思わなかった犠牲
地雷の先端部を指で押したら、彼女の変わりに地雷の上に立つ事ができる。しかし、ぼくはただマリアの姿を見ているだけだ。白い羊を救うって言葉もただの口だけの話だったんかよ!
マリア。
よりによって彼女のアイディの名はイエスの母の名前だ。その名前通りにマリアは自分もブルブル震えるながら足を抜けようとしていた。
その瞬間、彼女の後ろから誰かが手が伸ばして彼女の足首を握った。マリアはビックリしてキャッと声を上げたが、自分の足を握った人を見て涙を零した。
「マリア、君が犠牲する必要はない。」
「しゅ、秀さん!」
なんと、いつの間に森が這ってここまで来たんだ!やつはめちゃくちゃになった足でよくもここまで来たんだ!
「マリア、ご覧の通りに俺はもうダメだ。」
「秀さん!」
「一緒に。あの森田なら君もナミをここから。この呪われた建物から脱出させてくれるはずだよ。」
森は地雷の話を聞いていたのが間違いない。彼は地雷の先端部を掌で押して、マリアを前に押しつけた。
「秀さん!私、絶対離れないから!」
「マリア、意地を張らないで。ここでは一人だけ死んだらいい。」
「だって!秀さん!」
「そう。一人だけ死んだらいい。罪ある人が死んだらいい。な?森田よ。」
ぼくはなんにも返事できなかった。
「時間がない。マリアよく聞けよ。俺は多い人を自殺するまでいじめた悪いやつだ。積極か消極がそれは重要ではない。俺はあの森田にも死ぬほどの苦痛をくれた。ここで死ぬのなら俺がピッタリだよ。」
森はまるで神父の前でゆるしの秘蹟でもするようだ。やつの足を見たら、森はもうダメだ。やつはまさか、死ぬ前に悪人が天国に行くために心にもない事を言っているのが?
「そ、そんなの嘘よ!」
「嘘じゃない。本当だよ。森田もその被害者だった。」
マリアはぼくふっとぼくを振り向いた。
「ほ、本当なの?」
「彼だけじゃない。俺は「あの事件」で。俺が片想いした少女が自殺した時ふっと気づいたよ。俺がしたことがどんなに酷い事だったのか。」
片想い?
少女?
こいつ何を言っている?そして「あの事件」はなんだ?
「あんたら卑怯よ!」
ふっとぼくの頭のなかである少女の話声が響いた。
あんたら卑怯よ。
え?どうして?
どうして、森とやつらにやられて悲惨になったとき手を伸ばした少女が思い出したんだ?なぜ、森の話を聞いてあの瞬間が!
ぼくは頭を手で抱えた。なんか思いたくない事が思い出してぼくの全身がそれを知る事を拒否するようだ。
「マリア、俺はハレンチなやつだよ。無実な女性を残忍にレイプをした。」
「そ、そんな。秀さん。ウソよね?ウソだよね?」
「本当だよ。丁度マリア、あなたと同じに高校二年の時に俺は。俺は片想いした少女をレイプしました。」
マリアは衝撃を受けて、すぐ地雷から離れて退けた。
ショックを受けたのはマリアだけじゃない。森!一体なにがあったのだ!これはぼくは全然しらない事だった。
「おい、森。なにがあった。一体何があったんだ!」
森は悲しい目でぼくを見つめた。
見知らぬ仲間のために自分の命を代わりに捧げるなんで、あの頃の森じゃ考えられない。今もやつは
死にたい人のようにマリアの代わりに地雷を踏んでいる。
あのレイプ事件がやつの人生を変えたのか?森が変えた理由が「あの事件」つまり、ある少女を「レイプ」した事件だったのか・
「おい!森!日野も、長もあの事件について言った事がある!あの事件はレイプ事件なのか!」
ぼくは直感的にぼくが「宿主」になった理由もこの事件と関係あるだと今気づいた。
「そう。われらはここで罰を受けている。」
罰を受けている。
われら。
「まさか?長もこの事と関係あるのが?」
確かに長も風呂でそう言った!
