謎の少女
「寝る方がいいじゃない?何をしている?」
「あ、何でもない。矢を修理しているのよ。」
「矢を?」
「さっき中隊の戦いのあとで拾った物だよ。」
ハスタとももりんは修理している矢を見せた。ハスタは黄色いリボンで矢先を結ぶながら言った。
「矢はやっぱり多いある方がいいから。」
「そりゃ、そうけど。」
「心配しなくでもいいよ。矢もそんなに多いじゃないから。」
ハスタは黄色いリボンを見せるながら微笑んだ。リボンで修理した矢はなんか子供のオモチャに見える。彼女たちは矢を修理したあと、すぐ眠るだろう。横を見たら、秀平さんとぺルもそれぞれ眠った。
ぼくは薄い照明の下でじゃんとこの人たちを警戒している。ハスタ組の人々は弱者だと言える人だ。しかし、弱者ががどんな時でも「正しい」とは言えない。彼らも「人間」だし、自分が損害を受けたら、いつ加害者になるかわからない。
ここでだった3百万のアイディがあったら惨劇になる可能性もある。
例えば、あの秀平さんが借金が多い場合、お金のために人を殺すかもしらない。ほかの人も油断したらあっという間に殺されるかもしらない。
ぼくは銃を抱き締めて眠った。不安だか寝ないとそのあとがもっと危ない。意識をなくしたようにぼくは眠ってしまった。
「卑怯よ!」
え?誰の話?
あ、これは高校の制服だ。その制服はトイレの汚物まみれで、悪臭が鼻をついた。思い出した。これはあの日の記憶だ。
ならばこれって夢?ぼくは今夢の中?
ぼくは回りを振り向いて、ここが夢の中だと確信した。
特に「D4」の太田やつらにひどくやられた日。
あの日、ぼくがなにをやったのがは分からない。きっと、下らない理由だったんだろう。やつらのいじめって大体そんな口実だった。
ぼくの些細な過ちをやつらは判決して、その処罰まで自分たちが作り出した。そして、やつらはぼくが「悪い」ので彼らはぼくにひどい事をやられても当然だと言った。ぼくは後ではなにが「悪い事」なのか分別できなかった。
ランチ時間でD4を避けるために早弁しても「悪い事」。
登校拒否しても「悪い」。
さらには、ほかの生徒に、特に女の子に勝手に声をかけても「悪い」。
やつらはぼくをいじめるために口実をいいわけにつけてぼくをいじめた。やつらはそれを「矯正」だと言った。全部ぼくが悪いのでその「悪い」行為を正しく導いてぼくを更生するって事だ。
よくも!
本当に更生っていうか矯正が必要だったのはあの悪魔の四人だったのに!
ぼくはあの日、屈辱感をまたじっくりと嚼んでいた。ぼくの回りにいた友だちはぼくをみて見ないふりをして、先生もぼくの叫びを無視した。
この悪夢が一刻も早く終わったらいいのに、無情にもまるでビデオで同じ場面を繰り返すように、ぼくが記憶している事が続々出た。
しかし。
「あんたら!いいかけんにしろ!」
ハスタ?
一瞬、その声がハスタだと錯覚したが、ぼくの目の前にいるのはハスタではない。制服のスカートが風で揺らして「彼女」はぼくと太田の間に挟んでなんと太田に起っていた。
これ、本当に夢?
「あんたら卑怯よ!弱者をそんなにいじめてなにが変わるの!」
「ほう、面白い話を言ってるじゃねえが。俺たちはこのダメ人間を正しく矯正しているだけ。」
「これが矯正だと?馬鹿なことはやめなさい!誰でもあんたがこの人をいじめているのは分かるはずよ!」
「あんたなあに?人の事に勝手に口を挟んで?度胸あるんじゃね?どんな偉い様なんだ?あんたなに?」
「これは「人間」として許さない!これは虐待よ!あんたも起きなさい!起きてこのやつらに戦うのよ!」
「人間だと?」
「そうよ!あんたも「人間」なら自分の尊厳を自分で守るのよ!起きなさい!起きて!起きて!」
故障したレコードように彼女は反復してぼくに「起きなさい」って言っていた。これは初めに見る場面だ。ぼくにそんな事を言った人があるのか?
