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人間競走馬, 賞金

声がどこから聞こえているのか、それさえ分からない。ぼくがウロウロしている間、またガラスが破れるような音と一緒にまた女が悲鳴を上げた。


「助けて!新人狩りだよ!誰が助けて!」


新人狩り?

しんじん?


ぼくは思わずに声が聞こえる方向に頭を振り向いた。声は金庫門の外から聞いている。


「黙れ!」


今度はこれは男の声だ。二人?


「誰が助けて!誰でもいい!私に3百万のアイディがあるよ!これをあげるから!助けて!」

「黙れ!このクソ女が!それを口に出すな!」


3百万のアイディ?

ぼくは無意識的に自分のアイディを振り向いた。

3びゃくまん?


まさか銀行の残高がすべての人達に表示されているのか?ぼくは薄々アイディの意味が分かる気がする。


「まさか、それはないだろう。それは。」


アイディを見て考える時、また女が張り裂けるような悲鳴を上げた。悲鳴のエコーが耳でワワと響かせている。ぼくは金庫の扉と倒れた屍体を代わる代わる見た。


屍体を見る瞬間、むしろ心のなかから心の声が聞こえた。


ぼくは正義の見方じゃないし、ヒーロでもない。


下手に出たらここに屍体見たいに殺される。ぼくは銃と包丁を持っているけど、それでは十分じゃないんだ。外に何人いるのか分からないし、ぼくは一人だ。


ぼくは目を閉じた。ぼくには情報が絶対に必要だ。殺人ゲームだと言っても、どうなるのかは全く知らないままだ。


悲鳴を上げた女にはちょっと申し訳ない事だか彼女が痛い目になったとしても、ぼくと何の関係があるんだ?

しかし、ぼくはなんだか女性の方が気になった。このままあの女の子が死んだらどうする?


「何という様だ。たった今は「どんと来い」って言ったくせに。」


ぼくは目を上げた。修羅場はここも同じだ。これは夢ではない。シンデレラの魔法のように、屍体とこの上京が一瞬で変える訳がないだろう?


雪もそのまま、屍体もそのままだ。


「ここで何万年躊躇っていても方法はないのは同じだ。」


そう決めたあと、ぼくはすぐ意外な物に気が付いた。ぼくは昨日の格好で、また半ズボンとオタクぽいなティーシャツ、スリッパを履いたままだ。こんな格好で何時間いたら凍傷、あるいは凍え死ぬだろう。


もう指先と足指が痛いくて堪らない。特にあの女性の悲鳴じゃなくてもここで出るしかないんだ。

ならばここを出ろ。そう決めたら、そんなぼくの促すように女の叫びがだんだん消えて行く。


「銃と刀。」


ぼくが持っている装備を見たら、恐怖は少しは消えて微かだけど勇気が出た。今はそんな小さいな勇気でもいい。


やっとぼくは金庫の扉の前に立った。多分、これを開いたら、ぼくのゲームが始まるんだろう。ぼくは手をブルブル震えるながら鉄の門の取っ手を回した。


カンーと音がして巨大な機関がアナログ時計ように動いるのがよく見えた。扉の中にある歯車が回転してキリキリ耳障りな音と一緒に扉がやっと開いた。ぼくはちょっと開いた扉を見てなんかを思い出した。


「待って。このような物をどっかに見た気がする。」


巨大な扉が開いた瞬間、ぼくが思い出したのは競馬が出走する場面だった。


ファミレスの仲間の一人が競馬狂だったから、何度だけ競馬場にあの人がぼくを連れて行ったことがあった。


競走馬は鉄網で作られた四角の「発馬機」にに入れて「競走」を待っている。そして発馬機の扉がカンーと開いたらやっと「競走」が始まる。


この「扉」はまるで「発馬機」と同じじゃないが?その瞬間ぼくはパッとアイディを見た。まさか。ぼくはアイディの後ろ最上段にある数字の意味をついに気が付いた。


これはまさか「オッズ」!

オッズに間違いない!


