19層戦闘、その終わり
村田銃は再装填には手間がかかる。ぼくは遊底を引いて銃弾を入れる事すら、手慣れていないから何秒がかかるんだ。ぼくはもう予備銃弾を二発、口にくわえているが、それを再装填するには時間がない。
ガチャ-と猟師の方の再装填の音がばっきり聞こえた。
残弾は五発。
敵の玉切れを狙うことも不可能。しかし、猟師は右手に傷付いているので、銃を支えている手は右手じゃなく左手だ。それじゃろくに照準できない事も当たり前だ。
今こそ自分の命をかけて勝負をする瞬間だ。ぼくの体はもう木の上にある足場に上がって猟師がいるところに走っている。
「このやろう!」
当たらない。
その前にぼくが猟師を殺すから。猟師が引金を引く前に、ぼくは片手でキャンピング斧を投げた。距離はだった5メートル。
「このクソガキがあ!」
斧はやつの左肩に直撃して、三八年式の銃口は天井に向かった。やっぱりあの銃だ!
タアン-。
銃弾はぼくじゃなくて天井の照明を破った!ポキッと照明が壊れて、ガラスの破片と天井の装飾物がぼくの頭にも落ちた。ぼくは止まらない。
ぼくも銃を撃つよりこの気勢で突撃するのがいい!どうぜ、キャンピング斧まで投げた後だ。そして、微かな幸運がまたぼくを助かっている。
「目が!目があ!」
さっき、天井から落ちたガラス破片が、よりによって猟師の両目に落ちて猟師は「赤い涙」を流れている!
一歩、二歩!
ぼくはこのゴリゴリな植物園の「主」に近づいている!猟師は慌ててまた銃を再装填して撃ったが、両目がやられてどこがどこなのか分かっていない。
ぼくはそのまま銃剣を猟師の喉にそのまま突き刺した。
「くそガキ。」
それが19層を支配していた猟師二人組の最後の一言だった。老人の鼻と口では血が流れ出て、村田銃の銃剣にとろりとやられた。やつの目は怒りか、怨念か分からないが血が流れている目でぼくを睨んでいる。
虚しい最後ではないが?そんなに人を揶揄って死に追い詰めたのに、その暴君の最後も平等にこんな様だ。
強者も弱者も同じに殺されて死ぬ。
何度も思ったが、建物の外に比べても建物の方が公平じゃないのかよ?
例え強者でもやられる可能性がある。
外にはそんな可能性すらないだと考えたらもっとそう思われるほどだ。
しかし、そんな事を考えている暇なんかなかった。猟師の巨大な体は巨木が倒れるように後ろに倒れた。
「あちゃ!」
ぼくは急いで猟師の死体を引き上げろうとしたか、猟師の死体とその装備が余りにも重すぎる!弱り目にたたり目で猟師の後ろには欄干さえいない!
「銃!」
三八年式はもう猟師の手から離れて下に落ちて、だれかが近づく音が聞こえた。ぼくは猟師の死体を支えている間、謎の人が地面に落ちた三八年式を拾い上げだ。
「え!」
中隊長だと?え?あんた突撃隊と一緒じゃなかったの?中隊長は余裕満々と銃を拾い上げで、ぼくを見つめた。さっき中隊長の後ろには五人ほどの親衛隊がいたはずだ!今、あの部下たちは一体どこにいる?
こいつら!部下たちを突撃させて、自分は安全な場所で待っていたんだ!ぼくがさっき中隊長だと考えた人はただこいつの「服」だけだった!その服を着ているやつはもう死んで中隊長は生き延びた。
「こいつう!卑怯だ!」
ぼくはすぐ猟師の死体を手放して、即時に銃弾を村田銃に装填した。猟師の銃は照明を撃った後、また装填していない!よくやったら、中隊やつらを全員殺すのもできる!
猟師の死体がどしりと声を出して地面に落ちて、ぼくは中隊長を照準した。
しかし、中隊長の前には。
「どー兄さん。」
絶対忘れない声だった。昨日ハスタと分かれる時に最後で聞こえた話声。
「ももりん!」
中隊長はももりんを盾をして前に出して、無表情にぼくをみつめている。くっそ!ブルブル震えているももりんを見たら、このままじゃ中隊長だけを命中するかどうか判断できない!