その声よりぼくがビックリしたのは彼女が伸ばした「手」だった。
あの日、ぼくの手には汚物がたくさん付いていたのに彼女は全然かまわずに手を繋がった。
「起きなさい!」
ぼくの手が彼女の手に繋がった瞬間、ぼくは誰がぼくを揺らしているのを感じた!
そして、ぼくのために太田やつに向かった女の子が「砂の像」が崩れるように粉粉になって倒れた。彼女だけじゃなくすべてが崩壊した。学校も、その中にいた同級生たちも。
砂像のように崩れる「彼女」はぼくに崩れながらずっと言っていた。
「起き・・・。」
「え?」
ぼくは拳銃を目の前の「ももりん」に向けたまま目が覚めた。
「え?」
「時、時間ですよ。起きてください。」
崩れた学校も太田やつもここにはいない。ぼくは薄い照明を見てここが「タテモノ」の中だと気づいた。あ、そうだぼくはまだゲームの中だ。
ももりんは不安な目で拳銃を見つめたいる。
「心配するな。あんたを守る兵器になるかも知らないから。」
「ほんとうに?」
必要ない話をした。しかし、ぼくはももりんの期待してる顔で首を振った。こんな些細な嘘なんかいいだろう。ぼくはももりんの頭を撫でたあとハスタに近づいた。
「何をしている?」
「べ、別に。」
彼女はいつの間にぼくのサブバックに入っていたボトルを持っていた。そのボトルの中には・・・。
「み、見ないで。恥ずかしいから。」
「あ。それって。」
「デリカシないね。どーちゃんあんた女の子達に人気なかったんでしょう?」
生存ドキュメンタリで見たことがある。極端状況では自分の小便を読む事もよくある。ここには水がないので同じ状況だ。しかし、ぼくは無意識的に彼女の下半身を見つめた。
「どーちゃんって本当にエッチね?」
「う、うるさいよ。別にそんなんじゃない。ぼくも水の量を思っていました。」
慌てて敬語が出た。しかし、この問題は重要な問題だった。水ボトルはハスタが管理していて昨日とほとんど差異はない。ボトルの半分しかないので五人が一日を過ごすには大変だ。
「最後では小便も飲まなきゃ。」
「どーちゃん。その前に「コンビニ」とか「銭湯」まで行く事が出きるのなら、水の問題は自然に解決するよ。」
「コンビニ?こんなどころもここにあるのか?」
「き、聞いた事よ。死んだ人に。」
やっぱりハスタは色々油断できない。銭湯何かがあれば中隊はわざわざ水もないどころで苦労する訳がない。実際に中隊中のエリート兵士の「選抜隊」まで自分たちの小便を飲んだ。ハスタが持っているえびすのボトルはその証拠だった。
「そのコンビニって何階にある?」
「よ、よく分からないが多分、19層を越えるなら行くことができるかも。」
「かもじゃないかもは。銭湯の方は。」
「よ、よく知らない。私も聞いただけだよ。」
「一体、ここはなんのためにこうなったのかよ。」
コンビニで銭湯って。
いわゆる「ゼロ層」から考えたらこの「タテモノ」はなんか正気ではない。一度も使用しなかった莫大な設備はただ殺人ゲームのグロテスクな背景として演出のために作られたどころじゃないだろう。そんなの手間がかかるし、もったいないから。
あるどころでは恐怖体験のために古い病院を買いとって改造する事があるだと聞いたけど、このタテモノの規模ははんぱじゃない。多分、ゼロ層にあった店の痕跡は、誰かが意欲満々で投資した痕跡だろう。
正確な位置は知らないが、ここがどんなタテモノだったのは分かる気がする。
第一、日本には何気ないにこんな馬鹿な投資をした時期がある。
バブル時代。
第二、バブル時代では観光開発とか大規模の開発と不動産投資、馬鹿な規模の土木工事がいっぱいあった。
そうだ。
バブル時期、この「タテモノ」の近所では有名な観光ポイントが「あった」だろう。なんらかの理由で、多分その理由はバブル崩壊。あるいはその観光ポイントが消えて、あるいは「開発計画」が潰されてこのタテモノを含めて多い商権が一気に死ぬ。
ラメン屋が何軒もあってスイツ店がそんなにあるので、「銭湯」まで?
