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人殺しになるな

包丁でやられた怪我は半端じゃなかった。ぼくがやつだと言っても「ぼくを殺してくれ」って願っただろう。ここで彼を救う方法はない。


ぼくは槍をやつの喉に照準した。二度目の殺人だ。手が震えて槍先も震える。


「あ、そうだ。君は俺見たいになるなよ。お金に目が眩んだ人殺しに・・・・。」


ぼくの槍はやつの喉を貫いた。血が流れて瞳の光がゆっくりと消えた。


「な、何だあんたは。」


ぼくはやつが最後に残した言葉で慌てている。やつは疑問の余地ない「人殺し」だ。しかし、ぼくは屍体になったやつに声をかけた。


「あんた、何でこんな話をしたんだ。あんたはぼくを殺す気じゃなかったのか!この貧乏臭いなアイディが欲しかったんだろう!」


ぼくは自分のアイディを出して死んだやつの目で差し付けた。当然、やつの返事はない。


人殺しになるな。


ぼくにはこれが呪か忠告なのかどっちなのか全く分からない。

ぼくは死んだ男のアイディにふっと手を伸ばした。偶然か分からないが死んだ男は自分のアイディを見せるようにアイディを首にかけている。


アイディの名は恵比寿。

オッズは23.21。

賞金である残高はマイナス。-4563000。


これ借金だろう。顔を見たらやつの年齢はほぼ同じくらいに見える。ぼくはこの恵比寿がなぜこんな様になったのがすぐ分かった。


原因はどのような借金なのかは分からない。競馬や競輪とかの博打、親からの相続、事業の失敗。借金の原因なんかいろいろだ。


ただ確実のはこの恵比寿が最初から人殺しではなかった事だ。こんな馬鹿なオッズとマイナスのアイディを背負ってここで必死で生き残った。きっと、この空間の外でもこの男はそう必死で生き延びたのかも知らない。3百万の借金を背負って必死に。必死に。


こいつが人殺しだったのは変わらない。しかし、何だかぼくはこの男を理解できるそうだ。


「ぼくも同じ絶望な状況だっただから。」


ぼくがもう一回、恵比寿のアイディを見る瞬間、涙があふれて前がよく見えなかった。

ぼくもこうなるのか。


人殺しに。

お金のために人を殺す残忍な人殺しに?


条件はほぼ同じだ。ぼくも最低なアイディで最低なオッズと残高だ。

3百万、いや3千万のアイディを見たら目が眩んで人を殺すかも知らない。しかし、この男の遺言がぼくに教えてくれた物はただではない。


人殺しになるな。


この話がぼくにはこう聞こえた。

せめて、死ぬ時は人殺しではなくて「人間」で死ね。


人間で。


ぼくは恵比寿がくれた地図を見ながらそう誓った。

こいつもせめて死ぬときは人間だったかも。ぼくはやつの最後を思って複雑な気持になった。

ぼくは恵比寿の屍体に合掌した。せめて、そっちの世界では・・・。


すぐあと、彼のアイテムを探して手にいれた。プラスチックびん、サブバック、そして「うまいぼう」だけがすべてだった。


ぼくは恵比寿が残したすべてをサブバックに入れた後すぐこの場から離れた。

もう時間がずいぶん流れたようだ。ここままじゃ「しゅてん」と出会うかも知らない。自然に歩く速度が速くなった。ぼくが持っている所持品がカタカタ音が出てすごく耳に逆らう。


一旦、恵比寿が教えてくれた出口の位置と地図は正確だった。こんな迷路の商店の一軒で道が隠れていた。


馬鹿な。道の店はさっき槍の棒を手に入れたあのラーメン屋の奥だった。

そのカウンタの後ろにゲームの隠れダンジョンの入り口ように、なんと下で穴が開いている。穴は横の幅は2メートル、縦は3メートルほどだ。


「梯子だと?」


穴には鉄パイプで作られた梯子があった。


これはマズイ。


下には何かあるのが全然見えない。梯子を降りる敵を攻撃するには理想的なポイントだ。


あいにくにぼくには懐中電灯なんかいない。例えばそんなのがあったとしても照して見るのは危険だ。カタカタ所持品の音も気になる。周辺が静かなので余計にあの音が大きく聞こえる。


