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真実への扉

事務的な話声はなんの感情が全然ないようだ。まるで、常にある仕事を処理するサラリーマンとかの口ぶりだ。


「先着三人。変動オッズで最後のオッズはドペルゾルトナー03は1.75。ももりん8.21、ナミ12.34。そのオッズによって配当金は精算する。」

「何だ!何だと!ふざけるな!てめええええ!ここで人がどんなに死んだのか!分かったのか!」

「そして、「特別ゲーム」は宿主であるドペルゾルトナ03の生存によって失敗。「勇者」の役目は皆殺し。」


と、特別ゲームだと?


「よって最高配当金を貰った人はなし。特別ゲームは主催側の勝利。」

「な、何を言っている!」


まさか、特等席!それが本当に特別ゲームの一部だったのか!


「まさか、この建物ではただの競走だかじゃなく色んな形の博打があるのかよ!例えば、宿主である

ぼくがどれまで生き延びるのかのテーマのゲームもあって!そして、この少女たちが捕まえたレイプされる事も博打をしたのかよ!このクソ野郎が!」


ぼくは村田銃で天井を狙ったが当然どこにも主催側の姿は見えない。


「人が、人間が何だと!何だと思っている!てめえら!正気か!人が死ぬのがそんなに見たいのかよ!」


せめて、玉将のやつらと中隊とかの人殺しでもこの建物の中では公平な法則に支配されていた。

人を殺したら、自分も殺される可能性があるって。


しかし、このゲームの主催側とギャンブラたちは全然違う条件だった。


やつらは安全な場所で苦しく前進しているぼくらを見て、その命にその状況にお金をかけた。

みんな狂っている。

人殺しなったぼくより、これをずっと見ていた人こそ完全に狂っている。


「ドペルゾルトナー03、やりたい話はそれだけか?」

「な、なんだと!」


そして、ぼくの後ろから話声が聞こえた。


「なら、最終精算の前にペナルティのお知らせだ。」

「ペナルティだと!」

「酒呑童子。」


いつ間に「屍体たちの王」がぼくらの前に立っている。え!やつはすでに自動小銃をぼくに向いている。


くそ!思わなかった。


自動小銃よりもっと怖いのは酒呑童子の腰にかけている人の生首だった。長と中隊長の生首がそこにあった。ぼくはナミとももりんの目を覆った。


人の生首は完全に顔が歪んで死の苦痛をそのまま見せている。ぼくもあの生首から目を移して地面を見つめるしかなかった。そこにハスタの生首があったらぼくはもう耐えられない。

ぼくは地面を見ている時、酒呑童子はなにかをぼくの前に落した。


「忘れ物だ。」

「わ、忘れ物?ぼくの?こ、これは何だ?」


アルバム。


やつがくれて物はある高校の卒業アルバムだった。


風に本のページがめくられて、「蛍光ペン」で人の名前につけられているのが見えた。蛍光ペンで表示されている人の名前はぼく知っているやつらだった。


二年D組の男子。


三年になってクラスがバラバラになったのに、アルバムには親切に二年D組だった男子たち、つまり副委員長志野くるみのレイプした事件の関係者のみんなが表示されている。ぼくはアルバムを拾い上げてそれをよく調べた。


名前の後ろには現在の写真とこの建物の中のアイディの名まである。そして、名前の下にはメモがつけていて「あの事件」の時なにをやったのか親切に記録されている。


その関係者って学生だけじゃないんだ。校長先生と他の先生が事件に関与している事情も記録されている。学校の名誉とかくだらない理由で、被害者の家族に和解を願ったという事情だった。


アルバムには校長が太田家と話あった録取の記録まであった。ぼくはこの書類まで見てアルバムを閉じてしまった。


このアルバムは志野くるみ事件に関する全てが残っている。しかし、なぜ。なぜ、酒呑童子はなぜこれを今さらぼくに?そして、ぼくはアルバムの角にまた「凍って」いるだと感じた。


「え、まさか。こ、これって!」


アイディの後ろには武器とアイテムが表示されている。




ITEM-1EA。




って。今まで忘れていた事だった。




ぼくのアイテムってこのアルバムの事か!?