罰を受けている!
え?どうして?あ!長はこんな事も言った。
あんな事をさせたと!
まさか!まさか!そうだとしたら二年D組のみんなは!ぼくの頭には恐ろしい単語が浮かべた。
集団レイプ。
ぼくの頭で浮かぶ言葉はそんな恐ろしい事しかいない。
太田、ケロ、長、日野が見だれか、そしてタテモノのどこかで死んだ二年D組のやつら。
二年D組。
二年D組の中で男子たちだけがこの建物に招待された理由。
ここにいる森を含めてここで死んだやつらは全部ある少女をレイプしてその罪のせいでここにいる!
まさか、夢で見た場面は本当だったのか?校門から出てくる二年D組の男子だちと少女。
まって。それにしてもあの少女は誰だ。
ぼくがずっと思っている少女は。
ぼくに手を伸ばしている少女は!
「おい、森。言ってくれ。てめえがあんな事をした少女は誰だ。一体誰なんだ!」
「森田。俺が知る限り、君はあの事件とは関係ないんだ。そんなの君が知る必要がない。罪が深くなるだけだ。」
「なんのバカな事をしている!その事件はぼくにも重要だよ!」
「俺は分かっている。森田、君はわれら、罪ある二年D組のみんなを処理するために入れた始末の役目だろう。その銃もそうだし。君はしる必要はない。君は君のやるべき事をすれば・・・・。」
「おい!森話を聞け!ぼくには重要な事だ!そしてぼくは処理者なんかじゃない!」
森は小銃の見て完全に錯覚している。このやろう!
「森!ぼくは復讐者なんかじゃない!最初に殺される役目だったよ!」
ぼくは慌てて森が座っている場所まで来た。しかし、森は完全に心を決めたように首を振った。
「森田、本当に君が知る必要はない、全ての罪は俺に。マリアとナミをよろしくお願いします。」
「森!」
「近寄るな!マリア、君も森田と一緒に逃げろ!」
やつは自分の手を見せた。森やつはもう地雷の先端部を押す力さえなくなった。足から川のように血が流れている。ぼくはやむを得ずにマリアの手を握って彼女と一緒に近くにあるコーナで身を躍らせた。
「森田!最後には君の役に立ってよかったよ。これで俺の罪はちょっと許され・・・。」
森やつの話が終わる前にパイプの向うで跳躍地雷が垂直に浮かぶのが見えた。森は最後の力を出して跳躍した地雷に身を躍らせた。そして自分の胸に地雷を抱いてそのまま身を伏せた。
「森いい!」
恐ろしい音が聞いたあと、何にも聞こえなかった。
「くそ!森!森い!か、勝手に!誰が言ったんだ!勝手に犠牲すれば!ぼくが、ぼくが殺すだと言っ
たじゃないが!」
この気持をどう説明すればいい?殺したかった相手が勝手に犠牲して、勝手に死んでしまった。
「バカ。聞きたい事があったのに。そして。」
そして、もしかしたら仲間に。
「いや、森。君とは仲間にはなれないよ。」
ぼくは背中に大きな穴が出た森の死体を見つめて泣き声になった。
「ただ、ただの道連れはなれるかも知らないけど。」
道連れ。
そう、森は短い間だかぼくと一緒に建物を降りてここで死んだ。ただそれだけだ。
それだけ。
いや、ただのそれだけなのか?
