这些年,一个人,风也过,雨也走
「おじさん!」
B面に来たらナミがぼくを抱き締めた。彼女もマリアがどう死んだのか見たはずだ。ぼくはナミの頭を撫でて彼女を安心させた。
「大丈夫、大丈夫。ぼくがいるから大丈夫。」
「しかし、おじさん。あ、あのおじさんも大変だよ。」
「あのおじさん?」
「銃に撃たれて。」
こんどはももりんがB面のどこかに走った。ぼくとナミを彼女の後ろを追い掛けて彼女が中隊長をたきしめるのを見た。
「中、中隊長。」
「こんな様でまだ出会うとは思わなかったな。真倒霉啦。」
「に、日本語で言えよ。」
「はは、そうそう。そうだったんだ。」
中隊長は腹からどろどろする血を落ちるながらぼくに無理やり笑った。
「い、いつ撃たれたのか?まさか、あの手榴弾を投げたあの瞬間?」
中隊長は手榴弾で地雷屋を攻撃する時、ぼくのために地雷屋と太田の注意を惹いた。
「おい、中隊長、あの時だろう。あんたがやつらの注意を惹いた時!」
「そんなの重要じゃない。やつが来る。」
「え?な、なにを言っている?」
「アホか。酒呑童子の事さ。」
酒呑童子!ぼくもちょっと忘れている名前だった。
「な、なぜ酒呑童子が?」
「もうゲームが終わるから。先着三人がたどりついたら、残っている人は全部酒呑童子が殺す。」
「え!な、なんだと!」
一度も思わなかった事だった。
酒呑童子の存在。
そして、「人間競走馬」ゲームの終わり。
優勝馬が先着したあと、残った競走馬って酒呑童子に殺される!
なんて簡単な結論だ!
「中、中隊長!な、ならば!」
「そう、地雷屋がここを諦めて先着を狙っている。她妈的!」
「な、なぜだ。」
「多分地雷屋自分の負傷が心配になったんだろう。ゲームが終わったら「救急車」で病院に運ばれて治療を受けるのも出来るから。やつらがこの「毒の器」を諦めた理由だ。」
毒の器だと?
ぼくも一度考えた事がある言葉だった。毒を持っている虫や蛇、ムカデなどを壷に入れてその中で生き残った物を最後の毒として使うって話。
今まで生き残ったすべての強者たちが集まる空間。このプラス1層はその毒が集まっている毒の器にぴったりじゃないが?
「それより、中隊長背負うから立って。」
「ふふふ、忘れたのか?俺はあんたの仲間を全部殺したおめえの仇だ。」
「そ、そんなの今は重要ではない。あんたの経験と下の地図が必要だ。早く!」
「哈哈,吴越同船?哈哈,可是我不能去,我也要死在这儿。」
「何度も何度も言わせるな!日本語で言えよ!」
ぼくは中隊長を無理やり背負うとしたが、中隊長はぼくに三八式の銃剣を向けた。
「な、何をしている!ぼくも時間はない!」
「我错了。看你我知道了,我的方式和做的事全部错了。(おれは間違えた。あんたを見て俺の方法が
間違えただと気づいた。)我觉得,要是杀死酒吞的话,不能选择方式的,不得不牺牲弱者和孩子的。(酒呑童子を殺すためには方法を選択する事が出来ないだと、弱者と子供を犠牲しても仕方ないだと思った。)」
中隊長はぼくに何を言いたいのか?ここには中国語を分かる人がなくてただ彼が言っている事を聞いているだけだった。
「可是,见这孩子的脸我才知道了。要是放弃人间性的话,决不能赢这杀人游戏。我,输了。(しかし、この少女たちの顔を見たら今さら気づいたよ。人間性を捨てたら、絶対にこの殺人ゲームでは勝つ事が出来ないだと。俺は敗けた。)」
「何を言っている!」
中隊長はぼくの話を聞いて明るく笑った。この男があの恐ろしい中隊の頭だったのか?」
「俺もけっこう恥ずかしがりやだからな。行け、鶏肋くん。」
「格好つけってんじゃねよ!」
「おまえも知っているだろう。これじゃ一時間も持たない。」
中隊長が撃たれたどころは重要な臓器があるどころだった。医学は全然知らないぼくだって、真っ白になった中隊長の顔を見たら、彼の後ろにはもう死神がついていると分かっている。
中隊長はそして、ぼくに布切れを渡した。
「な、なんだこれは。」
「俺が記憶している下の地形だ。その代わりだと言えばそうけど願いがある。」
ぼくは中隊長の地図から目を上げて彼を睨んだ。
地図、その代わり。
ぼくが最初に殺した人の名。
恵比寿!
