表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マシナリー×マジック  作者: 射月アキラ
Code4:PECHEUR
37/46

06

 ──思考しろ。

 AIと同調したブラッドの意識は、ペッシャールとの戦闘と戦闘シミュレーションを同時並行的に処理し続ける。ペッシャールの裏を突くコード・マジックを創りだす。

「……コード・マジック変更。新方式にて魔法陣を組み直せ」

口頭でコマンド。魔法陣の構築プログラムを起動し、同調リンクした脳からイメージを送信する。



   コマンドを確認_

   イメージを受理しました_

   システムを構築中***** 完了_

   コンセプト・不可避の弾幕に基づき、コード・マジックを改変します_



 電子音声が告げた直後、ブラッドの意識の片隅でAIによる試行と修正の繰り返しが報告される。

シミュレーション、エラー。

再シミュレーション、エラー。

再々シミュレーション、エラー。

 本来ならば専門の知識を持つ人間が行うべきところを、AIはその単純作業への耐性をもって克服する。秒単位で更新される新しいコード・マジックから意識を反らし、ブラッドはペッシャールとのドッグ・ファイトに集中。

 両者の戦いは、「一発も撃たない空中戦」へと様相を変えていた。共に敵の射線上に入らず、自分の射線上に敵を入れようと動いているのだからそれも当然のことで、特にブラッドがコールガと同調リンクしてからはその動きが鋭くなっている。

 射線上に敵がいないのに、機銃を撃つことに意味はない。牽制が有効な相手ではなく、そもそも一発の射撃で生じる反動すら、今の状況では命取りになる。進行方向とは逆に向かうエネルギーを生み出すことになる──つまりは減速の原因。一瞬ではあるが、致命的な隙を生み出しかねない危険な行為だ。

 だから、ブラッドはAIの仕事を待ち、ペッシャールの隙を伺い続ける。

 打ち込む一撃のために、相手の精神を削り続ける。

 最適な位置をとるために、コールガの細部にまで意識を裂く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