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復讐

ももりんは小さい犬のようにぼくの側でぼくを見上げた。


「隊長、私ちは何をすればいいの?」

「隊長ってなんだよ。って言うかあんたは休む方がいい。秀平さんも。ハスタ、あんたはぼくを手伝ってくれ。」


ハスタは何も言わずにぼくを手伝った。ぼくたちが簡易の砦として使った場所の外には、けっこう多い屍体が倒れている。ぼくは屍体からアイテム何かを探すながらハスタに囁いた。


「まさにテナルディエね。」

「はは、私はあの女将で?私ってそんなにぶさい?」

「いや、この状況がそうだと言うだけ。」

「素直じゃないね?」


ハスタはこんな辛い時でも明るく笑っている。ぼくは彼女の顔をみて言葉を失った。

人の顔が可愛いとか美しいとかの話じゃない。何と言えばいいかな。彼女の笑顔が疲労と辛い感じと殺人の罪悪感をを一瞬だけ忘れさせてくれた。人の笑顔ってこんなに暖かくて強いものだったのが?


「でも惚れちゃダメよ。私に。」

「だ、だれが。」


ハスタは笑顔のまま屍体から役に立つ物を探した。

一つは言っておく。ぼくは彼女を一切信じていない。もちろん、後ろにいる三人もそうだ。

ここで人を勝手に信じるのは危険な事で、死と直結する問題だ。あの三人もそうだしこのハスタも、いつの間にぼくの後ろでぼくを刺すかも知らない。


今もぼくはハスタ組の四人に様々な方法で、ぼくを攻撃できる「機会」をくれた。遠距離兵器は全部あっちにあってぼくは銃を装填したまま、やつらが裏切ったらそれを迎撃するつもりだ。


しかし。しかし・・・。


思わずにぼくは涙を零した。


なんで?え?どうして?


「あら、あんた泣いている?」

「べ、別に。」

「いいよ。たまには泣いても。」


ハスタはぼくの「距離」に入って攻撃の変わりにハンカチで涙を吹いた。え?


「あんたもこのタテモノの外で色々あったでしょう。人、それぞれ痛みがあるから。しかし、ひとし

きり泣いた後は、きっとまた歩く事ができるんだよ。」


そんな優しい言葉を聞いた事がいつだったけ?家族も友だちもぼくに冷たい視線で見つめた時、ぼくに誰もこんな風に声をかけた人はなかった。


「いいから。あんたの過ちじゃない。It’s not your fault。」


ハスタの言葉はぼくをもっと泣かせた。彼女はただぼくを慰めるために、ぼくを殺人の衝撃から早く抜き出せるって意味だろう。しかし、彼女の一声はぼくが一番聞きたい言葉だった。


ぼくの過ちではない。


ぼくが太田やつに奴隷で選ばれてひどい目になった事はぼくの過ちじゃない。

ぼくが悩んで、苦しくて自殺まで示度した事はぼくの過ちではない。


しかし、誰、一人ぼくにそう言わなかった。


君の性格に問題があってそうなったんじゃない?性格を直す方がいい。

自殺するのはやめろ!自殺する勇気で生きればきっといい日々はくるんだ!

あなたには家族がいるではないですか?家族に頼って一緒に話し合ったら、家族の力で解決するんだ!


そんな話は忠告じゃなくて言葉の暴力だった。


先生、病院で相談したセラピスト、父、母。


そのすべての人はよくできた言語の塊をぼくに向けて投げるだけ、それはぼくの心には届かなかった。せめて、一人でもぼくの悔しさを分かってくれなかった。ぼくが欲しかったのは、だった一つの言葉だったのに。