「まさか、これを。缺陥ある拳銃とこのアルバムを持って太田と一緒に死ぬのがぼくの「役目」だったのか!」


返事は無線機じゃなく近いどころから聞こえた。


「ブタさん。あの時、あんた食堂の中で全部見たんでしょう?老人とあけみと女がメロスに殺される事を。」

「え?」


地雷屋も酒呑童子も参加者の位置を分かる探知機を持っている。やつはあの時もぼくがどこで何を為ているのか分かっていた。


「ブタさん。あんた卑怯だったよね。せっかくにメロスをゼロ層まで呼び出したのに、まさかあんた

が躊躇ったせいで「勇者」の役目が俺に食われたんじゃねえのかよ。」

「な、なんだと?ゆ、勇者?な、なにを。」

「今更さら何を知らないふりを為ている?卑怯なブタさんだ。あんたももう気づいたんじゃないのか?宿主って言葉を知っているのなら。」


勇者?


「ああ、それは知らなかったよな。俺に食われた「あけみ」って人の名字を。彼女は志野あけみだったよ。」


周辺の全てが崩れるような衝撃だった。


志野あけみ?


「そうそう。やっと分かったんだ?てめえがためらってメロス、つまり太田に殺された人は志野あけみ、志野くるみの姉さんだったよ。あ、かわいそうに、姉妹二人とも太田に殺されたんだよ。」

「あ、ああああ。あああああああああああああああ!」

「ブタさん。てめえだけ恨みを持っているだと思ったのか?てめえだけが被害者で。てめえの復讐だけが正義だったと?ずっと思っていたよね!ふははははは。全然です。あの志野あけみは自分の妹の屍体を始めて発見した人だよ。」


酒呑童子が言っている事はぼくの心臓をナイフで刺すようだ。


「もう崩れるのかよ?なんだよ。そんなに早く崩れたらつまんないじゃん!まだだよ!面白い部分はまだ一杯あるから!」


ぼくは耳を塞いだが、酒呑童子の話は指の間に流れて耳に来た。


「あの老人の名字も面白いよ。佐野さんだよ。佐野一朗。」

「さ、佐野。」

「え?忘れたのか?メロスが死ぬ寸前に言ったじゃん。メロスが自殺に追い詰めたブタさんのクラスメートの「おじいちゃん」だったよん!」

「き、聞きたくない!う、ウソだ!全部ウソだ!」

「ええ、ここにじゃんとあるじゃん。佐野勝一のおじいさん佐野一朗さん。米国で銃器商売をした人、いわゆるガンスミスって事よ。この人は孫の死に疑問があって急に日本に戻ったらしい。」


缺陥ある拳銃。


それを修理する人。


勇者。


ぼくはこのアルバムと拳銃を持って太田と一緒に死んだら、アルバムと拳銃を志野あけみとあの老人の佐野一朗さんがそれを拾って「狩り」が始まる。


アルバムがあったら、ここで誰を殺せばいいのか分かるだし、老人がガンスミス(GunSmith)なら拳銃を修理したはずだ。しかし、あの時は猟師の二人が19層を占領したいるどころだった。中隊も勢力が最高潮だったはずだ。


グロック一つで出来る状況じゃない。


「まさか、あのグロックって18じゃなく19だったのか!」

「ああ、賢いブタさん。よく出来ました。正解だよ。スライドには「モデル18」だと書いているが、あの老人ならそれが完全自動射撃が出来る「モデル19」だと分かったはずよ。」


