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拳銃 

殺人ゲーム。


喉から「これ嘘でしょう!」って声が溢れたが、ついに屍体を見たあと、すぐその声は消えてしまった。ぼくは震える手であの紙切れを拾い上げてよく見た。

紙切れはただの紙じゃなくてチョコレートの中にいる銀縛紙だった。その銀縛紙にボールぺんで書いた文字が数列書いている。


1 これは殺人ゲームだ。誰も信じるな。


2 黒い羊は白い羊の中に・・・・。


血が滲んでいてどころどころがよく見えない。ぼくは知らない部分を無視して続いてよんだ。


3 取引は・・・・・なんでも・・しかし・・ない。


4 ・・・・容易い・・・はきっとワナが・・・・。


5 水は大切な・・・・・。


6・・・・仲間・・・・を探せ・・・黒い・・かも知れない。


7ベールは各状況に・・・。よく聞いてば・・・・。


8 相手の信頼・・・・。


9 黒い羊は・・・・・かも知れない。


10 ウェポンは絶対に隠・・・・・・いい。


チョコレートの銀縛紙に書いているのはこれだけ。しかし、ぼくは死んだ人が書いた紙切れを見ながらなんか涙がした。


「何でぼくが。ぼくは悪いことなんかしてなかったのに。なぜぼくが。」


否定しても屍体がぼくに叫んでいるようだ。

このバカ!君はもう殺人ゲームの中にいる!


しっかりしろ!


ぼくは紙切れの中にある羊って言うものに目が止まった。あ!そういう意味か!ふっとこれを書いた人の気持が何なのかすぐ分かる気がする。


ぼくは高校二年生の時キリシト教の教会に一年ほど行った事がある。その教会で一番ぼくの興味を引いたのは、キリストの死の意味だった。


教会によるとキリストは罪ない神の息子なのに人達を救うために地上に降りたと言う話だった。

キリスト教では「羊」ってその罪ないキリストを象徴する単語だった。


罪ない羊。

白い羊。


ぼくは一気に紙切れ中の羊の意味を分かった。


「これが殺人ゲームなら黒い羊は「人殺し」。あるいは危険な者。」


まるで、この銀縛紙という暗号を解く「キ-」がこの羊って言う単語だろう。一旦、羊の意味が分かると残りの内容が薄々理解できるようだ。


2番目の黒い羊は白い羊の中に・・・・。


そのあとは「黒い羊は白い羊の中にある」って事だろう。つまり、ここには「人殺し」と「罪ない人」が共存する状態って事さ。


黒い羊が人殺し?


これもちょっと考えればすぐ分かる事だ。紙切れによるとこれは殺人ゲームだ。罪ある人がここで何をしようとするのかよ?それは殺人しかないんだろう。あの屍体もだれかに殺されてここに放置されたんじゃないのかよ。


この屍体も黒い羊に裏切られここで倒されたのが? 想像だけでもなんと恐ろしい場面じゃない? 今まで信じていた仲間が本当は人殺しであのやつが後ろから攻撃するって。彼は倒れたぼくを眺めて笑っている。


2番のメッセジはそんな状況を行っているようだ。


しかし、倒れた屍体を見たら黒い羊、つまり人殺しがここにいるのは確かだ。ならば、なぜ、あの人殺しは人を殺さなきゃいけないんだ?その理由が気になる。


もちろん、世の中には殺人で快感を感じるサイコ-パスもいっぱいいるだろう。まさか、そんな殺人

鬼がここにいるのか?


しかし、屍体たちを見ればそんな仮説もちょっと変だ。一人は包丁に刺されて殺されたし、他の人は銃弾で頭を貫通された痕跡が残っている。


殺人鬼がごれをやったとてしてもこれは変だ。一人は銃で殺した後、わざわざ包丁で殺す理由ってあるのかよ?何か一貫性がないんじゃない?快楽を目的する殺人鬼がわざと銃で?