オッズ(Odds)とは確率によって、どのような競走馬が勝算あるのか予想する方法である。そして勝ち目がある競走馬こそそのオッズの数値は低い。


ぼくは自分のアイディに書いている数字を見ながら戦慄した。これがオッズだとしたらぼくのおっズは。


14.56。


馬鹿な!まさか「ゲーム」って「競走」だったのが!そしてぼくはとびらのすぐ側に書いている文字をまた見つけた。


ダウン。

DOWN。


下を示しているこの巨大な矢印って、まさかゲームの方向を示しているんじゃない?


下に降りろって!


一体なんのために!その答えもぼくがずっと握っていたんだ。


14.56の数字がオッズのなら・・・・。そのオッズがなぜ、写真付きのアイディに付いている? その理由もぼくは容易く分かった。


「嘘だろう。たたの殺人ゲームじゃなくて「人間競走馬ゲーム」だったのか?このゲームは?」


人間競走馬。


どれぐらい皮肉な名称だ。しかし、ぼくのアイディには親切に競馬の旗まで描いたままで確かにそう書いている。


降りろ。

死にたくないなら降りろ。


人間競走馬なら目的はたった一つしかない。誰より早く「決勝点」を通過しなきゃいけないんだ。これが競馬の形式だったら、どのようなゲームのやり方なのかは知らないが勝利者は少ないはずだ。


たった五人?

いや、三連式でも三人?

復勝式なら二人?


ぼくは扉に依って拳を握った。何が何だか分からないが、こんなどころでこう死ぬのはいやだ。

ぼくには「やるべき事」がある。高校を中退して今まで悲惨でも生き残っているのは、やるべき事のせいだった。ぼくは後ろの屍体を見て決意を固めた。


「ありがとう。屍体さんたち。あんたらのヒントは役に立ったよ。」


ぼくは静かに外へ出た。先の悲鳴はそら耳ように消えて回りは静かだ。


ぼくは扉の外にある物を見てまたビックリした。殺人鬼が扉の前で待っているだと勘違いしたよ!良く見たら、これ「カーネルじじい」じゃねが?あのファ-ストフードのマスコットの人形!


「カーネルおじいさん」はぼくに背中を見せて前を見ている。ぼくはカーネルさんの肩の後ろで外の状況を覗いた。


「んだよ、ここは。」


ぼくはファ-ストフードの冷蔵庫から出たようだ。前はファ-ストフード店のキッチンとカウンタだし、その後ろには破ったガラス窓が見える。しかし、変なのは店の中には人の気配が全然ないってことだ。廃家と同じに霊とかが出るようなちょっとうっとうしい雰囲気だ。


上には天井があってそれを見たら、ここが何の建物の中なのは確かだ。


しかし、ここがもっと恐ろしいに気づいた。ここには外が見える窓が一つもないんだ。


え?なぜ?よく見たら、窓があるはずのどころだか、何かセメントでこてこてに塞がっている。ぼくの目が届くすべての窓は全部そう塞がっている。ぼくは試しに横にある窓の一つを手でたたいた。


セメントの重い感触が手に感じられる。これは爆弾が爆発してもびくともしない厚さの壁だ。金庫の扉もそうだったし、何のためにこんなに手間が掛る事をしたんだ。


ぼくはそのままキッチンを通って、カウンターの後ろで耳を傾いた。なんと、どこかで人がヒソヒソと声が聞こえた。


「え。ぜんぜん釣らないじゃん。「3百万」だと言ったのに。」

「静かにしろ。ここが大事だ。きっと愚かな新人さんがのこのこ出るどころだよ。」

「って。怖いんだもん。ここ出るんだよ。」

「あ。あの「鬼の話」が?」


あのやつ?鬼?どういう事だ?誰の話?もしかしてぼくの話?


「あやつがあの「ちゅうたいの連中」も殺しただと聞いたのよ。」

「ぼくも分かる。あのやつは「ゼロ層で主」でここで出るだと。しかし、時には冒険をする必要があるんだよ。あんた、確にいま稼いだ物では東京でマンションのどころか、家賃でも足りないだと言ったじゃん。」

「だって。本当に怖いんだもん。」

「やつが来る前にきっと立派な新人さんが出るんだよ。武器とかも必要し水を持っているかもしらない。怖くてもすこし待ってぐれ。俺にはちょっとヒントがあるから。」


ぼくは男女の話を聞いて続々登場する新しい単語に混乱した。


ゼロ層?

