鶏肋
ここで三日。
しかし、彼女の話が本当ならばどうする?こんな馬鹿みたいな空間で三日ほど生存出来るだとしたら?もし、彼女がリーダとして判断したことが正しいなら!
ぼくがハスタを見つめる時、意外な事が発生した。
カンー。
「在这儿!ここだ!ここに女がいる!」
もう耳に熟れた金属音と中国語と日本語が混ぜた話が「後ろ」から聞こえた!
まさか、ぼくたちを追い掛けたのが?しかし、どうして?きっとハスタが案内した水路の入り口は誰も見つからなかった位置にあった。
ハスタの裏切り?
いや、上には中隊の多数があった。わざわざ変な策を使ってここに降りる必要もない!悲鳴を上げたらすぐ終わるはずだ。ハスタも慌てた顔でぼくをみつめた。
「どーちゃん!」
「分かってる!あっちだ!」
ぼくは迷わずにある場所を示した。そこは三面が適当に壁に囲まれて天井が残っているどころだった。ここならぼくが臨時変通に考えた布陣を試す事が出来る場所だ!
「ペル!怯えるな!後ろにはぼくがいるから!」
「分かっています!」
「秀平さん!牽制ですよ!野球みたいに当たるより敵を緊張させる感じで!」
老人は胸を叩いて首を振った。
もちろん、ぼくはこの短い間、もう完全に包囲されたら場合の逃げ道まで目をつけたのだ。戦闘が不利になったら、ぼくはこの「組」を見捨てて逃げるつもりだった。どうしてもぼくにはやるべき事がある。ここで無駄死になるのはごめんだ。
そう、太田を殺す。
それをためにはぼくは悪魔でもなるつもりだ。
ぼくは廃虚に座って両足に自転車チューブをかけた。そのあと、股を開いてぼくの身で大きな弓を作った。本当に格好悪くて女の子の前ではこうやったらセクハラなるかも知らないけど、今はそれが問題じゃない!ハスタはすぐぼくの意図を分かってくれた。
「格好悪いけど、やってみる価値はある!」
「分かったわ!あたしは何を手伝ってばいいの?」
「周辺から石とか重い物を拾ってここに装填しろ!」
ハスタは明るく笑うながら首を振った。
ぼくだって出来るだけこのパーティを利用する方がいいだろう。一人なら、だった一階を降りるだけで苦労をするはずだ。
下に何があるか分からないので梯子を降りるとしたら、一人では非常に危険で、一階を降りるのにどんだけ時間がかかるか分からない。それを仲間がぼく代わりに降りて確認したら、確率的で、ぼくも生存確率は上がるんだ。
ならば、このパーティとこの布陣を試しに実戦で確認する必要がある!
いよいよ、戦闘の時だった。ぼくが思ったより多い中隊の話声が聞こえた。まるでタテモノの全てがぼくたちを耐えようとするような声だった。
そして、人間の声より四面から聞こえる金属音と武器を盾とぶつかる音がもっと怖い。その物音の数だけ敵ががいるだろう! ならばこの数は!
つまり、中隊はこの簡易の砦へ全面戦をかけるようだ。それも酒呑童子と戦ったその戦力で!まさかこんな展開になるだとは!
「在这儿( ここだ)!女もいる!いや女が二人!」
日本語で誰が叫んだらすぐそれを中国語で翻訳して後ろに知らせた。
何だよ、こんなに理不尽な命令システムは!しかし、ぼくとハスタ組たちには連中の変なコミュニケ-イションに気になる暇さえなかった。
最初に目に見えるの無数の矢だった。さっき、酒呑童子に攻撃をかけたあの時とそっくりだった!カンーとパタンーと矢がぼくがいるどころまで飛んできた!
ぺルと秀平さんも反撃も考えずに壁の後ろで隠した。こりゃ!なんだ!
酒呑童子にぼろ敗けしたイメージと、酒呑童子のあのグレネードランチャの圧倒的な強さで、ぼくは錯覚していた。矢なんか何も恐ろしい兵器じゃないって。
しかし、実際にぼくが矢の撃たれるほうになった今は矢がどんなに恐ろしい武器なのか分かる。
矢に当たれる、当たらないのが問題じゃない。十人以上が組み合わせて放す矢は反撃さえ出来ない。ハスタとももりんはぼくと背中を合わせてブルブル震えて、秀平さんとぺルのやつも同じだった。
そして、矢の洗礼が終わったとしたら、今度はほかの投げ武器だった。石斧が秀平さんの側にぶつかれて火花とカン-という轟音が出た。その後はガラスの破片をガムテープで棒切れに付いた武器が飛んできた。人の知恵ってこんなに偉い物だったのかよ?