あなたの過ちではない。


一番聞きたい話を本当の名前もなにもかも知らない人に聞いた。きっと安心して泣いてる場所と状況じゃないのに、ぼくは子供のように統制不能になって涙を零した。


「よっしゃ。よいこ、よいこ。」

「う、うっせ。」


優しいに慰める言葉でもっと涙が止まらない。彼女はぼくの頭を撫でてぼくの手に彼女のハンカチを渡した。


「私が探すから、あんたはちょっと休んでね。」


ぼくは手の甲で涙を振り払った。


「もういい。無気力で泣くのはウンザリだから。」

「あら、以外に男だよね?」

「揶揄うな。それより早くしなきゃハイエナ野郎たちが現れるかも知らない。」


ハスタはまた明るく微笑んで首を振った。彼女とぼくは屍体から武器とアイテムを探したが、役に立つ物はなかった。


コーラ缶で作った鎧だけがいい物で、やつらはほぼ半裸で装備も劣悪だ。石斧とか原始的な武器は別論でしても食べ物や飲み物が全然ない。


「屍体を回収しなかった理由がこれか。」

「この人達は新人で階級が低い者よ。」

「新人?」

「聞いたことがあるわ。新人に水と食糧をくれる条件で突撃をさせると。もちろん、生き残った人は昇給も保障されるって。」

「総攻撃をなんとなくかかった理由もそうだったのか。」


恐ろしいやり方を考えたのは、あの金ぴか前歯のやつ。ぼくはまた一人の屍体を足でとんとん叩いた。伏せていた屍体が転んで顔が見えた。そして、ぼくはその顔を見て本当にビックリした。


「そ・・そんな。こいつがなぜここに?」


高校の時、太田のやつには親衛隊ようなやつらがあった。少女漫画やドラマでよく出てくるんじゃない?


一人はおお金持ちでイケメン、他には政治家の孫とか芸能人で有名なイケメンたちがそろって学校ないにグループを作って女子だちに人気があるって事。


太田と実力者の息子たちはグループを結成して「D4」だと呼ばれた。その一人一人が太田の家門とそれぞれ縁があって、子供から仲よくしていたやつらだった。


しかし、漫画ではそのイケメンたちがそれぞれ主人公と愛に落ちる話だか現実はちょっと違うだった。


太田を含めてD4の四名はあの「奴隷」を選んでひどくいじめた。


ここに屍体で転んでいる櫻井やつもD4の一人だった。あの時、ぶっ殴られて倒れたぼくの頭に小便をたらしたやつだ。あの時やつの笑い声は絶対忘れない。


「飲め!俺の小便は黄金の水だから!」


そんな暴力にぼくは抵抗なんか出来なかった。やつも政治家の息子で地役社会では王子だった。

櫻井と太田はぼくの実家まで追い掛けて、ぼくの部屋の中までいじめた。やつらは見た目は二人ともイケメンで評判もいいので、母親はむしろやつらが来るのを喜んで迎えた。


いちばん安全に休むどころだったのぼくの部屋はやつらの拷問の部屋に変えた。後程、それを知った母はぼくが間違ったと、「あんなにいい子たちがそんな悪い事をするはずがない」だとやつらの側にたった。


そんな悪魔の櫻井が屍体で転がっている。


やつの目はあの時ぼくを拷問しながら悪魔的に笑っている目ではない。恐怖の極端に追い込まれて死んだ。


もっと皮肉な事はやつはぼくに殺されたのだ。


その体格のせいでぼくにはやつが暴力の魔王に見えたのに、やつの胸にはぼくが槍で刺した痕跡が残っている。多分、盾の組が門に殺到した時の事だろう。

ぼくはただ生き残るために槍を刺したのに、よりによってその槍であいつが殺した。


ぼくがやつを殺した。


夢でも叶えなかった事がこう簡単に?ぼくはたわいないに笑ってしまった。


「え?どういう事。この人ってあんたの友人なの?」

「いや、悪魔だ。」

「悪魔?」

「ぼくが殺したかったやつらのその一人だったよ。」


ハスタは訳が分からない表情でぼくを見つめたが、すぐ「ああ」と驚いた顔になった。


「あんたが殺したいって言っていた人がこの人?ならば・・・。」


彼女はなんか期待をしているそうだ。ぼくの殺したかったやつがこの櫻井だけなら、仲間になって欲しいって事だろう。


「いや、ぼくが言ったやつはこいつじゃない。もちろん、こいつも殺したかったのは同じだけど、もっと殺したいやつはいる。」


彼女は多分、ぼくの仇討ちが終わったから一緒にいこうって話をしたいだろう。

しかし、ぼくも櫻井がここで殺されたのが訳が分からないのは同じだ。なぜ、太田に続いて櫻井やつもここにいる?


偶然?


