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事柴さんが部室から出て来た。


明らかな仏頂面。

もとがそんなに可愛い訳じゃないから、どっちかと言うとギャグっぽい。



ひと睨みして彼女は口を開けた。




「…何の用?」






共通の話題なんてない。


捜す。ない頭を振り絞って考える。




「…下山君、いる?」


美術部の部長の事だ。

彼の話は何度か聞いたことがある。


ヘタレだの宇宙人だの。





事柴さんはきょとんとした。


「先輩?いるけど…呼ぶ?」



初めて嫌そうな顔以外の顔を見せてくれた。



なんかこう、胸が締め付けられるような感じ。



俺は笑って返事をした。


「いや、良いよ。

また明日。」









「先輩、田邉大輔って知ってます?」


「いや、知らないな…」





訳がわからない。


塾も同じじゃなさそうだし…。





そもそも何をしに来たの?





「ああーっ、もう!」


イライラしてきた。




何なの?


何をしに来たの?


部長に用はなかったの?


じゃあ、何で部室前をうろついてたの?





何で…どうしてそんな顔で私を見るの?


何の用もないのにわざわざ来て、微笑みかけてくるのはどうして?








「…わかったよ、タラシだからだ。」






でも、そんなヤツがなんとなく気になる。


そりゃそうだ。

毎日来るんだもん。




「あんたねぇ、部活は?!」


「今日はないよ」


「毎日来てるけどさ、何の用?

こっちは暇じゃなーいの。」


田邉が笑った。

「事柴さんと話したい…じゃダメ?」





顔が熱くなって来たのがわかる。


タラシなのに。



他の子にも言ってるだろうのに。







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