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うまかったよ!

長を呼んだか何を言えばいいか分からない。風呂とテラスの上で長とぼくは一緒に歩く事ができないって事を確認した。長を救うのが正しいのがどうか分からなくなった。


「長!」


ぼくは、ふっとあの時メロンパンをくれた長の顔と彼が言ってくれた一言が思い出した。


「長!すまない!本当にすまないんだ!」


小銃弾が雨が降り注ぐように飛んでくる。そして、女性服の階段で長の顔が見えた。ぼくも機関銃が設置していたどころで長の顔を見た。長のすぐ後ろには酒呑童子が銃を持って階段を降りる姿が微かに見えた。


「森田!そう言うな!俺の方がすまない!おれは何にも出来ずに、ただ。ただ。俺はここで自分がやった過ちを繰り返した!」


その瞬間、酒呑童子が撃った銃弾が長の肩を叩いた。長は肩から血を飛び散るなからラクロスラケットを握った。


「森田!俺は!俺は悪人としてこいつに殺されて、こいつに食われるのか!」

「長!」


酒呑童子は射撃を止めた。


「ああ、ブタさん。ブタさん。筋肉のブタさん。やっぱり筋肉がある方が好みだよん。」


酒呑童子は今度は大きいなナイフを出して長に近づいた。


「長!バーガーキングに消防ホースがある!そこで降りろ!」

「森田!」

「ぼくが何とかするから!酒呑童子!ぼくの身が欲しくないのか!宿主のぼくがここにいる!」


ナミとマリアはぼくを止める前に、酒呑童子にぼくがどこにいるのか見せた。

だった一発の銃弾。


しかし、ぼくの手は情けないに震えていて、酒呑童子を倒す自身はない。今は酒呑童子の視線を引く程度でもいい!


酒呑童子はこの建物の王様ようにぼくを見下ろした。やつの腰の人の生首はここで死んだ人から切って、腰にかけたようだ。そこには風呂で死んだ長の相棒の生首もあって、エレベータで死んだ森の仲

間の顔もある。


酒呑童子の姿は恐怖その物を形象化したようだ。人の肉を噛んで、人の肉を装飾する完全に狂った化け物。このやつだけはここにいるどんな人殺しよりも格が違う。


建物の主、酒呑童子は長にも、ぼくにも銃を撃たずに興味深い顔でぼくを見つめている。こ

の瞬間ならぼくもやつを殺す事が出来るのに、蛇の前のネズミのようにろくに体が動かない。まるでぼくの全身が凍ったようだ。


「ブタさん、まさか。正義の見方ごっこ?」

「てめえが一番食べたいのはぼくの肉だろう!な!ぼくはずっと生き残ってこの毒の器まで「熟成」されたから!ここに降りて!ぼくを食ったらどうだ!」

「偉いじゃん。偉い!良くできましたってスタンプを押したいね!ねえ!」


酒呑童子はナイフを握った手で壁を叩いて拍手をした。やつの行動一つ一つが恐ろしくて小便を漏らすどころだった。


「長!早く降りろ!ぼくがいる限り酒呑童子は戸惑うはずだ!ぼくが一番食べたい「ブタ」だから!だよな!酒呑童子!長!この間だ!」


長は恐怖より疑問で階段から動かないようだ。階段のだった2メートル上には酒呑童子がいるのに、やつはぼくに叫んでぼくに問った。


「森田!何故だ!いまさら、何故俺を!俺は死んでばいいやつじゃなかったのか!人をレイプして!人を殺して!あ、あんたまでぼくを見捨てて!」


酒呑童子は興味深いにぼくらを見ていた。まるで、死刑台の前で最後の一言を聞く死刑執行人のようだ。ぼくは本当に最後の一言を言う死刑囚のように長に言った。長にこれだけは伝えなきゃぼくが後悔するかも。


「ちゃらじゃない!」

「なんだと!なにがちゃらだ!」

「書店で分かれた時、あの時!お互い借りはないだと、これでちゃらだと言ったんだけどよ!長!あのメロンパンは余りにもうまかったよ!」

「森田!」

「ああ!うまかった!そのパンの味で風呂でも!テラスでも撃つことを忘れるほどに!その気持が!その優しさが!ずっとうまかったよ!」


そうだ。ぼくは何度も長を狙って撃つことが出来るのに、引金を引かなかった。いや、引く事が出来なかった。例え、殺人者でハレンチなレイプの犯罪者だとしてもぼくには優しい長だった。クラスの中でも、この建物でも。