酒呑童子は銃のグリップを叩いて拍手をした。


「ちなみに老人の武器はスライド部品で、あとで取引箱から300発の実弾を補給する予定だったよ。ああ、楽しいゲームがなれたかも知らなかった。」


あの人たちが。あの人たちが殺されて、代わりにぼくが生き残って。ぼくは自分が生き残った事がぼくの実力だと自慢していたかも知らない。


「もう面白いどころはこれからだよ。」

「な、なにが残っているのだ。」

「そもそも考えてみな。なぜ、ブタさんがここに入らなきゃいけなかったのか。あんたは被害者だろう?なぜだ?」


酒呑童子はぼくがずっと思わなかった事実を話そうとしている。


「ブタさん。あんたのオッズは14.56。たけええよ。何故だと思う?この太田ってブタに虐められた子なのになぜ?」


酒呑童子はクイズショーでヒントをくれる社会者のようにぼくに問った。


「え?なぜ?まだ分からないのか?復讐する動機についてはあの志野あけみと佐野一朗さんより、あんたの方がもっと強いじゃない?なにより直接被害者だし。」


酒呑童子はぼくを中心にぐるっと回るながら言っている。


なぜだ。盲点だ。


なぜだ。なぜ、ゲームのオープニングでぼくは太田を殺して共に死んだなきゃいけなかっただろう?その理由については一度も考えすらしなかった。


「ピーピー!時間切れで誤答ですよ!正解は前提が間違ったんすよ!」

「ぜ、前提?」


その瞬間、酒呑童子はぼくに目を合わせて、同じ目線でぼくを見つめた。文字通りにやつの目と鼻が先にあるほどの距離だ。


生々しい血生臭さがして、なんか腐っている臭いもした。そして、やつが着ている人の肌と、腰にぶら下げている人の生首も恐ろしい。目の前にいるやつが人じゃなく昔話から出てきた「魔物」だと思われるほどだった。


その昔話の妖怪の姿と持っている現代兵器のせいで、酒呑童子がどんなやつなのか分からなくなった。


こいつなんだ?


人か?


本当に妖怪なのか?


人が正気でこんな恐ろしい事は何気なくやるのか?


しかし、その見た目よりもっと恐ろしいのは、仮面の向うにある両目だった。その両目は動物園とドキュメンタリで見た猛獣の目だった。前にいるガーゼルとか獲物を攻撃する寸前の目。

その目でまた酒呑童子が話をかけた。


「なにをボンヤリしている。正解はなんだと思う?」

「わ、分からない。知るわけがないんだろう。」

「まあ、ブタさんあんた、本当に面白い人ね?簡単でしょう。正解は。」


ぼくの中でなんかいやな予感がした。そろそろ、ぼくも何だかは分からないが何かが思い出した。

エレベータで寝たとき、見た夢の光景。


高校の校門から見た志野くるみとD組の男子たち。


「また、機会をくれるから、今度が最後よ。間違ったらこいつがいいかな?柔らかい肌のほうがいいかしら?」

「わ、分かった!答えるから!ナミは!ナミに手を出すな!」


酒呑童子はいつのまにナミの後ろで片手を彼女の肩に上げてぼくを見つめている。


「じゃ。答えは?」

「ぼ、ぼくも志野くるみの・・・・。レイプ事件に関連があるんだ!そうだろう!」

「関連?半分は当たったからどうすればいい?な?ナミちゃん。」


酒呑童子はなんとナミを手を折れた。ナミは悲惨な悲鳴を上げて苦痛で全身を震えた。

「このクソ野郎!ナミは関係ないだろう!話せ!もうゲームは終わったんじゃないのか!」

「そう終わったよ。今はペナルティの話だ。」

「この卑怯なやつ!ペナルティとか!参加者が分かるはずがない!」

「まあ、この世ってそんなもんさ。さあ、答えろ。ならば、これを見ている「視聴者」のみなさんが納得できないから。」


そんな目的なのか?ぼくがどんな過ちをしたのか、それは重要ではなく、ぼくの生死にお金をかけた人のために酒呑童子はこんな事をしている。


もうぼくもエレベータで見た夢で薄々感じていた。それが夢じゃないなら?包丁を持って学校に行ったあの日の事が事実なら?


志野くるみ事件の関係者じゃなかったら。


残るのは。


「時間切れはつまらないじゃん。」

「ぼ、ぼくもか、加害者なのか?」

「ビンボンー。正解。」


ぼくの目の前が崩れるようだ。


長!

長!


ぼくは長をハレンチなレイプ犯だとせめたのに!ぼくも!ぼくも?しかし、ぼくは女子をレイプしてどころが真面の経験しかない。ただ都合よく記憶から忘れたのか?ぼくも?え?ぼくもそれで二年D組と共にタテモノへ?


「しゅ、主催側、そ、そうなのか?志野くるみを後でレイプしてそれを忘れた?そ、そんな事を?」


その瞬間、副委員長がめちゃくちゃになって公園のトイレで倒れている場面が思い出した。


なん、なんなんだろう。これは。これは?ほ、本当にぼくが見た光景なのか?ずっと忘れていた記憶なのか?


志野くるみはあの時、ぼくがトイレで倒れて助けを求めているようにぼくに手を伸ばしている。しかし、そこにはD4が全部あった。


「志野さん。まさか。ぼくも。」

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