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青の桜   作者: 星乃優/優キング
第1章 出会い編
8/39

豪VS仁

この作品は賞に応募するつもりです。

よろしければ感想やレビューください!

よろしくお願いします。

「3年ぶりだな、仁。少し大きくなったか。」


「興味ねえくせに聞くなよ。」


仁は豪を睨みつける。


「確かにそうだな。俺が興味あるのは、殺し屋としての成長だ。」


豪がそう言うと仁は身構える。


「そんな怖い顔すんなって。むしろひどいのはお前だろ? 俺のお仲間ちゃん殺してよ。」


仁の額から汗が流れる。


「よく言うぜ。己の欲のままに人を殺しまくるあんたに、仲間なんていねえだろ。」


豪は狂気にまみれた笑顔を浮かべる。


「そう。俺は殺しが大好き。仲間とか一切関係なく欲の対象だ。だから第3隊にはメンバーが2人しかいない。」


「その欲のために、お前は俺の大切な人を殺した……!」


仁はガルゴから奪った小刀をポケットから取り出す。


「まだそんな昔のこと根に持ってたの? くどいねぇ。それとも……」


豪は舌で自身の唇を舐めまわす。


「大事な人目の前で殺される感覚が癖になったって言うなら、今その女を殺してやろうか。それとも、お前が死ぬ?」


その言葉を聞いて仁は豪に小刀を向けて走り出す。


「佐川豪!!! お前が、死ねぇぇ!!!」


「いいね、感情的になっているやつを無様に殺すのもゾクゾクするよ。」


仁は小刀で豪の首元に斬りかかる。


豪はそれをかわして仁の腕を掴み、投げとばす。


倒れた仁を豪が上から殴ろうとすると、仁は豪の顎を下から蹴り上げる。


仁は跳ね起きをしてすばやく立ち上がると、ふらついた豪の胸元に斬りかかる。


豪はどこからか鎖を取り出してそれを防ぐ。


「出たな。あんたの十八番。」


「俺の仕込み鎖は固く、速く、重い。人間の腕や足、首さえも簡単に斬り落とす。」


「〝当たれば″が抜けてるぜ!!」


仁は裏蹴りを仕掛ける。豪は体を後ろにそらして避ける。


仁はかかと落としでさらに体勢を崩して、小刀で1発お見舞いしてやる、と考えるが、


豪の鎖が仁の右足を縛る。


「なっ!」


豪は鎖を自身の後ろへと振る。


仁はそれによって投げ飛ばされる。


倒れた仁をすぐさま鎖が襲う。


仁はそれを横に跳んでなんとか避ける。


「さっきから投げ飛ばしてばかり。あんたはいつから柔道選手になったんだ?」


豪は鼻で笑う。


「こういうののほうが好きか?」


言葉と同時に豪は銃を構え、3発連射する。


仁は3発全てをかわす。が、


「はい、狙い通り。」


ーーーー鎖ッ!?


鎖が仁の腹に直撃する。瞬間体の中から骨が悲鳴をあげる。


「があっ!?」


仁は腹を抑えながら倒れた。


「仁!!!」


耐えられなくなって桜は叫んだ。


「あれぇ? すまん。手加減したつもりなんだがな。衝撃で肋骨(あばらぼね)の1、2本イッちまったか?」


仁は苦悶の表情を浮かべながらむせる。


「おいおい、まさかもう終わりだなんてこと。言わねぇよなああ!!!」


豪は鎖を振り上げる。


「もう、終わりだよ。」


仁がそうつぶやいた瞬間、


ーーーー消えた!?


豪の視界から、いや味方であるはずの桜の視界からさえも仁の姿が消えさった。


今まで見ていたのは幻だったと錯覚させられるほどに、完璧に消えさった。


「闇と同化。お前の〝死神″という異名の由来となった技か。成長しないな、お前。」


豪はそういうと目を閉じる。


「忘れたか? 3年前、お前が俺を殺しに来たとき。 俺がその技を完璧に破ったことを。俺の生まれ持った(さいのう)でな!」


すると姿の見せない仁が反応する。


「常人の3倍の聴力が宿る耳。確かに超能力レベルのチートだ。だが、耳はよくても聞き分けが悪いようだな。」


「あ?」


「俺は……もう、終わりだと言ったんだ。」


言葉と同時に姿を現わせた仁は、豪の喉元に向けて小刀を振っていた。


その距離、わずか30センチメートル。

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