8 「修羅場と嘘」
どうも皆さん。海です。
急転直下で修羅場の真っ最中です。
お尻がキュッてなってます。
大法螺吹いてこれからコテンパンに言い返される所です。
ああ…そば殻の枕で夢から醒めたい…
レオンハルトが驚きの表情を右手で隠すと
天を向き高らかに笑い声を上げた。
そら来た。
笑うという行為は本来攻撃的なものであり…(略)
「君が伝説の竜の魔法使いだと!
冗談もほどほどにしてくれ!」
「へへ…悪いが本当の事なんだ。婆様も認めてい…」
「ひとつ矛盾がある!
君は自身で魔法は使えないと言ったばかりだ!」
ズバーン! 確かに言った気がする!
俺の心に9999のダメージ!
だが今の俺には走馬灯パワーと右手に感じる超美乳パワー、
そして潤んだ目の美少女パワーがある!
思考を加速しろ!
「いいや、違うね。 俺はまだ、と言ったはずだ。」
「ほう?ではいつ使えるようになる?
まだ魔法が使えない状態で、
どうグロリア様に認めてもらった?」
あ、こいつ面倒臭いやつだ。
「俺はこことは別の世界から転移してきた。
それもクリスタの元へ直接な!
ゲートは婆様が確認している!
俺の顔立ちを見れば分かるだろ。
この世界の人間じゃないことは。」
「確かに奇妙な顔だ。平った過ぎるし瞳の色も珍しい、
平たい顔族とでも言うのかい?
でも僕は聞いた事がある。
黒髪のこげ茶色した大食族の話をね。
単に遠くから来ただけだろう。
ここに来るまでにドラゴン伝説の話を聞いて、
上手く合致するように詐欺を働いたに違いない!
君はただの詐欺師だ!
本物なら魔法を見せてくれないか。
発動しなくてもいい、何て名前のどんな魔法なんだい?」
まくし立ててきやがった。
何だよタージ族って、知らねえよそんなの。
それこそ詐欺じゃないのか。
しかし魔法って…そう言えば、
俺ここでろくに魔法を見てないんだった。
まずい。さすがに頭が真っ白になる…
もう俺の口からでまかせパワーが尽きかけている。
言いよどんでいる俺を見て、
レオンハルトは重ねて問い詰めてきた。
「さあ、異国の大魔道士よ、その偉大な魔法の名前を!」
「イ…」
「イ? イなんだい?」
「イ○ナズンです。」
やってしまった。