第十四章 地元の協力
今回は、方言がかなり登場します。ご注意ください。
わたしは改めて思い知った。メディアのすごさを。
一月八日の始業式の日、登校した私はクラスメイトに囲まれた。
「おまえ、こんなことやってたのか。」
「大和、すごいね。」
一日中、みんなに言われてた。
へへん、まあそれほどでもないけどね。
放課後、吹奏楽部でフルートを吹いてると、顧問の堀井先生(23歳独身、彼氏あり?)が話しかけてきた。
「大和ちゃん、なんかいろいろやってんだてぇ?」
「はい。鉄道車両整備をしていますが・・・。」
「実はねぇ、わたしの彼氏のいとこが、その保存会に参加したいんだって。いいかな?」
「いいですけど。どんな人ですか?」
堀井先生が説明してくれた。
「郡山北工機械科の2年生、名前は川瀬遥香。ボイラー技士1級を持ってるの。今度紹介するよ。」
すごい人だなぁ。ぜひ、保存会に入ってほしいな。
「じゃあ、紹介するから、今度の日曜日に、駅前のカフェに来てもらえる?」
堀井先生がきいてきた。
手帳のスケジュールを確認する。その日の予定はない。
「いいですよ。それはそれとして、堀井先生、彼氏いたんですね。」
先生の顔がさっと赤くなる。
「そっ、そのっ、これは・・・・。」
「リア充ですねぇ。」
「あ、クラパートの指導しないと。じゃあね。」
わたしがたたみかけるように言うと、堀井先生は逃げるように去っていった。
あの反応、絶対彼氏いるな。
堀井先生には彼氏がいる・・・・・・・メモメモっと。
部活が終わった後、帰り道を歩いてると、近くの材木屋さん「ナガセ木材店」の店主、永瀬さんに方言満載の声で話しかけられた。
「大和ちゃん、ちょっと来てくれねが?」
「はい?なんですか?」
永瀬さんのあとについて、工場内に入ると、木でできたベンチが5脚、置かれていた。
「駅舎にはベンチが必要だと思って、みんなで作ってみだ。」
えっ!?
「今度代金をお支払いします。」
「いんにゃ、俺たちが勝手にやっだから、お代はいらね。」
「じゃ、じゃあ、お言葉に甘えて・・・・・・・」
わたしは、そっとベンチに手を置いてみた。木のぬくもりがてのひらに伝わってくる。
「設備さ整っだら、受け取りに来お」
永瀬さんが言った。
「はい!ありがとうございます!最高です。」
しっかり頭を下げる。
まさか、たのんでもいないのに手伝ってくれるとは思ってもみなかった。でもどうして?
「うちの親父がさ、あの記事さ読んでよぉ、沼尻鉄道に乗っだごとがあるとかで、なんかミョーに張り切っちゃってない。後、言ってくれたら枕木も作っつぉ。」
「じゃ、じゃあ、お願いします。」
「はいはい、わがっだわがっだ。」
わたしがいうと、永瀬さんは二つ返事で了解してくれた。
ほかにも、鉄工所が犬釘うち用のハンマーとかジンクロとかを作ってくれたり、(ちなみにジンクロっていうのは、レールを曲げる道具。)町の小学校が募金を集めて送ってくれたりもした。
白木城運送や野口自工に、差し入れをもってきてくださる人もいる。
猪苗代町も、町の広報誌に載せてくれたり、法律関係の手続きを済ませてくれたり、町を上げて協力してくれている。
町の人全体が復活に協力してくれてる。感謝!!
大和「大和とぉ!」
真美「真美とぉ!」
栞奈「栞奈の~!!」
三人『鉄道ラジオ~!!』
―この番組は、白木城運送、野口自工、國分電機店、猪苗代町、株式会社ゼロファイター・ジャパン、株式会社アースフォレストの提供、沼尻鉄道保存会、日本保存鉄道協会の協賛でお送りします―
大和「さあ今回も味まりました鉄道ラジオ!軽便大好きなメインパーソナリティーの國分大和です!」
真美「国鉄型のことならお任せ!同じく白木城真美です☆」
栞奈「E721系を見るとハアハアしちゃう!同じく木地小屋栞奈です!」
真美「カンカンのキャラが変わった!?」
大和「これこそが、カンカンのオタクモード!ちなみに、この状態のカンカンに毎週土曜朝放送のアニメシンカ〇オンの話しをしてはいけない。」
真美「なんで?」
大和「カンカンはシ〇カリオンの大ファンなの。これ見て」
大和、YouT〇beの映像を真美に見せる。そこにはカメラの前でコスプレする栞奈の姿が・・・・・・
《栞奈「チェンジ!シン〇リオン!」》
真美「確かに、これは・・・・・・・・・・(汗)」
大和「これ以上出すと新幹線〇進化研究所から苦情が来るからこの話はやめとこう。」
栞奈「作者さんからの手紙!今日のお題は『701系』だって!」
大和「カンカンの得意分野じゃん!」
其の一 701系とは?
真美「鉄道初心者のために説明すると、701系は、羽越、奥羽本線秋田地区、東北本線盛岡、仙台地区で運用されていた客車列車や古い急行型電車を置き換えるため平成五年から平成十三年にかけて製造された交流型近郊電車です。東北新幹線延伸に伴い分離されたIGRいわて銀河鉄道、青い森鉄道にも譲渡や新製によって同型車IGR7000系と青い森701系がいます。」
其の二 魅力と弱点
大和「まず外観からいうと、701系は武骨なカッコ良さがあるよね。」
真美「歴戦の野武士って感じで、いかにも東北っぽい顔つきだよね。」
栞奈「あと、結構個体差とかあるよね!貫通扉の色とか」
真美「まずは最初に製造された秋田地区向けの0番台、これは後続の100番台たちよりもテールライトの位置が低いんだよ。ここら辺では見かけない車両だね。」
大和「最初はオールロングシートで製造されたんだけど、奥羽本線新庄、大曲間のサービスアップのためロングシートとクロスシートを千鳥配置にしたセミクロスシートに改造されたんだよ。」
栞奈「この辺では全部ロングシートだね。でも、座席フカフカだよね。」
真美「そこはいいよね。」
大和「その次に投入されたのが仙台、秋田地区向けの100番台。つり革の数を増やしたり、バッテリーを鉛式からアルカリ式にしたりしてるよ」
真美「あまり変わってないね。」
栞奈「他にもミニ新幹線区間の1435ミリ軌間に合わせた5000番台、5500番台もあるよ。」
真美「こういう個性探しもいいよね~(うっとりとした瞳)」
其の三 置き換え計画
真美「701系はまだ置き換え計画は出てないよね。」
大和「確かに出てないよ。」
栞奈「でも、一番新しいのでも車齢十七年超えてるから、いつ置き換え計画が出ても仕方ないよね。」
大和「今のうちに記録しておこう!」
大和「そろそろお別れの時間が近づいてまいりました。」
真美「今回紹介した車両を撮影されるのは皆様の自由ですが、マナーを守り、楽しく撮影しましょう。」
栞奈「それでは皆さん」
三人『また次回、お会いしましょう~~~~!!』