くそ!くそ!
中隊長は巧妙にももりんの小さい体の後ろで隠している。ももりんの首には鋭いナイフが構えている。ぼくの手もももりんのように勝手に震えている。
中隊長はももりんの肩で銃をあげて三八年式の遊底を引いた。くっそ!ぼくは瞬間、この欄干から飛び降りて中隊長を襲うのを思ったが、中隊長はそんな事も備えているようだ。やつは薬室を確認して遊底を元に押し詰めた。
やはり中隊長は軍の経験がある。やつは容易く三八年式を装填して銃を片手でぼくがいる場所に照準した。くっそ!ももりんの涙だらけの顔を見たら何にもできない!ハスタはももりんのアイディと名前を壁に書いた!
「鶏肋くん、ここは一応お礼を言うどころだな。中隊全部が出来なかった事を君は一人でやった。」
「下らない誉め言葉はよせ。」
「ただの誉め言葉じゃない。本当に感心した。どうだ。俺と組まないか?」
「冗談はやめろ。ぼくがあんたの下っ端になるって言うのか?こんな皆殺しを見てあんたを信じるとおもうかよ。」
「哎呀,没有耳性。」
「中隊長,黙れい!最初から、今日の朝で出合った時、こんなきたねえ一手を考えたな?部下たち全
部を捨てて、19層を陥落されるのを待っていたんだ!汚いやろう!」
中隊長は相変わらず無表情でぼくを見つめている。
「这蛮不讲理的孩子,你要听一听我的话。大義をためには、時には少数の犠牲が必要なんだ。認めた
くないけど、それが歴史で何度も、何度も繰り返した事だ。」
「ふざけるな。そんな大義はてめえが決めて、犠牲になる人を決めるのもてめえじゃねが?」
「ギリシャの哲学者、プラトンが言った事がある。優秀な人が群れを導く。この世はどうせ優秀な人が導いている。建物の外でもここでも。それを否定する気が?」
「黙れ!卑怯なやつ!そんな偉い大義で何をやりたいのかよ!あ!こんなに人がたくさん殺されたのに!何をしたいんだ!」
ふっと、ぼくに写真とアイディを託してぼくの代わりに犠牲された中国人が思い出した。あの人もこの中隊長の話を信じて突撃したんだ!
「鶏肋くん、俺を卑怯で汚いやつだと言ったら、君も同じじゃないのか?」
「んだと!」
「玉将と中隊を19層の戦場に巻き込まれて、その間、移動或いは19層の老人たち、中隊、玉将のやつら、全部をお互い戦わせるつもりじゃなかったのか?」
「そ、それは。」
ぼくは返事をしようとしたが中隊長がさえぎった。
「言わば、君はこの19層の全部、地獄図の「マエストロ」だ。全部、君が望んだ通り、進行しなかっ
たのか?猟師を殺してその武器まで拾って、全部君の「クリーン」な計画通りに。」
ぼくは返事できなかった。中隊長は微笑んでぼくを見上げた。
「いやいや。誤解したら困る。俺は君のその「残酷さ」まで高く買っている。この建物で君みたいに賢いやつはよほどない。どうだ、最後に言っておく。組まないか?」
「てめえはなぜぼくと組もうとする?」
中隊長は簡単に答えた。
「酒呑童子。俺の大義はあの怪物を倒す事だけだ。」
これもぼくが思った通りだ。なんらかの理由で中隊長は酒呑童子を殺そうとしている。
「ゾーマかよ。」
「ゾ-マ?それはなんだ?」
「後の話は世界の半分をぼくにくれるって話だろう。」
「なんだ、それは。」
「てめえにはどうでもいい話だ。」
ぼくは銃を照準した。手の震えはもう止まっている。しかし、中隊長の方は恐れている気配は全然ない。
「鶏肋くん、この時点で戦ってばお互い共滅するだろう。今日もお互い「鶏肋」な状況じゃねが?」
「なにが共滅だ。」
「まあ、今度は君へのお礼としてここは休戦しよう。」
「都合いい話はやめろ。この卑怯なやつ。てめえもこの19層を占領する気が?」
「いや、言っただろう。俺はこの19層にもう興味ない。補給をした後、もっと下に降りるつもりだ。」
「どこに?」
「興味あるなら一緒に来い。酒呑童子と戦えるどころがある。」
「なら、ももりんは放せ。彼女は無実だろう。酒呑童子との戦いに関係ないだろう!」
「そうはいかない。彼女を放したら、君がおれを殺すだろう。」
中隊長はぼくの心を覗いたように断言した。そう、ももりんがないのなら、てめえのなんか一気に殺したはずだ!