ガラス破片がぶつかってハスタの頬に赤い線を残した。
石斧に打たれたら防具を着ていても打撃が多いだろう。そして、ガラス破片は防具を着ていないやつを狙った攻撃だ。
この攻撃ならどの道、近接戦を行う前に敵の戦力を粉砕することが出来るんだ!
多分、やつらの攻撃戦略は無数の矢で戦意をくじけた後、石斧を持っているやつらが矢の援護を受けるながら接近する。そのあとは近接兵力が相手の息の根を止める方法だろう!
つまり、石斧が飛んできたのは中隊の近接兵力が押し掛ける前兆さ!
「馬鹿な!遠距離で攻撃するな!女がいる!ヨウヌイズ! ブヤオユエンコン!」
やつらは中国語と日本語を混ぜて使用した。あいつらドイツであった「エニグマ」の教訓も知らないのか!しかし、やつの話声はぼくには天使の言葉よりよかった!
やつらは本来ならこの人たちなんか、一気でつぶすつもりだった。しかしここには女の子が二人いるので、出来る限り損傷ないに女の子が確保したいんだ。くっそ、欲張りだな?殺人だけでは足りないのかよ。
その欲張りような態度がぼくには反撃のきっかけになった。中隊は出来る限り損傷なしに勝利を願っている。遠距離攻撃はない!やつらはどうしても近接して勝負をしなきゃならない!
そうなら。
反撃だ。
「ぺル!入り口から離れて入るやつをやっちまえ!秀平さんも窓を乗り越えるやつを狙え!」
ペルは半分気が抜けてぼくが言う通り動いた。ぼくは座れたままハスタから植木鉢をもらって「砲」に装填した。ぼくは植木鉢を自転車のチューブで引っ張ったあと放した。
都合よく窓口を乗り越えるやつがいた!植木鉢は驚くほどの速度で飛んでやつの顔に格好よく的中した!
バカン-と大声が聞こえてやつは顔を覆って窓で転んでしまった。何という破壊力だ。やつの顔は散弾銃にやられて血まみれになったようだった。
「ペル!止めを刺せ!ハスタ!あんたは次の弾を!ももりんはこの鏡の破片で外を見て標的をハスタに知らせ!」
ぼくの頭脳はさっさと戦況を考えて人員を再配置した!
索敵はももりん、装弾はハスタ、上部機銃はぺルと秀平さん。
そして主砲はぼく。まるで今の布陣はタンクのようだ。
「ももりん、教え方は前方!2時方向!こうしろ!」
「わかったよ!」
ももりんは賢くぼくが何を言っているのか分かってくれた。この方向指示は戦争映画で見たことでけっこう効率的だった。
「姉!2時方向!」
ハスタはその方向を確認して指さしでぼくに方向を教えてくれた。これいいな!ぼくはこの自転車チューブ大砲でやつに意外な爆撃をやつらに贈った。
そう、爆撃だ。
チューブはあのラクロスやつらの爆撃ように以外に重い物もなんとなく投げることが出来る。自転車チューブってこんなに有用な物だったけ?
頭の大きさの石が軽く飛んで、外で接近するやつの頭に命中された。ぼくは座っているのでその光景を見る事が出来なかったが、石がぶつかれて骨が破れる声だけはよく聞こえる。
なんと恐ろしい音だ。その光景を真っ正面で見ているももりんは結局耐えられなくてゲロゲロ吐いてしまった。
「ももりん、しっかりしろ接近をもっと許容したら危ないんだ!いいからもっと遠くにいる標的でもいいよ!」
「だって!」
「君がしっかりしなきゃ!全部ここで殺される!」
死ぬ。その言葉はどんな魔法の呪文より効果があった。ももりんもハスタとこの空間で無数な死を目撃しただろう。彼女は嘔吐を必死で我慢して標的を見つけた。
「11時!二人!一人は弓を持っている!距離は10メートルほど!」
「10メートルの二人、奥の席に案内します!」
こりゃ。思わずにバイト先で鈴木さんの口癖が出だ。ハスタはこんな緊迫な瞬間でもぼくの声を聞いて吹き出した。今はそれを恥ずかしいだと感じる暇もない。
ぼくは10メートルの距離感を思い出した。10メートルならバイトしたファミ-レスのカウンターからキチンまでの距離だ。暇な時間に鈴木さんたちとコインを投げて、どのコインがカウンタに近いなのかで博打をやったことがある!その距離感だ!