ちゅうたいの連中?

あいつ?

鬼?

新人?


それより彼らはなぜ家賃とか「お金の話」をしているんだ?


向うにいるやつらは何を言っている?ぼくはごっそりと紙切れを開いた。しかし、そこでも新人とか「ちゅうたい」とかの話は一切いない。ただ、ぼくの目を引く部分は別にあった。


4 ・・・・容易いどころはきっとワナが・・・・。


容易いどころはきっとワナがある!


あ!まさか、あの女の叫びは「ワナ」だったのが!彼らの話を聞いて、そのまま出たらぼくは?

彼らはぼく見たいに、ただいまゲームを始まった「ヒヨコ」を狙う釣り手だ!


新人狩り!

新人を攻撃する!


ぼくはどんどん混乱になった。もちろんなぜこの男女が新人を狙うのかは心当たりがある。


新人はゲームに十分なれていないはずだ。その隙間を狙って攻撃すれば容易く勝つって言うか殺す事ができるんだろう。そして、彼らが勝って奪いたい物もぼくはもう気が付いた。


「アイディ。」

ぼくは部屋を出る時には半信半疑だったか、「新人狩り」と「3百万のアイディ」って話は余りにも明確だ。


なぜ「一般人」が誰かを殺さなきゃいけないって理由まで気づいた。


アイディの銀行残高は他の人には「賞金」になるんだ!


つまり、このアイディを手に入れる事で相手の銀行口座を所有する。

それ以外にはあの男女の行動が説明出来ないんだ。あの女はまるで当たった「富くじ」を持ったように「3百万」だと叫んだ。そんなルールじゃなかったら新人さんにそう叫んでも無駄だろう。


「3百万のアイディ」ってこのゲームの中にはルールを知っている人にはまさに宝物で現金と同じだ。いや、銀行の残高が高い人こそ、まさに「歩いてるお金」だ。そう仮定したら、家賃とかの「稼いだ物」とかは容易く理解出来る。


彼らが「稼いだ物」はつまり他人の「アイディ」だ。新人狩りの目的は新人さんを殺して「アイディ」を奪うのだ。


ぼくは自分の口を手で塞いだ。


「狂ってる。み・・・みんな狂ってる。」


殺人って以外に頻繁な事だ。新聞を見たら一日でも2、3件もあるんだ。


その殺人の動機を見ても下らない理由もたくさんある。人はたった百万円のために人を殺すんだ。

保険金を狙って自分の息子を殺して、時には借金の督促に耐えられなくなれ、家族を全員殺して自殺もする。


ここで殺人ゲームを始まるために「サイコパース」のような狂ったやつは別ににいらないんだ。新聞の殺人事件ようにお金に困った人がここにいたら、彼はどんな選択をするんだ?


たった「十万円」のためでヤクザとかに責められた人がいたら?

何千万円の絶望な債務がある人がいたら?

もしや、家族の病気で手術費用とか必要な人がいたら?


人が人殺しになるのは何秒かかると思う?


一瞬だろう。

一瞬に一般人から「人殺し」になるんだよ!


その証拠はあっちにもある。「新人狩り」をする人達はきっと家賃とか言ったはずだ。家賃を心配しているサイコパース殺人鬼なんかどこにいるんだよ!


ぼくは手で口を塞いだまま、何か涙が出るのを必死で我慢した。

ぼくだって先月家賃でほとほと手をやいた。何という様だよ。ぼくが出会った初めての人殺しはドラマの中で出るクールでセクシーな者ではなかった。


ぼくと同じく貧しい生活をしていた一般人だ。


ぼくが涙を我慢したいる間にぼくの後ろ、つまりファストフド店の入り口で誰がウロウロしているのが見えた。


ぼくは破られた鏡を利用して潜望鏡ように外を覗いた。鏡で映っているのは老人と若い女性だった。彼らはぼく見たいに混乱している。


あ。そうだ。彼らは紙切れがないんだ。あの屍体が。いや、冷蔵庫のあの人がぼくにとっては恩人だった。

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