恵比寿の時と同じじゃないか!
「やだ!あんたを殺したくない。」
「哎呀。何を言っている。」
中隊長は三八式のボルトを引っ張って銃弾一発をぼくに見せて、またそれを薬室に入れた。
「俺がこの一発で失敗したら、鶏肋くん、この建物の中であの酒吞を殺す可能性がある人は君しかない。」
「まさか、あんた。」
「やつだけは殺したい。俺が失敗したらこれをやつに見せたと殺してくれ。」
中隊長は自分のアイディもぼくに渡した。コンクリート地面に中隊長のアイディが落ちてガラガラと音がした。
「妻だ。酒呑童子に俺の目の前で食われた。俺は結局失敗したかも知らないけど、鶏肋くん。散々苦労をさせて君の仲間まで皆殺した俺が。この俺がこんな事を言うのは、本当に厚顔なお願いだが・・・。酒呑童子を殺してくれ。」
ぼくは涙が出た。中隊長があんなに人を殺してもやりたかった目標って妻の復讐だったのか?
地図をくれて死んだ恵比寿。
19層で猟師を殺す機会をくれて死んだ中国人。
ナミとマリアの代わりに死んだ森。
そして、妻の復讐をためにここに入った中隊長。
ぼくは瞬間誰を憎んで、誰を許せばいいのか分からなくなった。
「何を泣いている。ももりんとあの少女と一緒に行け。先着を狙え。誰より早く。なら、生きる事ができる。」
ぼくは喉が震えてなんにも言える事ができない。早くいかなきゃ太田と地雷屋に先着を取られる事もしっている。今でも長と仲間は1層に攻撃をしているが、そろそろ落ちる物がなくなる時点だった。
「俺が心配なら、そんな事する必要もない。悲しむ必要もない。」
中隊長はぼくを見て微笑んだ。
「俺はこの建物の中でも最悪の人殺しだ。黒い羊だ。俺は今まで自分がやった汚い事について罰を受けているだけだ。」
中隊長も無理やり笑おうとしたか涙を零している。ぼくも中隊長もナミもももりんもみんな泣いている。
「真っ直ぐ行くのだ。あんたが今までやった事は正しい!早く行け!行けええ!」
正しい。
ぼくが歩いて来た道が。
宿主で殺されたはずのぼくがやった事が。
ぼくは涙を振り払って地面に落ちているアイディを拾い上げた。そして戦術ベルトから残った三八式の銃弾を全部中隊長の胸に渡した。中隊長は銃弾を見て「ははは」と泣くながら笑った。
「最高の「紙銭」だな。」
「だっさいよ。あんた。」
中隊長は片手でぼくの肩を押し付けた。
「行け。鶏肋くん。」
「森田だよ。森田ゆう。」
「ゆう。いい名前だな。」
「あんたは?」
「人殺しの名前なんか知る必要もない。行け。ここにいるつもりなら、てめえ全部を撃つから。」
中隊長は涙が滲んだ顔でぼくを睨んで、銃を向けた。ぼくは涙を我慢して中隊長から背を向けた。
「今までありがとう。おじさん。」
「君も早くいけ。ももりん。」
ももりんは最後に中隊長をたきしめたあと、ぼくの前に歩いた。中隊長が銃弾を内部弾倉で装填する声が聞こえて、なんか悲しい中国の歌が聞こえた。中隊長がぼくらに捧げる見送りの歌だった。
「这些年、一个人、风也过、雨也过。(ここ数年、一人で風に吹かれて、雨に当たったよな。)」
中国の歌だから歌詞も分からないが、また涙が出て我慢できなくなった。
何だよ、こんなに悲しいメロディは。
「有过泪、有过错、还记得坚持什么。(涙もしたし、間違いもしたよ。しかし、大事にしまっておかな
きゃいけない物はなんだと記憶しているのか?)」
中隊長はきっと泣いている。彼の歌には震えているだから。
