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竜種少女と静かに暮らしたい  作者: るっぴ
第二章「伝説のタイタンバトル編 巨人族との大乱闘!」
59/86

20 「神話級大戦 土星堕つ」

ソーサリス崩壊をバックに、神話的戦いは最高潮を迎える

「あっ――つぅーいッ!」


ルビィが絶叫した。

大気摩擦でお尻を燃やされたからね。

普通は溶けて無くなっちゃうレベルだけどね。

とにかく無事で良かったよ。


あと我らが母星、ソーサリスが消滅したよ。


「あっ これソーサリスじゃない! すっかり粉々よ!」


そうだね。

もう岩の塊しか残ってないね。


「あらー 予言、当たっちゃいましたねえ。」


カチナもずいぶん暢気に言うなあ。

復活できる予定とは言え、何十億もの人命が失われたってのに。

全ての生命が消失したのになあ。


俺達が乗っているルビードラゴンは

コアであるルビィが居ないせいか、ぐったりしている。


「ルビィ! 大丈夫か! 怪我の具合はどうだ!」


「ソーサリスがクッションになってくれて助かったわ!

 凄く熱かったけど!」


…それは重畳ちょうじょう

ルビィは宇宙を泳いで戻ってきた。

クロールで。 しかも下着姿で。

服は落下の摩擦で燃え尽きたようだ。


「代わりに皆死んじゃったけどね! 奴を倒さないと直せないわ!」


でえじょうぶだ、死んでもドラゴンが勝てば皆生き返えれる、って奴だな。

俺が手渡した換えの服を着ながら、鼻息を荒くして言う。


「うーん…大気で縛ってもダメ。重力で縛ってもダメだったからなあ。」


「海、あんた、さっきから相手の行動を縛る謎の技を連発してるわね。

 あれは一体どういう魔法なのよ?」


「あえて言うなら概念強要。 魔法じゃなくて詐欺の類だ。」


「良く分からないけどとにかく素敵だわ! その調子でお願いね!」


世界を壊した割には明るいなあ…


カチナがキャッと小さな悲鳴をあげる。

俺がカチナのほうを向くと…クリスタ達がいた!


クリスタとアクエリアスとエミィと婆様と…皆勢ぞろいだ。


「みんな! 無事で良かっ…」


「無事じゃありません! 死んじゃいましたよっ!」


そうでした。


「は、は、は…すまねえ。 頑張ってるんだけどなー」


「おかげでこうして海くんと会えたから良いですけど、もうルビィったら!」


いいのか。

何だろう、この大して嬉しくない再会の仕方は。

エミィが嬉しそうに抱きついてきたが、俺の体をすり抜けて貫通した。

涙目になってるけど、撫でてやる事も出来ない。

婆様が俺に問いかけてくる。


「海よ、なんじゃこのふざけた状態の世界は!?

 ソーサリスは一体どうなってしまったんじゃ?」


「あの精霊魔王、ロンガロンガが世界の法則を捻じ曲げてるんです。

 今ソーサリス…は壊れましたが、精霊の世界に侵食されているんですよ。」


「ふむう…? 世界が侵食。 そんな事が有り得るのか。」


「世界に精霊の力が満ち溢れているのだそうです。

 むしろ婆様達も、今は精霊体という状態らしいですよ。

 放っておくとそのままグレートスピリッツに合流して生まれ変わるんだとか。」


「わしは年じゃからそれでもいいが、クリスタ達はまだまだこれからじゃ。

 お前も妻達をむざむざ失いたくなかろう。 早々に奴めを倒せ。」


もちろん頑張りますとも。

しかし事あるごとにクリスタやルビィが妻とか言うが

いつの間にか結婚した事になってるんだろうか。


まあ何度もキスしてるから責任を取る事に依存もないけど。

というか、こんな美少女を嫁にもらえるなんて嬉しい限りだね。

問題は妻「達」って所だなー…


とりあえず今その問題は置いておこう。


「ともかく、奴さえ倒せば全て元通りになります。

 精霊術師の族長がそう言ってますから。 信じましょう。」


「海くん、私も戦います! 竜に変身させてください!」


「頼みたいのは山々だが、体が無いままじゃ無理なんじゃないか?」


「やっぱりダメですか?」


「どうだろう…正直、反魔力を注いでクリスタが消え去ったりしたら

 後悔してもし切れないよ。」


さっきエミィが俺の体を貫通しても平気だったから、大丈夫だとは思うが…

というか、今俺の体にぴったり重なって顔出して遊んでるし。

ホント、大物だわこの子。


「そうよクリスタ! ここはあたしに任せておきなさいな!

 海の熱烈なキスと告白で、今のあたしは無敵よ!」


「そ、それはいいから戦いに集中してくれ!」


暢気な会話をしてるがルビィのルビードラゴンとタイタンは

激しい殴り合いを演じている。

1発ごとにお互いが巨大化しているが、もう比較するべきものが何もないので

今の俺達がどんなサイズか、知るアテも無い。


クリスタが恨めしそうな目でこちらを見ている。

頬を膨らませているのが可愛らしいけど、

ルビィが戦ってる間に、クリスタにそっち方面で構うのも失礼すぎるだろう。


「海くん…ルビィばっかりずるいです。」


あああ、口に出された。

真剣に戦ってる場面なんですけどね!