ぼくはここが最小ではゼロ層の無数な食堂をみて「デパート」あるいはショッピング・モールじゃないかと疑心している。フードコトはいいけど銭湯があるショッピン・モールってあるかよ?たとえバブル時期だとしてもこれは何か正気ではない。
規模も問題だ。ぼくの当て推量ではぼくはおよそ「4層」を降りてきた。ほとんどのデパートやモールでは一階にたどり着く距離だ。しかし、ハスタの説明ではゴールもさえ、このような「層」を最小では10階ほど降りてなきゃいけないって事だ。
馬鹿な。こんな規模のショッピング・モルがあったらネットとかテレビ局で大騒ぎになったはずだ。最小20階以上の「銭湯完備」の食堂ビル。ぼくはこんな規模のビルなんで聞いた事もない。
何よりこのタテモノの施設や設備、店などを見て思い出したのはだった一つしかない。
欲望。
欲望のタテモノ。そして、何らかの理由でタテモノが閉鎖され、また殺人ゲームの現場として復活して、欲望のタテモノそのまま続いている。ぼくの仮説が当たるだとしたら・・・・。
「ここって最初から欲望のタテモノだったのかよ。」
「何の話?」
「いや、別に。なんでもないよ。それより、ハスタあんたがリーダとして水を分配しろ。」
「あ、そうね。また銭湯に着いたんじゃないし。」
水。ハスタが持っている水を見つめた。その水があれば人れでは何日は粘る事が出来るだろう。
いや、やめよう。ぼく一人ならあの中隊の攻勢を止める自身がない。恐怖って一人にいればもっと大きくなるから。このだらしない組でも一緒にいる方が生存に有利だ。
道連れ。
ぼくはなおさらこの言葉がどんどん面白くなった。救援者とかリーダだとしたらちょっと重いかも知らないけど、ただの道連れならぼくも負えるほどの重さだ。
「どーちゃん。あんたが先よ。」
「え?」
ハスタは紙コップで水を一杯注いでぼくに渡した。水は溢れる寸前でぼくは表面張力で丸く見えるコップを見つめた。彼女は命、その物と同じだった水をこんなにぼくに渡した。
ぼくはコップを受け取ったまま何にも出来なかった。ももりんとぺルのやつが舌嘗りを打ちながらぼくを見つめていた。
ぼくはそのコップの上だけなめたあと、ももりんにわたした。唇に着いた水が蜂蜜ように甘い。ももりんはコップを見た後ぼくに話をかけた。
「え?なんで?」
「ぼくはただの道連れだから、これなら十分だ。」
「けど。」
「ぼくはいいからさっさと飲め。」
それはただの筋を引く行為だ。これ以上この組に関わったらあとで組を裏切るのが辛い。この人達の命を背負う覚悟がないのなら距離がある方がぼくに有利だ。
「なら、私も飲まない。」
「馬鹿な事しないで。」
「あんたは私のためにそんなに戦ったのに、私はこんなのを・・・。」
ぼくは中ではいらいらした。ただの距離を置くためにやった行動だかももりんは感動した模様だ。
「ぼくも飲まない。」
「わしも昨日の事では面目次第もないので。」
ペルも秀平さんも水を飲んでなかった。
ぼくは彼達の行動にいらいらしたが、立ち所に涙がじんとにじんで声が出ない。
馬鹿な人たちね。分かる?ぼくは30秒前にはあんたらを皆殺して水を独占する考えたんだよ!こんな馬鹿にいい人はこのタテモノ中じゃなくでも、外でも詐欺師のいい餌になるだけだよ!
けど。けれど。