ぼくは「」人殺し」でもあるまいし、人殺しの心理なんか知らないが、この殺人のやり方はちょっと変なものである。もちろん銃で殺したあと、屍体をバラバラする狂った者もいくらでもいるが、ここの状況はそんな気配が全然ない。


って言うか、なんだか屍体はお互いをかばうように死んでいる。

ぼくは不意に足下を見て屍体だちの血が溜まって足跡の形で固まった痕跡を気づいた。雪が積もってぼくが気づつかなかったもう一つのヒントだった。


ぼくは足下の雪を払ってその下に残っているもう一つの赤い線と二つ以上の足跡を発見した。


「なにこれ。これは二人、いや三人以上だ。」


足跡の大きさや形態もバラバラ。つまり三人以上がこの人たちを殺しただと言う話だ。


「これはただの殺人なんかじゃない。まるで戦闘だ。襲撃だ。」


積もった雪の下にはあの戦闘の痕跡がそのまま残っている。多数の人だちが各自の武器を使用して、お互いを殺ろす状況が、まるでぼくの目の前に再現するようだ。巨大な刃物がここを斬て破って氷の破片が飛び散る。死んだ人は自分の武器で相手を突き刺す。


よく分からないがそのような足跡がぼくに何かを言っているようだ。


森田ゆう。しっかりしろ。人殺しは立派なサイコーパスだけじゃない。


五人、六人?そんなにサイコーパスがいるなんで有り得ない。


あ!そうだ!黒い羊って本当のそんな意味なのか!もし本当の殺人鬼なら「羊」と呼ばれる分けがない!


つまり、黒い羊って何らかの理由で人殺しになった人だ!罪に色付いて黒い色になった羊!屍体さんがわざわざ羊って書いたのはそのためだ!


ならば、この屍体と彼らを殺した人も一般人?せめてこの修羅場に入っている人の何人は「罪ない羊」だった。確かな証拠はないが今までの情報を集めたら、羊って一般人で間違いないだろう。

死んだ人はぼくもその羊だと言っているようだ。


黒い、或いは白い。


しかし、また問題は残っている。

なぜ一般人がほかの一般人を殺さなきゃいけないの?なぜ。って言うか、そもそもこの殺人ゲームを、誰か一体何のために開催したんだ?


金庫の扉もそうだし、このアイディや拳銃まで半端な準備じゃ出来ない。

ぼくはアイディを見ながらその答えもここにあると直感した。ぼくにとって唯一の手がかりはこのアイディしかない。このアイディに何らかのカラクリがあるはずだ。


ぼくは一瞬これが夢じゃないかと思った。しかし、寒さと微かな血の臭いが、これは無情に現実だと言っているようだ。そして、ぼくの足下にいる痕跡はどう説明すればいいのかよ? 何より金庫の扉と屍体はどう見ても本物だ。


「殺人ゲームか・・・・。」


ぼくはアイディを握って、これから何をしていいのか考えた。いい考えが出る訳がないんだろう!これが現実だとしてもどうするんだよ?

しかし、死んだ人を見たらこのままいるのももっと怖い。


「何とかしなきゃいけない。そう、人殺しが来たら身を守っても正当防衛になるんじゃない?」


人殺し。ぼくは銃に撃たれた人より、ぼくには包丁に刺された屍体のほうがもっと怖かった。こんなふうに苦痛に死ぬのはごめんだ!


ぼくの体が勝手に動いた。ぼくは「ウェポン」って書いているどころに走って拳銃を拾い上げた。先は銃なんか恐怖で近づかなかったが、「殺されるかも知らない」って考えたら、もう濡衣とかどうでもいいんだろう?包丁に刺されて殺されるより、拳銃で何とかする方がいいんじゃない?後の事は後に考えばいい。


銃を握ったら、鉄の感触がそのまま感じられた。銃は思ったより重くて実銃って実感するほどの重さだった。ぼくはYOUTUBEで見た通り、弾倉を探して確認した。え?嘘だろう!


拳銃の弾倉はすぐ足下に置いているが、弾倉の中は空っぽだった!弾倉の中を見ても、その近所を探しても実弾はどこにもなかった。どこの誰なのか分からないか揶揄ってるのもほどがある!


