一つのパン
ハスタの顔は涙に塗れた。彼女はしくしくなき声でまた話を続いた。
「そして、この中に戻って来た理由も問ってない事もありがとう。」
「ふ、ふん。勘違いするな。あんたとぼくはただの「道連れ」だから。」
彼女は明るく笑った。あの笑顔は無敵だな。質問したい事が山ほあるのに。
このタテモノの構造。
このゲームはどう終わるのか?
本当にアイディの金額は交換出来るのか?
なぜ主催側はこんなゲームを始まったのか?
そんな質問はあの笑顔に撃沈されてなんにも浮かばない。
再参加。
その言葉をじゃんと思い出したら、質問の一つだけは解決出来る。この地獄を経験したやつらがこの中に戻って「二週回目の特権」を使う理由なんで一つしかない。
本当に稼いだアイディを「精算」してお金を貰うことが出来るんだ。そんな事実がなかったらこの建物に戻るもんか?
もちろん生き残った人間競走馬の中では「連続殺人鬼」とかがいる可能性もある。
そう、あの酒呑童子見たいに。
やつは人肉を食べる、狂っている殺人鬼だ。
多分、理由は分からないけど酒呑童子がこの中に入った理由は人肉と関係あるだろう。
そんな殺人鬼がいくらでもいるのかよ?再参加者の全てが殺人、その物のためこの建物に戻るなんであり得ないんだ。
確かな報償がなかったら、正気でこんなゲームなんか二度とするもんか!ぼくは自分のアイディをふ
っと見つめた。
こんなプラスチックのオモチャが、こんな狂ってる建物に二度まで入る理由がなるって余りにも悲しい。
人間の価値ってこんなプラスチックのプレイトに全部入る事が出来るのかよ。
このアイディだけではぼくがどんなラーメンが好みで、野球はどんなチー厶を応援するのか全然分からない。
好きなもの、昨日浜辺を歩いて見たきれいな夕焼け、幼い頃の記憶、笑ったり泣いたりした大事な記憶。
ぼくと言う人間を説明できる物のはアイディに全然入っていない。
人間の価値を銀行の残高に表示している非情な方法だ。そして、再参加者たちには人間の価値なんかどうでもいい事だ。やつらに重要なのは残高だけ、アイディの数字だけだ。
建物の勝利者は人間を人間として見ていない。
あ、考えて見たらこの建物の外でもそんな方法は通用する。
アイディ代わりに「高級時計」、「住むマンション」、「立派な車」がアイディになるだけだ。
アイディの残高はクレジットカードの「色」で、着けている服で変わって強者か弱者か本能的に分かる。
むしろ、このタテモノが公平だと思われるほどだ。せめてぼくにはあの太田やつを殺す機会をくれたから。建物の外で見えない壁にぶつかれて復讐なんか出来なかった。
「どーちゃん。何をそんなに思っている?戻ったよ。」
「あ、すまん。」
ハスタ、この女が建物に戻った理由を率直に分からない。新人狩りをした事もないし、このタテモノで一番役に立たないももりんと一緒にいるだけで、彼女の目的がアイディじゃないのは確かだ。
なぜ彼女は二度目にここに戻って、なにを望んでいる?ハスタは信頼できる道連れだか、100%じゃない。
あ、キス。
ぼくはキスを思い出して顔が真っ赤になった。いろんな思いは一瞬消えて柔らかな彼女の唇だけを思っている。ぺルとももりんはぼくの顔を見て誤解したようだ。
「べ・・べつにいいよ。状況は問題なし。」
ももりんとぺルはやっとため息をついた。きっと、また中隊と戦闘が続くとかそんな物を想像していただろう。
「まあ、それにしてもいい情報があった。おまえらも・・・。まあ、そんな物はどうでもいいだろう。いこう。」
ぺルとももりんに貰った情報を言ってもどうぜ分からないはずだ。
しかし、ぼくはもっと心配になった。中隊と言う壁を乗り越えてもこの「人間競走馬のゲーム」が終わらない。中隊より強い敵ならぼくがこの人達と一緒にいる方がいい。けれど、太田は。
また、後ろからハスタがぼくの袖を握った。