ぼくだけは。


あそこで震えている人は、ぼくに手を伸ばした昔の高校生に見える。今度はぼくが手を伸ばす時だった。ぼくは銃を地面に落ちて酒呑童子を見上げた。あの猛獣はぼくを見て首をかじけた。ぼくは長に両手を伸ばしている。


長はぼくの両手を見て、彼の泣き声は大泣きに変えた。長は階段に座り込んだまま、まるで子供見たいにわあわあと泣いた。


「長!こっちへ!」


しかし、ぼくの目に見える光景はぼくの期待を裏切った。泣いている長の後ろに近づいた酒呑童子は何気なく彼を首を切った。人の首ってそんなに容易く切られるのか?


「長ウウウウ!」


酒呑童子は長が鳴いている生首を腰のベルトにかけてぼくを見つめた。


「よく出来ました!だんだんよく熟成している。へへへへ!ブタさん。早く行けなきゃ先着取られるぞ。」

「酒呑童子イイイイイイ!」


ぼくは怒りで何も見えなくなった。すぐ地面に落ちている銃を拾い挙げてやつを狙ったが、酒呑童子はもうB面のとこかで消えてしまった。


「酒呑童子イイ!こいイイ!出ろオオオオ!]

「はは、ははははははははは!面白い!このブタさんは面白い!」


酒呑童子は長の生肉を噛むながらぼくの視線から消えてしまった。ぼくはだった一発しか残っていない銃を持ってやつの姿を探した。手の震えはもう止まっている。


長は。長は死ぬ寸前はぼくが知っていた長だった。


長と一緒に歩く事が出来るかどうかは分からないけど、せめてぼくの気持だけは、あの時ぼくが感じた感情だけは伝えたかった。


長は死ぬ寸前ぼくに何を言おうとしたがそれはもう無用になった。ぼくは千鶴をレイプした長を許す可能性も分からなくなった。長は死んで、彼が実際にどう考えていたのか確認する方法はない。


長は白い羊か、黒い羊か?


分からない。本当に分からなくなった。始めて見た時から長は新人狩りをする黒で、死ぬ瞬間までぼくと女子たちをを追い掛けている黒だた。


中隊長の死よりも、長の死はぼくをもっと混乱させた。この建物がぼくを混乱させている。人の善悪が狂ってしまって、誰が善人で、誰が悪人なのか分からなくなる。


中隊長もそうだったし、森も、長も。


むしろ、ぼくを呪うながら死んだ日野の方がもっと分かりやすい。やつは悪で悪人として死んだ。長は悪人として死んだのか?分からない。


「おじさん。」

「分かった。酒呑童子は自分に攻撃しないやつは見逃す。心配しなくてもいい。ナミ、ももりん。」


ぼくはまた一発を持っているけど、それで酒呑童子を撃つのをあきらめた。

酒呑童子やろう。あとで必ず長の復讐をするから!必ず!


1層、毒の器地役はもう何の音も聞こえない。ここで一杯満ちていた人々たちの喊声と絶叫も、物が落ちる音も、銃声も、何もかも魔法ように消えた。聞こえるのはすーすーとしめっぽいに1層を噎ぶ

風音だけだ。


酒呑童子の足声も、やつの笑う声も聞こえない。だった何分前の事が夢で見た光景のようだ。よくあるんじゃない?自分を追い掛けているやつが急にいなくなって深い眠りから目覚める経験とか。