そんなはずがない。ぼくは一瞬「中隊長」の話を思い出した。


やつはぼくに自分の人生を考える方がいいだと言った。


ぼくの人生って惨めな事と不器用の連続だった。こんな人生を振り向いてもいいだと言える時は幼い頃の数年だけだ。


しかし、中隊長が言った、人生を考え直すの対象は、ただのぼくの人生であった普通な話ではない。

このタテモノで通用する事件。それは当たり前に高校二年の時、この櫻井と太田の「D4」に奴隷の烙印が押された事だ!


そう!ぼくの人生を惨めに落ち込んだ事件はそれしかいない!あの事件に間違いない!ならば、ぼくの「かたき」である櫻井と太田がここにいるのいは一つの理由しかない!


復讐。


「まさか、このゲームの主催側はぼくが復讐するのを望んでいる?」


ぼくは思わずに「復讐」を口から出したら、ハスタはその言葉を聞いてぼくをじっと見つめた。


「あなたの復讐?一体なんの事よ。」

「この野郎はぼくが殺したい四人の中で一人だよ。もう一人がここでいるのを見た。そうなら、正解は決まっているんじゃない?やつらを殺す。全部。これがぼくがここにいる目的だよ。」


ハスタは以外とぼくを心配そうに見つめていた。


「あんたは本当にこの人達を殺すためにここに来ただと思う?」

「ほかには何の理由があるんだ?ぼくは被害者だし、ここは人を殺してもいいどころじゃなかったのか?ぼくは「罪ない」被害者だよ。きっと、ぼくがここにいるのはやつらを殺すためだよ!」

「いや、私が言いたい事はそんな話じゃないわ。」

「なら、どんな話だよ?この世にこいつらを殺す資格ってある者がいたら、それはぼくしかいないんだよ。」

「建物を甘く見ないで。この人と一体何があったんだよ?それが重要よ。」

「それは。そ、それは。」


ぼくはハスタの瞳を見てまた言葉を失った。絶対、彼女には言いたくない。ぼくが高校二年生で散々やられた事は誰にも言いたくない。


どうぜ、言ってもなにも解決しないし、そんな相談なんか全部無駄になるのは一杯経験したから。もちろん、ハスタは偶然にぼくが言いたい言葉を言ってくれったが、根本的には彼女が信頼出来ない赤の他人だ。


「とにかく、ぼくはやつらを殺したい。それがぼくの最優先目標だよ。それを邪魔したらあんただとしても許さないから。」

「私の話を聞いた方がいいよ。ここの「彼ら」はあんなに単純なやつらではない。」

「やつら?中隊ならもういい。」

「いや、このゲームの「主催側」の話よ。彼らはそんなに単純じゃない。彼らは正義の見方じゃないし、あんたの復讐なんか彼らにはどうでもいい事だから。きっと他に理由があるわよ。」


ぼくは彼女の話を半信半疑で聞いた。主催側の理由って簡単ではないが?出来るだけ興味深いに人を殺す場面を演出する方法だ。


いじめられたぼくと、その加害者である太田と三人。


あのやつらをぼくが見たら絶対殺す。これは決まっている事だ。


あ!この銃ってこんな意味だったのか!太田が新人狩りのため上がって来たのも、今考えたら偶然ではない!


主催側は「ぼくのゲーム」が始める瞬間、ぼくが太田を殺すだと確信したいたんだ!

ぼくはあの時、ちょっとためらって太田やつを殺さなかった事が気になった。そこでやつを殺して、もっと数を減らした方がよかったのに。


太田とその友だちは体格と背がぼくより大きいので今も体格の方はほぼ変わっていないだろう。その時ための拳銃なのか?体格が大きいやつら四人を同時にぼくが堪えられないから?なら、なぜ一発しかくれなかったのかよ?


とにかく、それより今は残り三人を同時にぼくが相手がする事も想定しなきゃならないどころだ。きっぱりと言い切れば、腕力では太田やつらに今もぼくは相手にならないはずだ。


やつら全員は180センチを越えるほど背が高いから、日本人の平均身長に過ぎないぼくはとても不利になるはずだ。ぼくは戦略を考えたあとハスタに断言した。


「とにかく、ハスタあんたが邪魔したらあんとも殺す。」

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