「真爱过、才会懂。(愛もしたよ、そして、やっと気づいたよ。)会寂寞、会回首、终有梦、终有你在心中。(寂しくなって、振り向いたら、最後に夢があって、最後に君が俺の心の中にいるって事を。)」
ぼくはわけが分からない中隊長の歌を聞いてぼくも泣いてしまった。
中隊長はいい人なのか?彼は17層で出会った時、エリートによる指揮される集団がもっと必要だと言った事がある。実際に酒呑童子と合戦をするほど中隊長は集団をうまく指揮した。
例え、すべては妻の復讐のためだとしても、ハスタとペルような犠牲者は一杯いた。
それを考えたら中隊長は悪人だ。
しかし、ぼくは中隊長に説教をするほど正しいなのかは今分からない。中隊長がぼくがやった事が正しいだと言ってくれたが、ぼくだって人を散々殺した人殺しだ。
乳と蜂蜜の約束の地には罪ある人は入れない。
ぼくはふっと聖書のある一節が思い出した。モーセはユダヤ民族を導いて約束の地まで来たか、罪がある人はその約束の地に入らなかった。
ぼくの役目はそうだろう。太田を殺したあと、ももりんとナミを導いてその後には・・・・。
ももりんは道を知るようにC面に降りる階段を発見して先に降りた。この階段からはテラスの方がよく見える。
階段の下はカジュアル服の店とバーガーキングがある場所で、その下はもう一所のカフェとカバンや雑貨を売る店だ。その下はジュエリの店。やっぱり、D面のオークランド銀行への道はジュエリの店の前にある階段しかないのかよ?
「おい!森田!やつが逃げている!」
デパートの規模に感心する場合じゃなっった。急に上のテラスから長が叫ぶ声が聞こえた。ふっと下を見たら果然、地雷屋と太田が階段を降りてオークランド銀行の方へ移動している。
ぼくはC面のバーガーキングの入り口でやつを狙った。さっき、橋から一発を落ちて、銃弾はもう二発しかいない!
「おい!長!ちょっとだけでもいい!太田の足を止めてくれ!」
「分かった!」
また自動小銃の銃弾がテラスを叩いて白い装飾が落ちたが、長は構わずにテーブルを落ちた。太田はそのテーブルを避けるために銀行の前の自販機に身を隠れたかそこは丁度ここからよく見えるどころだった。
ぼくは望遠スコープでやつの頭を狙った。距離はちょっとだけ遠いだか今度はやつを殺す。殺してあげるから!
「しゅ、酒呑童子だ!」
え?ぼくが引金を引く前に、テラスから長の部下が落ちるのが見えた。え?どういう事だ!
長の部下は地面に落ちるまで悲惨に悲鳴を挙げて、卵が破れるように頭が破れて即死した。ももりんとナミはその光景から目を回してブルブル震えている。
そして、長がラクロスラケットを持って赤い橋を走るのが見えた。
「ブタさん。ブタさん。どこに行く気ですうか?」
長の後ろで走っているやつが自動小銃に撃たれてまた1階に落ちた。そして、テラスの方へ酒呑童子の鬼仮面が見えた。
酒呑童子やつが現れる瞬間、中隊長の三八式の銃声が聞こえた。酒呑童子の鬼仮面が銃に破れるのが見えた。
「中隊長!」
中隊長がやったのか!しかし、酒呑童子は憎らしく今度はどらえもんの仮面をテラスの上に見せた。ただ仮面だったのかよ!
「おっとと。危ない、危ない。」
「来!酒吞!跟我一起死在这儿」
「残念だ。俺、中国語知らなあい。けれど、俺に銃を向けるブタは殺してもいいから。」
やつが「い」を言うときポン-と音が聞こえた。ぼくはこの音をよく知っている。
「中隊長!避けろ!」