「余計な事を思わないで。言ったでしょう。私たちはただの道連れだと。」
「あ、ああ。」
「19層までだよ。」
ぼくは曖昧な返事しか出来ない。彼女はまたぼくにばっきりと「線」を画した。言わなくでも彼女が何を言いたいなのが分かる気がする。
「ハスタ、そうしても大丈夫なのか?」
「19層までだよ。その後はなんとかなるでしょう。」
「おい、いいのか?無責任だろう?」
「私は・・・。」
彼女はそのどころでももりんとぺルを振り向いた。
ハスタは再参加者。当然、この中でいろんな経験をして寄り道とか分かっているだろう。けれどそれだけじゃ安全だとは言えない状況だ。ハスタはぼくを手を握って言った。
「あんたはあんたがやるべき事をすぐしなさい。」
その言葉は・・・。
「それキリストの?」
「あ、ばれたの?恥ずかしい。けど、ぼくの気持だけはそうだわ。」
ハスタが言った話は寄りによって「ユダ」が「キリスト」を裏切る前にキリストから聞いた言葉だ。キリストはユダが裏切るのをもう分かっている状況でわざとユダにそう言った。
まあ、キリストの行動にいろんな解析があるが、ぼくはあの時聞いた説教の解析が気に入った。
キリストは自分は死ぬ運命でその運命から避ける事はできないだともう分かっているので、ユダの裏切りも分かっている。
ならば、あんたの選択を尊重する。
自分を裏切ってもユダ、あんたの罪ではない。むしろ、あんたを同情する。
ハスタはもうぼくがこのパーティから離れるのを予測して、ぼくに気まずい気分なんかいらないだと言っている。
「ハスタ、ありがとう。げれど、ぼく、そんなに情なしの男じゃない。あんたが裏切らないなら、ぼくから裏切る事はけしてないよ。」
「やっぱり、どーちゃんはいい人だよ。」
彼女はまたぼくの頭を撫でてぺルとももりんがフンと笑った。
ぼくらはその後、割りと楽に歩いた。時々カン-と分からない声が聞こえたが、別に問題はなかった。問題があったら機会室の狭さと熱い温度だけ。風呂とか、シャワーだけでもありがたい。身はもう汗でシャワーをした感じだ。
そう前進しているぼくに、ちょっと広いどころでなんかが落ちているのが見えた。
「隊長、あれって?」
「しっ。」
パン?さっき、中隊やつらが持っていた食糧だ!メロンパンと焼きそばパンが丁度いいどころに落ちている。
ハスタ組とぼくはろくな食事をしなかった。水はちょうどあるけど、絶対的にカロリが不足だ。
成人一人が一日活動するために必要な熱量は二千カロリほど。もちろん、その必要量は日常生活の時に必要するカロリ量だ。この中の運動量は多分、戦場にいる兵士に比べても引けを取らないほどだ。いや、戦い方法と形は違うけど、ここにいるみんなは兵士だ。
ならば、確かに米国軍の戦闘食量「MRE」は一人ずつ三千五百カロリだったな?
一人ずつ三千カロリか。
カロリメイト一個が100カロリだから、計算する必要ない。パンを見てみんなの腹が自然にぐうぐ
う鳴いた。
「隊長、今度はぼくが・・。」
「しっ。」
ぼくはさっき見た「ショッピングカート」を思い出した。確かにショッピングカートならパンが一つ落ちてもおかしくない。しかし、ここは食糧が少ない建物の中だ。
食べ物は水と同じに大事な物だ。それを落ちて「あら?忘れちゃった?どうしよう。」ってあり得ない。
あれはワナだ。
あ、そう。ラクロスいや、長も水をおとりとしてワナを作った。それを考えたらパンって魅力満々のおとりだ。
「迂回する。」
「だって隊長、パンですよ。」
「ぺル、ラクロスの事、忘れたのか?」
ぺルは一瞬あの時の惨劇を思い出して口をつぐんだ。ぼくの恩人「長」はあの時、こっちの戦士である斎藤さんを殺した。考えば非情で不合理な状況だ。一人はぼくの恩人だか新人狩りの黒い羊、一人はハスタたちの盾として頑張った白い羊。
どっちが正しいのか?
