの鉄道好きは、その遺伝だと思う。
おじいちゃんが務めていた《沼尻鉄道》は、廃止になっちゃって、今ではたった3両の車両が残ってるだけなんだ。なんか、寂しい。
「また、機関車を運転したいなあ、今でも機関車の夢を見ることがあるよ」ってゆうのがおじいちゃんの口癖。わたしは、その夢を叶えてあげたいと思ってる。でも、具体的にどうすればいいの・・・?
ネットで《鉄道、動態保存》で検索してみた。大量の情報が画面に出てくる。
「ん?これ、なんだろう?」
《羅須地人鉄道協会》と書かれたバナーをクリック。
「うわー、すごい!これ全部自分たちで直したの!?」
この協会には、10両以上もの車両があって、全部会員の方が修理して走れる状態にしたらしい。
「なるほど・・・。自分たちでお金を出し合って運営してるのか。これはいけるかも。」
翌日の早朝、わたしは自分のベッドから、出た。雪は腰ぐらいの高さまで積もっている。今日は土曜日、
私服に着替えてジャンパーを羽織って一階に降りる。 わたしの家では、毎日、みんなが交代で薪ストーブの火を入れている。今日はわたしの担当。
玄関を開けて、外の壁際に積み上げられている薪を三束、土間に運び込む。台所から、昨日の新聞を持ってくる。よし!これで準備完了!
ストーブの前面にある扉を開けて、脇に置いてあった火かき棒で、中の灰をかき出す。つぎに、中に薪を井桁状に置く。そのまんなかに丸めた新聞を入れて、小枝を入れる。
シュッ ボッ
マッチを擦って、組んだ薪の中に投げ込むと、最初に新聞紙が勢い良く燃え始める。その火は小枝に移り、組まれた薪に移る。
うん、燃えてきた。わたしは、台所から鍋をもってきて、ストーブの上に乗せた。中身は、昨日の残りの味噌汁。
厩舎に行くと、ユメカガミが足踏みして待っていた。
「ユメー、おはよう。今日は寒いねー」
そう言ってエサを上げた後、馬房から出して、放牧場に放すと、ユメは嬉しそうに鼻を鳴らして走っていった。
母屋では、もうみんな起きていた。朝ご飯を食べて、みんなそれぞれの仕事を始める。おじいちゃんとお父さんは、街の電器屋に行く。今日はお父さんの車に二人で乗って行くって。(おじいちゃん雪の日は馬に乗らないの。)
だからユメカガミを貸してって言ったら、案外簡単に許してくれた。
みんなが食べ終わったところで、わたしは、口を開いた。
「みなさん、わたし、國分大和は、沼尻鉄道を復活させようと思います!」
つぎの瞬間、みんなの顔に、驚きの色が広がり、その次に、おじいちゃんを除く全員が吹きだした。
「できるわけねぇべ、あれはもう何年間も置かれてんだぞ。無理だな。」
お父さんの声。
「お願いだから無謀なことはやめといてぇ。」
お母さんの声。
もうっ、みんなバカにして・・・・
わたしはむっつりとした顔で、部屋に帰った。
だけどわたしは見てなかったんだ。おじいちゃんだけが、さっきの話を真剣な顔で聞いてたってことを・・・・・・
本日の鉄道ラジオは、パーソナリティー二人の学校行事につきお休みいたします。
誠に申し訳ございません。