しかし、階段の向うにいる長の死体がこれが現実だと言っているようだ。長は死んだ。ぼくは酒呑童子が殺さなかった。


そして、また生きている。


「酒呑童子!主催側!またゲームが残っているんだろう!そんな理由だろう!」


なんか心のなかからいらいらする。


「太田を殺すって事か!ぼくがあやつを殺す事に一体何万円がかけているんだ!ぼくが死ぬ事に一体

何人が何万円をかけたんだよ!」


返事はない。ぼくは涙を我慢しながら長の死体を見つめた。

ぼくが死んだら「どんな人」として死ぬのか?その正解はもうぼくの口で自分が言った。


「選択するのかよ。選択によって。ぼくは。」


ぼくは銃を下げたまま、カフェの下に降りて、ジュエリ店の扉を開いた。ナミとももりんはぼくの後ろを追い掛けた。


「お、おじさん。う、上!上に!」


なんと、酒呑童子は赤い橋の上でぼくらを見下ろしている。やつは何かを食べながら、天上の神様が地上を見下ろすようにぼくらを見つめる。酒呑童子はぼくが銃を撃ってそれに撃たれても構わないように下に何かを落ちた。


見る必要もない。人の死体だろう。酒呑童子は犬に餌を呉れるようにぼくに肉片を投げた。ぼくは銃をももりんに渡して、マリアがいるどころに歩いた。


「あ、あんた何をする気よ!」

「マリアのアイディ。」


ナミは自分の不安な目でももりんの手を握って首を横に振った。ナミはなぜぼくがアイディを回収しようのか分かっている。


ぼくは赤い橋から落ちる人の肉片を避けてマリアの死体にたどりついた。彼女はまるで眠っているように目を閉じて身を横にしている。


彼女はまだ笑っている。


あの橋から落ちる瞬間と同じにぼくに向かって笑っている。

ぼくはマリアのアイディを持って戦術ベルトに入れた。ハスタとマリア。ぼくは二人の女性に返せない物を貰った。マリアの死体も橋の上にある酒呑童子に食われるだろう。


ぼくは彼女の笑う顔を手で撫でたあと、彼女の死体から背いた。


彼女はぼくの心に埋めたのだ。


ぼくのこの心に。


ぼくはマリアの側に落ちたサブバックを拾い上げてももりんとナミの方へ歩いた。


「おおおい。ブタさん?そんなにアイディが欲しいのか?これも持ってけ。」


歩いているぼくの前に上からアイディが一枚落ちた。ぼくは落ちたアイディの写真を見てそこで止まった。


「ブタさん、忘れものだよ。はは、そんな目でこっちみるな。」


落ちたアイディは長の物だった。


長井はる。


長は実名にも「長」が入ったな?ただ小学校から委員長を努めていて長って名付けたんじゃないのか?ぼくは今まで長の名字さえ気づかなかった。


写真の中の彼はやっぱり笑っている顔だった。大学の友だちと見える人と飲み会をしている写メだった。


悪趣味だ。主催側はわざとアイディには人の大事な瞬間の写真を入れて見せる。この写真では長がどんなに「レイプ事件」で悩んでいるかどうかは分からない。ただ、写真の中の長は友だちと一緒に笑っているだけだ。


罪人、黒い羊。


ぼくはそのアイディも戦術ベルトに入れてナミとももりんがいる場所に歩いた。


「ブタさん。頑張ってね?もうちょっとだから。」


ぼくはその話が頭に来て後ろを振り向いてなんか言おうとした。しかし、赤い橋の上でもう酒呑童子の姿は見えない。


やつは夢の中の追い手見たいに消えてしまった。ぼく何にも言わずに薄い照明で光っている赤い橋を見上げるだけだった。


「覚えとけ!酒呑童子!てめえだけはぼくが殺すから!てめえを殺す人はぼくだから!」


ぼくの声は虚しくこの広い空間に響くだけだった。


「おじさん。」


ナミもぼくを泣くながら見つめていた。ここで男であるぼくが涙をしたら、彼女らが不安になる。


「大丈夫、大した事じゃない。一々泣く気力もないよ。。


ぼくナミの頭を撫でて必死に涙を我慢した。しかし、ぼくはハスタの死を見た瞬間から涙を調節する蛇口が壊れてようだ。自分は涙を我慢しているのに、自動的に目から涙が零して川のように頬に流れた。


泣かないようにしようとするほど、もっと涙がして泣き出した。


「もう、こんな事鈍くなったと思ったよ。ぼくは完全に泣き虫になって。ここでこうすればダメだと

知っているのに、なぜ。ぼくは。おい、ももりん。これっていいのか?悪いのか?」


ももりんは何も言わなかった。彼女はただ地面に置いていた銃を拾い上げてぼくに渡して、ぼくの頬

に掌をあげた。

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