ぼくは自転車チューブを出して下を狙ってみた。別の声は聞こえない。まるで女が泣いてるようにシュシューと気持悪い風音だけが聞こえる。


「仕方ない。鬼が来る。」


鬼は絶対的な恐怖だ。ぼくはちょっとだけいい武器を手にいれたがこれでは役に立たない。自動小銃ってここではまるで神の武器ような物だ。縄文時代の人が銃を持っている現代人と出会う時、ショックを受けた事と同じだろう。


ぼくは後ろをチラリと見た後、槍を片手で持って梯子を降りた。鉄パイプがトントンーと鳴いてるたびにぼくの心臓もそのまま冷えるようだ。


たった1.5メートルの梯子を降りるのが天上から地上へ降りる感じだった。ぼくは地上に付いたあと、槍を回して周辺を警戒した。


周辺はまた静かで、まるで火星とか月とか地球じゃない場所へ着陸したようだ。一階の下は上と全然違う雰囲気だった。


「ここは何もない。」


そうだ。文字通りに何もない。ただのコンクリートの壁だけがぼくを見ているすべてだ。ここはなんの建物も装飾とかインテリアがなくて、上ではありふれた看板とか門もない。ただのコンクリート壁が殺風景にぼくを歓迎している。


恵比寿がくれた地図にはここがコンクリート迷路だと書いている。いかにも、遊園地でよく見える迷路と同じ構造だ。


あるんじゃない?時間に迷路の出口でたどりついたらぬいぐるみとかを賞品でもらう事ができる迷路のアトラックション。ただ、ここは自分の命が掛っている。命が賞品なのかよ。


地図にはどう迷路を出るのが簡単な目印が書いている。右、左。そのような矢印が書いている。ぼくは槍を片手で握ったまま地図が教える方向に歩いた。


血の臭いが鼻を刺激している。ぼくのティーシャツは敵から飛び散った血が赤く染まっている。赤い色と生々しい臭いがぼくに殺人がどのような物なのか言っているようだ。


ぼくはもう二人を殺した人殺しだ。例え、それが正当防衛だとしても、実際に人を殺したショックは消えない。ぼくがやったことを見たら、警察もぼくが無実だと絶対信じらないはずだ。特に兵長ってやつは後ろから槍に貫通された。


自分で心の中で「仕方なかった!正当防衛だ!」だと言い訳しても、いろんな思いが浮かんだ。

恵比寿には家族がいるかもしれない。もし結婚して子供とかいるかも知れない。もし妻が戻らない旦那を物哀れに待ってるかも知らない。


「殺人で・・。人って。」


殺す時はアドレナリンが一杯出て全然思わなかったが、ぼくは今さら殺人の重さを感じている。殺人はただ人間一人を殺す行為じゃなくて、死んだ人の人間関係を破壊する事だ。


「しかし、ぼくも生き残るだけが最善だよ。」


そうだ、この空間の人達は全員難破して浮木に乗っていると同じだ。生き残るためには他の誰かを海に溺らして殺さなきゃ自分が殺される。


ぼくはまるで嵐の中で船に乗っている感覚だった。陸地が見えない海の真ん中、一歩退いたら自分が海に溺らせて殺される厳しい生存競争の船の上。


くっそ。難破船を考えたら余計に喉が乾くで耐えらない。さっき、走って戦ったせいでもっと喉が乾くなった。


あ。


今、ぼくがやったもっと致命的なミスを気づいた。何番目だか知らないが、きっと水の話が紙切れには書いている。


水は大切な・・・・・。

そうだ!水は大切な物。

バカ!


紙切れを見たくせに何故こんな重要な事を気づかなかったんだ!さっき上で見た店も水が流した痕跡が一切なかった!


そういえば恵比寿が持っていたプラスチック瓶にも水はなかった。あの人はあの中隊とかの一味なのに彼らは水を持っていない。


つまりここで水を手にいれる方法はない、或いは水は本の少しあるんだ!