あの状況にまた直面したらぼくは誰の味方になればいい?
長?
斎藤って人?
ぼくはその状況の不合理から目をそばめた。考えても考えるほど正解なんかない問題と同じだ。
もし、ぼくがもっと前で「長」と合流したら、ぼくも斎藤って人や、ここにいるぺルを殺したかも知らない。その上にハスタやももりんをレイプしたかも知らない。いや、多分そうなる確率が高い。このタテモノは人を狂わせるどころだから。
どんな人と出会うのかが人の運命を決定するなんで余りにも不合理だ。
人殺しと生存者。
白い羊と黒い羊。
それを決定するのは自分ではなく、どんな人と出会うのだ。
ぼくはハスタと出会って、せめて人間として恥ずかしい事はしなかった。もちろん、ぼくももう立派な人殺しだか人間として、ぼくはそんなに狂っていない。せめて、お金のために他の人を殺したくない。
ぼくはまた人間だ。
この建物はまるで人の精神を食う化け物見たいだ。ぼくはどんどんこの建物が「生き物」に見える。牙とつめを持って人をずたずたにきりやぶる化け物。
ぼくは役に立たない無数な考えをまとめる間にも、ぺルはパンから目を離れないままだ。
「ぺル、まだ、ぼくにうまい棒がある。ここから抜いたら分けてくれるから我慢しろ。」
昨日、うまい棒は食べなかった。これは勝利のあとにたべようと言ったものだ。ぺルはため息をついた後首を振った。
「隊長の言う通りにします。」
「下手に出たらみんなが危なくなる。」
「分かりました。」
ぼくはそんな話をした後でも数分間動かなかった。あれがおとりだとしたら、きっと回収をする。長だっておとりとして置いた水を取り戻すためにあんなに苦労をした。焼きそばパンをただで諦めるなんであり得ない。
埋伏したやつらの数を確実に確認したあと、逆襲か「詐欺」かどっちにも勝算があれば勝負をかけるほうがいい。機械室に入り口であった小隊をうまく騙しただから、それちょっと自身がある。
この中にいる人殺したちはアイディ関連のネタには子供みたいに騙される。多分、自分が見たい物しか見えないようだ。博打のように大金の幻想に「中毒」されたかも。
時間がもっとながれても、やつらはなかなか出なかった。どういう事だろう?本当に落ちた物なのか?
「ハスタ、ここに寄り道はあるのか?」
「うん、そこを回ったらまた迷路だよ。」
「ふむ、勝負かけるか?」
「どうするつもり?」
「ぼくメロンパンが大好きだったよ。」
「え?」
ぼくはまず退路を確認して、もし中隊がまたいる場合も考えた。さっきにハスタたちを行かせて、パンを持って走ったらなんとか勝負になるかも。
しかし、ぼくは何にも言っていないのに、ペルは話を聞いて出る準備をした。
「ぺル?」
「隊長、大丈夫ですよ。ぼくに考えがあるんすよ。」
ペルはぼくの許可もなしに槍を利用して焼きそばパンを刺した。槍のリーチがあって安全にパンを手にいれるその瞬間。
「かかったな!このネズミ!」
向うから大声が聞こえてシュッとなんかが飛んできた。え?
飛んできたのはスキンスキューバようの「銛」で、その後ろには紐が付けていた。槍を持っていたぺルは魚見たいに銛で腕を貫通去れて広いどころに引っ張られた。
おとり?
釣り?
そんな単語とピッタリ合う光景だった。