「くっそおお!」


銃弾がないのなら銃もただの鉄の塊で過ぎない。ぼくは拳銃を握ったままため息をついた。いや、冷静に考えてみよう。この修羅場を見たら銃を持っている人は少ないはずだ。もし銃をみんな持っいる物なら、刃物で相手を刺す必要なんかない。


銃は少ない。

そして銃弾もぼくの場合を見たらやはり少ないんだろう。


「ならばこの銃は銃弾がなくても戦力になるかも。」


YOUTUBEで銃の動画を散々見ていたぼくも実銃を見たのは今度が初めてだ。多分、ほかの「羊」も銃を見るのははじめてだろう。ちゃんとしたらうまく騙す事が出来るかも知らない。


ぼくは自動拳銃のスライドを前進しようとした。その前にスライドを見たら銃の名はグロック17(Glock17)って刻まれている。あ、グロック17か?これはYOUTUBEでもよく見える拳銃だ。民間用の拳銃なのでアメリカとかの住んでいる人が日本語でレビューした動画もある。


「あら?」


これは!ぼくがスライドの中を見た時、スライド中の薬室に黄色くに光っている物を発見した。


イエス!


ベテラン兵士は薬室に一発を前もって入れる。こうしたら弾倉にいる10余発に加えて使用できる残弾がもう一発増えるんだ。

その通りになんと一発が薬室に残っている。ぼくはスライドを前にしたあと後ろに戻して銃弾を外に出した。


これも実弾だ。


実弾もはじめて見るが、なんか重さもそうだしこれで人を殺す事が出来るって感じだった。ぼくは手のひらで実弾をあげたまま考えた。


「切り札は隠した方がいい。」


紙切れの10番もそう書いている。


10.ウェポンは絶対に隠・・・・・・・いい。

武器は絶対に隠した方がいい。


死んだ人が教えてくれた決定的なヒントだ。恐らく、死んだ人達もいろんな修羅場を経験して、こんなヒントを残しただろう。


ぼくの目に隣りにある包丁が目についた。これで相手の目を引いたあと、銃を打つ方法もあるかも。何より包丁は拳銃と違って使用に制限はないので、身を守る程度は出来るんだろう。しかし、ぼくがこう考えるのは合理かも知らないが、体を動くのは全然別の問題だった。


「くっそ!出来るわけがねだろう! 屍体だよ!人なんだよ!」


見るのもそんなに勇気が必要だったのに!下にいるのは正真正銘の屍体だ。肌も血管も刺された傷も、何もかも理果実である人体標本とかは比べないほどリアルな物だ。当たり前だろう、本物の屍体だから!この人たちもきっと死ぬ前にはぼくと同じに白い息を吹っ掛けた人間だったはずだ。


バカ!森田ゆう!しっかりしろよ!


足下の修羅場をみろ! 二人以上の相手になったらどうするんだ!拳銃が命中しなかった時はどうする? ぼくは実銃って一発も射撃した事もない。祭りで射的なんかで遊びで引金を引いたり、モデルガンで新聞紙を撃ったりした事がすべてだよ。


そんなぼくが本物の銃を撃って、一発で相手を倒す?そんなのありえないだろう。


現実は映画やアニメじゃないし、ぼくもその中の主人公ではけしてない!そして銃弾はたった一発しかない!命中しても敵の仲間がもう一人いる場合はどうする?


そう思ったらもっと手が震えた。屍体の目と目があって、それを見るだけでぼくは酷く震えた。くっそ!屍体さんごめんね!ぼくは手をブルブル震えて左手で右手を握ったまま包丁の取っ手を握った。

思ったよりいい。


そうだ。豚とかの冷凍肉を包丁で刻んだ時とすごく似た感じだ。ああ、ファミレスであんな事もあった!


そうあの時と同じだよ!ぼくはふっとア-ザ王が岩で剣を抜くシーンを思い出した。


そうだ、これはぼくのエキスカリバになれるかもしらない。ふっとしたらさしみ用の柳刃がぼくの手に入れた。何というエキスカリバだよ。ただの包丁なのに。


しかし、ぼくの目にこれは立派な刀に見えた。長さもいいし、後ろに隠すのもよい長さだ。ぼくは死んだ人の服を切って簡単な鞘を作って着ているティーシャツの下に隠した。前で見たらぼくが何を持っているのがわからない。


グロック17は安全装置がないから、念のため実弾を弾倉に入れて隠した。剣と銃がある。


「殺人鬼でも何でもどんと来い。」


気持だけは目の前で鬼がいたとしても一気で倒す調子だった。しかし、ぼくの大言壮語こそ一気に消えた。


「きゃあああああああ!]


ぼくの声ではない。女の声だ! 


え? 

どういう事?

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