「くっそ。てめえ!」
「心配するな。俺もこの頃の娘がいたよ。」
「いた?」
ぼくはももりんの顔を見つめた。彼女はぼくに無理やり笑って、自分は大丈夫だと言っている。ぼくは彼女に笑う顔を見せるって思ったがよく出来ない。
「ももりん!もうすぐ救出するから!待っていて!」
ももりんはまた涙を溢れて後ろに歩いた。ぼくは中隊長とももりんがコンビニの方へ消えていくのを銃を照準しながら見つめている。中隊長はももりんを盾として、コンビニの前を通過した。
「中隊長!俺ですよ!あなたの親衛隊ですよ!」
中隊長はコンビニの前に倒れている「日野」をちらっと見てやつを無視した。
「中隊長!こんやろ!無視すんかよ!」
日野が叫んでも中隊長はもうコンビニの中へ入ってしまった。
「この中国やろう!裏切るのか!」
日野は自分の足を抱えて叫んだか、誰もやつの声なんか聞いていない。
まもなく、ももりんと中隊長の姿がコンビニの中で見えた。中隊長はぼくの狙撃を警戒しならが、ももりんを狙っている。ももりんが中隊長の代わりに食糧や水をカバンに入った。
そして、ももりんは水と食糧などをショッピングカートに積んでコンビニの向うへ消えてしまった。日野が中隊長になんかを叫んだか、それはぼくには届いていない。
「くそ!ぼくは!ももりんが目の前にいたのに!」
19層の戦闘はこう終わった。
ぼくは木の上で他のやつがないのか警戒した。しかし、聞こえるのは誰かの呻吟でここにはもうぼく以外にろくに生きている人はなかった。
玉将のやつも中隊も19層でみんな公平に全滅された。ぼくはふっと笑いが弾けた。
はははは、19層の上でこんなに戦ったのに名も知らずに消えるのか?
そして、ぼくはやっと生き残っただと実感じた。
まだ生きている。
ぼくは安全だと確認したあと木から降りた。足の親指には拳銃を引っ張った紐がまた残っている。激しい戦闘だった。無事に生き残ったのがまさに奇跡だ。
ぼくは真っ先に拳銃を縛った木に行った。
そして。
「なんだこりゃ?え?」
拳銃が発射されたのは確かだ。
しかし、拳銃のスライドは銃身から分離して、後ろの木に打ち込まれている。え?まるで、大砲の砲弾が打ち込んだ場所見たいだ。
「スライドがなぜこんなに?」
ふっとYOUTUBEで銃器を分解して掃除をする動画が思い出した。あいにくにその時見た銃の種類もよりによってこの拳銃「グロック」だった。
グロックを分解は第一、スライドを固定する「スライド固定装置」のボタンを下で押す事から始まる。
しかし、この拳銃のボタンは完全に壊れてボタン自体がなくなった。一度、銃を撃つ事でこんな事が出来るのか?
いや、そうはずがない。
ぼくは何度も村田銃を撃ったか、こんな事はなかった。ぼくは縛られている銃を解いてよく見た。
ボタンと連結しているスライドストップと言う部品も糸鋸とかで半分切れている。固定ボタンとスライドストップが壊れたら、スライドは銃身から分離して反作用で後ろに飛ばす。銃になんにも知らないぼくも、これが何の意味かは分かる。
これは「誰か」が「わざと」銃の機能故障を狙って細工した痕跡だ!