ぼくは装填された石をそう感覚で投げた。なにとぞ当たれ!当たってください。ぼくがチューブを放すながら心で叫んだ。
発射したあとももりんが喜んでぼくを振り向いた。
「命中だよ!」
いわゆるビギナーズラックって事か!やっほ!ハスタも石を渡すながら喜んだ!やはりぼくがいる位置では見えないが、敵の先進の動きは一瞬止まった。今までは違う信号が響いた。やつらは「砲」という意外な変数で慌てている。
1.ここには女の子が二人いる。そんな理由で中隊からの圧倒的な遠距離攻撃が出来ない。
2.その上、ここらはなんと砲撃が出来る。手にいられる「女の子」って利益より比べても被害が思ったより大きい。この状況ってつまり。
鶏肋。
三国志に出るその状況とここは完全に同じだ。
この空間には目に見えないルールがある。これは利益と危険を秤に乗ってる事だ。ラクロスやつらもそんなに強くてもう勝機を握ったのに、中隊という危険で何も考えずに引き去った。
あんたら中隊もそろそろ利益を考える頃じゃないのかよ!?ぼくの判断が正しいのならやつは兵力を引く。
「前进!不要后退!不许后退!」
え?なんだと?ハスタはやつらの信号を聞いてぼくに言った。
「やつらの本陣部隊が加勢するよ!」
「え?なんで!」
「あんたが連中の面子をつぶしたから!」
しまった!それも聞いたことがある。ヤクザとかは面子がいちばん重要で面子を失ったら、ただではおかないって事!
やつらはもはや酒呑童子を除いたらここでは最強だ。そんな面子がこんな女子ある集団につぶれるどころで我慢してる訳がない!
くっそ!ぼくは一足遅い逃げ道を探したが敵の本陣がここで槍先を回したら逃げる場所はもうない!タイミングを間違った!結局、生きるか死ぬかこのハスタ組と一緒だ。馬鹿な!さる利口をやったらもっとひどい目になった。
「えいい!こうなったら粘り続けるだけ!」
そうだ。やつらの中隊長って何かが鶏肋だと判断するまで粘り続けるだけ!ぼくは方法を返って無差別に砲弾を投げた。
ぼくが選んだ地形と戦術はまたまた有効だった。石で足を打たれて悲鳴を上げながら中隊の兵士が倒れた。
ぼくが照準なしにでたらめで投げる砲弾はそっちの兵士が多いから、まるで人が多い広場で石を投げる行為と同じだ。
誰かは打たれる。
その恐怖感は、先ラクロスやつらのせいでぼくが経験した「セールショックーShellShock」と同じ効果になった。接近するほど石に当たれる確率も高くなって、その上、もう致命傷を負って仲間が上げるうめき声もやつらの戦闘意思を折っているはずだ。
ぼくは指で血が出るまで無理やり石をなげた!コンクリートの破片!木切れ!重い物はなんでもいい!ハスタも必死で周辺のすべてをぼくに渡した。彼女の手もどんどん血に染めて赤く見えた。
「どぺるさん。大変だよ。投げる物がなくなる。」
「しい。それをやつらが知ったら一気に突入するんだ。」
ハスタとぼくはキスをするように近くでささやいた。砲弾がなくなったらこの簡易の砦も陥落される。女はレイプされて男は首を切られる。そうだ。戦国時代の攻城戦と同じだ。
陥落されたら全部殺させる!そうさせるもんか!
さっさとこの鶏肋を諦めろ!
このやろう!肉もあんまりいないんだよ!その肋骨が喉につっかえたらいってええぞ!いやだと?ならば、あなたの頭に石をおくりしましょう!
そろそろぼくの目にも石に当たれて頭から血が飛び散る人が見えた。様を見ろよ!こうしても女がほしいのが!とうとうハスタは血まみれな手で石斧を持って立ち上がった。