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竜種少女と静かに暮らしたい  作者: るっぴ
第二章「伝説のタイタンバトル編 巨人族との大乱闘!」
51/86

12 「轟く大戦歌」

VS 霜巨人

兵士達が絶望的な声をあげている。

フロストジャイアントの隊列が間近に迫ってきたからだ。


――フロストジャイアント。身長は7mになもなり、青白い肌をしている。

  氷の投槍を手に携え、いくらでも生成できるという。


ソーサリスのお伽噺でも巨人はしばしば登場するが、

せいぜい1人で多くても10人とかしか出てこない。

身長が7mともなれば人間相手には一騎当千だしな。


それがおよそ500人だ!


さっきまでの石巨人が数400余り。

しかも半数近くしか倒していない。


城壁は半ば崩れ去り、巨人達のこれまでの死体を焼き払う時間も無く

もはや篭城戦と言える状態には無い。


だが、まだこれは恐怖の半分でしかなかった。

狂った精霊術師、ロンガロンガがけたたましい笑い声を上げる、


「ウキャーキャッキャッキャ! 凄い? 凄いでしょ?

 でもね、フロストジャイアント共の凄い所はここからなんですよ。


 寒さと恐怖で二重に震えろ人間共ォ! アローンガ・ヘイラッ!

 ハカって知ってるかいィ? そう、糞人間共に送る葬送曲だ!」



何を言ってるんだコイツ。

しかし今度の巨人族に何か隠し玉があるのは分かった。


そんな物が無くても石巨人に比べて桁違いの脅威なのに。

5mの石巨人より1.4倍も大きい7mは大人と子供の身長差だ。


しかもこの差は身長だけでは無いのだから…

どかでルビィを竜にしなければ勝てないなこれは。


フロストジャイアントの戦列が200mほどにまで迫り停止した。

それぞれが30人ほどの塊で隊を成し、それぞれが3列になって霜の槍を構える。


最前列に指揮官らしき、一際大きな体のジャイアントが出てきた。

そいつは俺達を指差し轟くような大声で叫んだ。


「ヘイ、ユー! 体も心も小さき人間共よ!」


俺達、そして兵士達も心臓が飛び出るほど驚いた!

ジャイアントがソーサリスの言葉を使ったのだ。

しかも流暢に。

体だけでなく、知性まで高まってるのか!


さらに俺達は飛び上がるほどに驚いた。

指揮官の後ろのジャイアントが全員それを唱和したからだ。


これは…訓練された口上だ!


「ヘイ、ユー! 今日がお前達の最後だ! お前達の神に祈りを捧げるが良い!」

「ヘイ、ユー! 今日がお前達の最後だ! お前達の冥福を乞うが良い!!」


「俺たち、巨人の歌を聴きながらな!」

「俺たち、巨人の声に怯えながらな!!」


「オオー! オッ オッ イヤァー!」

「オオー! ッオ ッオ セアーッ!!」


ズダンッ!


巨人達は右足を大きく振り上げ、一歩前に踏み出す。

文字通り大地が揺れた。


「俺は死ぬ! 俺たちはここで死ぬ!」

「俺は生きる! 俺たちはここで勝つ!!」


ズダンッ!


左足を前に半歩出し、強く踏み鳴らす。

ハカ…そうか、そのハカか!


巨人たちは足を左右に1度ずつ踏み鳴らし、隣の者と槍をぶつけ合う。

それはリズムだった。

これは奴らの鬨の声なのだ。


ダンダンッ ガッ!

ダンダンッ ガッ!


「見よ! 我ら巨人の戦いを!」

「見よ! 我ら巨人の勇姿を!!」


「我らの華麗な戦いが!」

「我らの勝利の栄光が!!」


「新たな太陽と成り天に輝く!」

「第3の太陽と成り世界を照らす!!」


「我らは更に一歩進む! 世界よ驚け!」

「我らは更に遠くへ歩む! 世界よ称えよ!!」


「日の沈まぬ、巨人族の世界!」

「栄光の太陽の世界!!」


ザンッ!


体を大きく前に出し、全員で舌を出す。

長く赤い舌が俺たちを心底おびやかした。


そして歌は2番目に入る。

ルビィが額の汗を袖で拭いながら俺に聞く。


「海…ハ、ハカって何よ…?」


「鬨の声、ウォークライの一種だ。 敵を威嚇し、自分達の戦意を高揚させる。」


「流石に迫力あるわね…あいつらが余計に大きく見えるわ。」


「全くだ。 だが、これはちょっと…?」


何か変だ。



奴等が大きく見える



…んじゃない!



「違うぞ! これは本当に巨大化していやがる!」


俺は思わず叫んでしまった。

戦列の端のほうに先程ルビィが倒した石巨人の死体がある。

それと比較して明らかにサイズが変わった。


今やフロストジャイアントの体は…


10mをゆうに超えている!



「そんなバカな…」


兵士達が口々に絶望を口にする。


「勝てるわけがない。」

「もう終わりだ…希望は無い。」

「逃げるか…降伏か。」


カチナが強張こわばった顔で俺の服の袖を引っ張る。


「海さん、何かが変です。」


「巨人が巨大化する上に、更に何かあるのか!」


俺は冷静さを失いつつもカチナに問い返した。



「空気が…いえ、周囲の全体に精霊の力が溢れて、溢れ過ぎています。」


「あのふざけた精霊魔王とか言う奴が、更に何か仕掛けてるって事か。」


「おそらく…その何かが、この巨人達が巨大化する現象を後押ししてるのでしょう。

 さっきの私の焔陣の術も想定以上の効果でした。」


「厄介な!」


今や巨人の体はおよそ15mにもなっている。

石巨人の3倍の身長だ。

体積的には27倍って事だな…


15mと言えばちょっとしたビルの5階建てだ。

それが数500、もう考えるのも馬鹿らしくなる。


ルビィですら戦意を失ったように唖然とし

巨人達のハカを見つめてしまっている。


兵士達は恐慌状態に陥り、続々と逃げ出し始めている。

止めるべき隊長、士官達の声にも力が無い。



勝てるのだろうか、こんな巨人達の大軍に。

そして精霊魔王ロンガロンガに。


大丈夫だ

やれるさ!


だって


ルビィと俺なんだからな!



「ルビィ、俺たちもやるぞ…竜を纏え!」


巨大化する巨人、絶望する兵士達

海はルビィをレッドドラゴンにする

果たして巨人たちを倒しきれるのか…

次回、伝説のタイタンバトル編 13話、大変身! レッドドラゴン顕現。お楽しみに

愛が無ければ戦えない!

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