「分かってる。 とりあえず体が元に戻らないことには、な?」


「約束ですよぉ?」


精一杯の笑顔で誤魔化しておくとしよう。

いい加減、決着と行きたい所だ。


だが、俺が余計な事を考えてたのが災いした。

幸運だったと言うべきかも知れないが。


ソーサリスの宇宙にはどんな星があるんだろうか、とか

太陽とか水星、金星、火星、木星、土星なんかがあるんだろうか、とか

そんな事が頭をよぎってしまったんだよ。


「あら、これ可愛いわね!」


ルビィが突拍子も無いことを言ってドラゴンの手に握ぎらせたのは…


「あ、それ土星――」


土星のリングを握ってます。

それは氷と石粒の集まりで、握れる類の物ではありませんよ。

土星を掴めるくらいまで大きくなってたのかあ。

地球の9倍くらいあるのにね。


土星を可愛いと表現したのは、この世と地球合わせても君くらいだよ。

ソーサリスの世界に土星が在る矛盾なんて、もはや小さな事だ。



「へえ、土星って言うのね。 丁度いいから、ちょっと借りるわよ!」


貸すも借りるも無いと思うが。

そもそも誰の物でも無い。


「土星ぃーッ! カッター!」


変な掛け声と共に、

ルビィは土星のリングをチャクラムのようにくるくると回し

土星本体と共にタイタンに投げつけた!


タイタンは避けきれず、脇腹をぱっくりと割り

土星を体に受けてしまう。

なんてこった。


土星はぺしゃんこに潰れたかと思うと、派手に爆発して周囲を明るく照らした。

まあ水素とヘリウムの塊だからね…ぶつければ爆発するだろうね。


さよなら土星サターン

ドリームキャストげ捨てるもの。


ごめんよ、俺がうっかり君を思い出したせいで。

二度と余計なことは考えまい。


タイタンは流石に重症だ。

あれだけの爆発を食らっておいて重症で済むのも凄いが。


「さあ、いい加減降参しないな! でないと、次はこの水玉よ!」


それは水星です。

さっきの土星より遥かに小さいはずなんですが。

あと名前の割りに水はほとんど無いらしいです。


おかしいな、俺のイメージがロンガロンガの精霊世界に反映されている。


タイタンも近くの惑星を取り上げて投げ返してきた。

あー それ火星ですなあ。

マーズアタック、そういう事だな?


ルビィは無慈悲にも火星を尻尾で弾き返してタイタンにカウンターを当てた。

追撃で水星も投げられ、右腿に命中したタイタンは膝を付く。

宇宙なのに。 無重力なのに。


「これだけは使いたくなかったけど…」


ルビィが凄みを効かせながら、ドラゴンの右手を伸ばす。

その先にあったのは、太陽だ――


太陽系最強武器を使ってしまうのかー

もうその表面温度は6千度だよ、と俺が口にした瞬間、ルビィは焼失するだろうな。


ルビィは太陽を投げ付ける事はせず、自分の前に置いただけだ。

そしてルビードラゴンが大きく息を吸い込み…


「最終奥義! 太陽プロミネンス・ブレス!」


特大の太陽散乱光コロナが発生し、

表面から活動型紅炎プロミネンスの柱が無数に飛び上がったかと思うと

それは全て収束し、蛇の如くうねりながらタイタンに踊りかかった。


何で宇宙の事知らないのに、プロミネンスとかその手の単語を知ってるんだろう…

俺は考えるのを止めた。


タイタンは全身を6000度の炎に包まれ燃え上がった。

燃えるとか言う温度じゃないんだけどね。


「やっと…やっと、巨人族にも名前が、やっと与えられる所だったのに…」


燃え上がりながらもタイタンが呻き声をあげた。


ルビィには誤算があった。

太陽の表面の炎だけを吹き付けたつもりだったが、

そのまま太陽が勢いづいて加速し、タイタンに衝突したのだ。


太陽は形を大きく崩し白い光となった。

タイタンとロンガロンガの絶叫と共に。

ソーサリスの宇宙は太陽の爆発に飲まれたのである。


…でも全員無事だったのは言うまでも無い。

直撃を食らったタイタンですら。



「今だルビィ! タイタンが苦しがってる間にロンガロンガを捕らえるんだ!」


「わかったわ!」


ルビィはドラゴンの腕を伸ばし、文字通りニュッと伸びた腕でロンガロンガを捕らえた。

ちょっとキモい。


ロンガロンガはルビードラゴンから逃れようといくばくかもがいたものの

やがてぐったりとして抵抗を諦めた。



戦いは終わったのである。

ついにタイタンバトルは終結した。 

歪みきったこの宇宙は、ソーサリスはどうなるのか。

次回、伝説のタイタンバトル編 第21話「タイタンバトル決着! 大勝利の再生神話」 お楽しみに。

滅びと再生、そして神話は巡る。

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