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屍体

CASE #21- 森田ゆう。男子 23才。

高校中退したあと、地元から離れて東京のファミレスでバイト生活。

高校二年生の時、酷く虐められて登校拒否した事がある。

所有している財産は特にはなし。


残高8千1百13円。


冷たい。ぼくが初めて感じたのは氷ように冷たい感覚だった。


「何だ。頭が痛い。いたたた。」

目がクラクラして気持わるい。ぼくは頭を振るながら何故頭が痛いなのがやっと気づいた。


「ああ、確かに昨日、あのケチの鈴木さんが久々におごったよな?ぼくって馬鹿、いくらそうだっでもしても飲み過ぎだったんじゃねえがよ。」


昨夜は確かにバイト先の知り合いが失恋したか何か、下らない口実で飲み会があった。以前にも猫が死んだり、給料が上がったり、そういう慰労会っていうか飲み会がけっこうあった。


親から独立って言うか、縁を切って貧しい生活を繋がっているぼくには「飲み会」ってまさに食費を絶約するいい機会だ。


ただ飯だ。ただ飯。そんな理由で飲み会があったらなるべく参加する注意だった。

その上にあの小賢しい鈴木さんがおごるって? ぼくが飲み会から外す理由なんで有るわけがないじゃん。

それにしても昨日なに食べたけ? 急に昨日に食べたものを思い出したら、突然ぼくのお腹がぐうぐう鳴いた。しかし、腹をぐうぐうさせる二日酔いよりも寒さがもっと苦く感じられた。


「って言うが。ここどこ?何でごんなに寒いの?」


ぼくはやっと回りをキョロキョロ見回した。そして、回りを見てちょっとびっくりした。

雪?

ぼくの服にはかき氷ようなサラサラな雪が積もっている!雪はまるでぼくが雪だるまだと錯覚するほどの厚さで積もっている。え?なにこれ?


雪?

そんなはずがない。今は真夏だ。


昨日、ぼくが居酒屋で食べたのも冷やし中華だった。もちろん、冬にも冷やし中華なんか食べるの人はたくさんいるが、昨日は鈴木さんが酔払って「なんでこんな夏に冷やし中華?」ってとんでもない喧嘩をうったからばっきりと覚えている。


え?それはそうしたも照明は何でこんなに暗い? あ、そういえばここどこ?うすくて周辺が良く見えないが、ぼく手に隣にある何かがついた。え?なんかある。


「うああああああああああ!」


ぼくは隣にある物を確認したあと、すぐびっくりして後ろに倒れた。ぼくの服に積もっていた雪がサラサラと虚空に舞い散った。まるで「ス-ノボール」の中に雪が舞い散るようだ。しかしぼくはス-ノボールうようなきれいな景色の中じゃない!


「ふ、ふざけんなよお!」


ぼくのすぐ隣にある物。それはちゃんと固まった屍体だ。屍体はぼくの手をつかむように手を伸ばしたまま固まっていた。ぼくの全身に鳥旗がたった。


「なにこれええ!誰だよ!こんなのありえるのかよ!」


ぼくは自分が倒れた場所を見てもっとびっくりした。ぼくはまるで屍体と恋人ように抱きしめていたんじゃねえのかよ?

ぼくはその屍体のようすを見ながらため息をついた。まるで屍体はぼくを揶揄うように置かれていた。そして、ぼくは周辺を見ながらここが壁に取り囲んでいるのを発見した。あ、そうだ。


「何これ。たたの雪じゃない。」


よく見たら雪って言うか氷もあって、これ霜じゃないが?冷蔵庫の冷凍室でよく見える霜。しかし、積った量が半端じゃないので雪という言葉がもっと似合うどころだ。ぼくは屍体と霜っていうか、雪を見てニヤリと笑った。

くっそ、まだやられたのが?


「ごんなつまんない遊びって。鈴木さん今度はやり過ぎじゃないんですか?」


この雪がヒントだった。ぼくが働いているファミレスの支店には大きな冷蔵庫がある。きっと、ぼくが飲み会で倒れたあと冷蔵庫に運ばれて、ぼくがびっくり反応をみる「とっきり」と間違いない。

以前にもクル-の間にはこんなふざけな戯れをお互いに散々やった。


例えば、クル-の飯にホットソースを混ぜたり、美人のお客さんが呼びたりとかの嘘をついてその反応を見たり。まあ、この屍体も多分マネキンだろう?今度はぼくの順番だったのかよ。

それにしてもなんだよ、ごんな余計にリアルなマネキンだよな。びっくりしたじゃねえのかよ?


「鈴木さん!山田さん!ぼくの敗けです!出てくれよ!」


返事がない。


「いい加減にしてぐださい!こんなのぜんぜん面白くないんですよ!」


ぼくは立ち上がって大声で唱えた。しかし、反応はぜんぜんない。あら?