バカ!


雪ならぼくがいた部屋には山ほど積っていたのに!ぼくは雪を見ても全然飲む考えなんかしなかった!酒呑童子がいるのに、いまさら遡ってそこには戻る事は無理だろう!


「そのための特等席だったのがよ。」


ぼくが水を手に入れる機会があったのに。これで水無にどこまて持ちこたえる?

多分、水無しで成人が耐えられる時間はほぼ2週?しかし、それはなんの動きないまま、崩れた建物の中とか鉱産の中でねばった記録だよ。


ぼくは歩いてなきゃ、動かなきゃいけない。

生き残るためには先みたいに戦わなきゃならない。


くっそ。さっきのように動いたら、きっと一週間も持たないだろう。どうしよう。たった一本の水で危機になるとは思わなかった。


全く敢えないので笑いが出る。

昨日までは水なんかコンビニとかで簡単に手に入れる物だったのに。その日常とここの非現実的な状況と比べたら、簡単にきれいな水を手に入れる現実のほうがもっと非現実的に感じられる。


今さらぼくをせめても方法はないので、ぼくは燃えるような乾きを耐えてそのまま歩いた。安全な場所にたどり着いたらあの紙切れをもう一度よく見よう。


乾きを他の刺激に変えるため、ぼくは周辺に目を回した。この迷路って単純な構造ではなかった。遊園地にある迷路は困ったらバイトさんが助けに来るかもしらないがここは違う。


水無にここで迷ったらだんだん方向感覚が鈍くなって最後には乾きで死ぬか誰に殺されるか二つ中の一つになるだろう。


地図を持っているぼくもだんだん集中力がなくなっている。ぼくがまた頭を振り向いた時、目の前になんか変な痕跡が見えた。


「なんだ、これは。」


最初では道だと思った。壁の真ん中が毀れて窓に見えるほど破壊されている。そして破壊された壁の

側には黒く焼かれた痕跡も残っていた。


「爆発があったのが?」


爆発ならYOUTUBEでしか見えなかったか、これは何らかの爆発で焼かれた痕跡のようだ。どのような爆発なのかは分からないが、ぼくが怖いのは爆発があったというその事実だ。


手榴弾、RPG7類の対戦車兵器、IDE(私製爆弾)、地雷。


どのような種類の爆弾でもかまわない。爆発物が武器として存在したら、どんな策を考えても無駄だ。ぼくが持っている銃もこんな爆発には全然相手にならないんだろう。


こんなのがぼくのすぐそばで爆発したらどうしようもない。恵比寿も言ったじゃないが。ここには医者も病院もないので、破片でも血管や重要臓器に当たったらそれで終わりだ。


ぼくはそう思うながら横を見てもっと驚いた。ぼくが見た痕跡を出発点として黒く焼かれた痕跡がたくさんあった。まるで黒い花がどころどころ咲いてるように爆発の痕跡は数えないほどだ。


ラグナロク?


ぼくが無数の爆発痕跡を見て思い出したのは世界が破滅する神たちの戦争だった。

一体なんの武器でこんな地獄を作る事が出来るんだ?爆発の痕跡の側には血痕も多数あった。


「これはあのやつの作品だ。」


ぼくはこれが直感的に酒呑童子の仕業だと気づいた。。


「やつは自動小銃を持ってる。ならば爆発物を持っていてもおかしくない。」


あ、そうだ。中隊の連中とかあの太田まで、酒呑童子だけには非常に脅えていた。ただの小銃を持っている人なら商店街で勝負をかける価値がある。しかし、太田や中隊やつの様子を見たら、酒呑童子と合えるその自体を避けているらしい。


この爆発が酒呑童子がやった事なら彼らの行動も理解できる。


酒呑童子の装備は人間競走馬だと考えないほどの圧倒的な物だった。

銃にあの弾倉まで。ならば酒呑童子やつは一体なんなんだ?なんのために特別なウェポンをもらったのかよ。


分からない。


ぼくはこんなただ非現実的な迷路で混乱している。

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