なぜぼくはまたバカ見たいに泣いているんだよ。
なぜ、ぼくの仇だった人の死を悲しんでいるんだよ。
なぜ、勝手に犠牲した森がこんなにも切なく感じられのかよ。
ぼくは森を最後まで憎むのも、森を殺すのも全部失敗した。
「アイディ。アイディを回収しなきゃ。」
ぼくの話を聞いて、マリアがぼくを恐ろしい目であっちを振り向いた。ぼくはナミを彼女に連れて来たあと、森の死体に歩いた。そんなぼくの後ろでマリアがぼくに怒鳴り散らした。
「あんたも秀さんのアイディが欲しいの!あんななにもないプラスチックがよ!何億をくれるって本当に信じているの!」
「バカ。言っただろう!ぼくはアイディには興味ないって。君が森のアイディのこの建物の外で持って出てけ。そうして・・・。伝えろよ。彼の家族とか大事な人に。」
森のアイディは紐が切られてやつの死体の側にあった。ぼくは森の死体を見てまた涙を我慢した。やつは笑っている。満足した顔で倒れている。その笑顔はハスタと同じだった。
「そんなにぼくを信じたのか?バカ。バカ見たいに。」
ぼくは森のアイディを拾って始めてそのアイディを見た。
それを見て、ぼくはみともなく涙を零してしまった。なぜ、ぼくはやつのアイディを確認しなかったんだ?これを始めて見たらこんな結果にはならなかったかもしらない。
森は、こいつはなんと「神父」だったんだ。
アイディの写真には黒い司祭服を着て子供と笑っている。森の後ろには見窄らしい学校が見える。多分、アプリカとかの「海外ボランティアの活動」で取った写真だろう。
写真の中の森は現地の子供と一緒に笑っている。子供の笑いは、司祭として森がどんな人だったのかよく言っている。多分、我らの年を考えたら彼も見習い神父とかそんなもんだろう。けれど、やつが神父になったとは思わなかった事だ。
あ、確かに風呂でもロッカーでも敵を殺したのはマリアだったな。
「こ、こいつ。こうしたら許されると思ったのかよ。ぼ、ぼくがてめえを許すと思ったのかよ!神父になって・・・。て、てめは御曹司。あ・・・。」
ぼくは森を揶揄うながらちょっと落ち着こうとしたか、アイディのウラを見て完全に崩れてしまった。
何千円?何億円?
やつの残高はなんと三百円しかいない。信じられる?あの森家のオンゾウシの全財産って三百万円じゃなく三百円だ!300だとアラビア数字を見る瞬間ぼくは気づいた。
森は家門と完全に縁を切って、神父になったようだ。普通の人なら目が眩むほどの遺産を蹴飛ばして神父になるって。やつはどんな気持だったのか?やつは一体何を考えていたのか?
何がやつをそんなに変えたのか?
あのレイプ事件から完全に懺悔して神に身を捧げるなんで、ぼくにとっては全然理解できない事だ。
確かな事は森は後悔していただけだ。
「ぼくはなんにも分からないけど、君はせめて日野とは違うやつだったよな。」
日野は死ぬ瞬間までぼくに悪口を言うながら死んだ。森は本当に自分がやった事、罪を悔悟していたしのか?分からない。その心は誰でも分からないはずだ。
森は自ら行動で証明した。他人のために犠牲して代わりに死んで、自分がどんな人なのか、どんな人に変えたか見せた。
ぼくは森の頭に手を上げてやつをじっと見つめた。
「こいつもどいつもぼくに勝手に希望を任せて勝手に死ぬのかよ。」
ぼくはなぜか、森に祈った。ぼくに彼女たちを守る力をくれって。
「分かった。森、よくは分からないけど、あの人たちを助けるから安心しろ。安心して・・・・。」
森の死体も酒呑童子が食うかも知らない。ぼくはやつの最後と最後の「選択」を目に焼いたあと、立ち直った。
「ナミ、マリア。いこう。」
二人は何も言わなかった。
「いこう。もうすぐだ。」
水蒸気の向うでは相変わらず悲劇が続いている。長とその部下たちは女子を手にいれるためにしらみつぶしに探している。時々爆弾や地雷が爆発する音と悲惨な悲鳴が聞こえたが、やつらはもうブレーキなしに暴走する機関車だ。長だって森を見て理性の紐が切れたようだ。
長もあの少女をレイプした事で人生が変わったのか?
分からない。
ぼくが出来ることはナミとマリアと一緒にここを降りるだけだ。