そして、ぼくの動きで屍体の手が地面に落ちた。ぼくは落ちた手の断面を見てまた後ろに倒れてしまった。あっという間にぼくはゲロゲロ吐いて昨日食べた物がすべて外に出た。


これ、絶対マネキンではない。


手の断面には筋肉や血管がそのまま凍っている。どんなマネキン会社が内部までそんなにリアルに作るの?そして、決定的に雪の外に出た屍体の目を見てこれが模型ではないとやっと気づいた。

ぼくは田舎の町で牛を屠殺するのを見たことがある。何て言うが生命が終わる瞬間、目から光が消えるんだ。


光が消えた目。生命がない目。


この屍体の目はあの時、牛の目とそっくりだ。

映画とかの小道具?いや。どんなによく再現しても死の臭いだけは再現できないんだ。何が何だか分からないけど。そして今の状況をどう説明すればいいいのか全く分からないけど、これは絶対に本当の屍体だ。


それに屍体の額には穴が切り破っている。なんか鋭い物に刺された傷だったので、この人はあの傷で絶命したのが?分からない。何にも分からない。

ぼくは倒れたまま壁に寄てボンヤリと屍体から目を転じた。


「なにこれ。夢?」


当たり前に夢ではない。

痛いほどの寒さがこれが夢じゃないだと言っているようだ。ぼくは拳を握って自分の手を見た。寒さで真っ赤になった手がまたぼくは生きでいるだと言えるようだ。


「訳が分からないけど、このままじゃため!」


ぼくが最初に思い出したのはぼくが犯人になれるかも知れないって事だった。面倒な事はいやだ。人が死んだぞ。


そしてぼくはノンビリとその側に屍体と一緒に寝ていた!誰でも信じられない話だ。このままじゃ一番あやしい犯人は他はならぬぼくだ。

ぼくはなるべく屍体から遠く離れて、壁に付いて道を探すために動いた。一刻も早くここから逃げたい。しかし、その時。


「うあっ!」


ぼくは何かにつまずいた。なんだごれは!また屍体? 


「まじかよ?」


屍体が2体に増えた。

それにこの屍体は背中に包丁が刺されていた。


これって立派な殺人現場じゃねのかよ!


真っ赤な血がまるでルビ見たいに、ぼくが立っている足下まで凍っている。相当な出血量。医学なんか全然知らないぼくが見ても、これは多分一撃で殺されただろう。


一体、誰がこんなにこの人達を無惨に殺したのが?なぜこの二人はここで殺されたのか?なぜ、ぼくはいきなり屍体の側で目覚めたのか?


ぼくはむっくり立ち直って下を見た。なにこれ?二度目の屍体はなんか光っている物を手に握っていた。え?これは何だ?紙切れはなんとチョコレットとかの包装用の銀箔紙だった。ぼくは恐怖と寒さで震えるながらその紙切れを見下ろした。


拾って見ようか?


屍体は紙切れを宝ようにばっと握っていた。勝手に屍体を触ったら「マズイ」だと心の中の声が叫んでいる。当たり前だ。屍体を触ったら指紋とかが残るかも知らない。


映画やドラマを見たら科学捜査で毛やDNAとかで犯人を簡単に捕まえる時代だ。触ったら余計に訳も分からない事に巻き込まれるはずだ。ぼくはそこまでは馬鹿じゃない。

ぼくが屍体を避けてこそこそ出口を探す瞬間、ぼくは何かにぶつかれて、そのまま倒れた。


「え?銀行?」


ぼくが目の前にある物を見て思い出したのは銀行の風景だった。行員さんがいるカウンターのすぐ後ろに巨大な金庫があるだろう。そしてその金庫には潜水艦のハッチと似ている機械装置が付いてるだろる?まさにその金庫の扉がぼくを前にある。


船の舵輪と同じ形の取っ手、何もかも全部鉄で作られた重い扉。どう見ても銀行の金庫だ。ぼくは鉄板で手のひらを差し付けて、それが本物かどうか調べて見た。


冷たい。これは夢ではない。この扉も雪と屍体と同じに本物だ。


何でこんな金庫の扉がここにあるのか、全く分からない。頭が何かで酷く殴られたようだ。まさか、ぼくはある銀行の中に入れたのか?え?なぜ?


なら、只の悪いいたずら?そんなはすがないんだろう!この扉はちらと見ても何千万円を越える物だろう。当たり前だ。鉄のその自体の値段だけを考えても半端じゃない。なぜこんな扉がここに付けているの?


ぼくは金庫の中にいるのが?いや、こんなに雪だらけの金庫なんかどこにある?そもそもあの屍体もそうだ。


「ぼくは完璧に密室の中?え?なんで?」


濡れ衣?

え?


濡れ衣をさせる目的なら、なぜこんなに手間がかかるマネをするんだよ?ぼくの部屋で屍体を運んでぼくのとなりに置く方がもっといいじゃない?その方がもっと簡単なやり方だ。ぼくはただ扉の前でなにも出来ずに立っていた。ぼくは金庫門の取っ手で手を上げたまま震えた。


こわい。

なにこれ。

まじ訳が分からない。

え?


そんなぼくの目に何か真っ赤な物が足下で見えた。

血?いや、その赤いものは血ではない。


よく見たら、ペイントで塗られた「赤いペイントの線」だった。

この線、どっかで見たと思ったら、電車の路線案内と同じじゃない?乗換駅で複雑な路線とかの案内のために書いている色付けの線、それとそっくりだった。ぼくはまるで電車を乗り換えをするようにウッカリと足下の雪を払ってその線を追い掛けた。


真っ赤な直線は壁の上で上がったらすぐ「下」で降りて、ぼくの腰ほとの高さで終わっている。この赤い直線が終わるどころにはなんと矢印が付けている。


つまり言い換えればこの赤い線は大きな矢印だった。まさか、駅と同じくここで乗り換えをするって事はないだろう?そして、その矢印の横には英語で単語が一つ書いていた。


DOWN。

ダウン。


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