表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マシナリー×マジック  作者: 射月アキラ
Code0:SWORDFISH
27/46

01

──二年前。



 また一機、ブラッドの目の前で戦闘機が爆炎に包まれながら眼下の海へと落ちていった。

 この戦闘で墜落したのは、全て友軍機だ。爆発、炎上した機体は、黒い海にとけいるようにして沈んでいく。

 周囲に明かりはない。ただ、時折瞬くマズル・フラッシュと、帝国軍機特有のブーストエンジンの燐光が空を彩っていた。

 五機で編隊を組んでいた友軍機は、自機を含めても三人に減っている。

『こちらソード・ワン! 帝国機から襲撃を受けている! 数は一、だがラ・モール(死神野郎)じゃない! 援軍が必要だ!』

 部隊長の怒声が無線から垂れ流されている。

 集中力を乱されるのを感じながらも、ブラッドは通信を開いたままで機体を操っていた。

 シリーズ・エーギルにおける最新作、メカジキ型のソードフィッシュは、ある程度の速度を出さなければ飛行が安定しない曲者だ。本来ならば不完全な反重力機能を補助するためにヒレを広げて風を掴み、空を泳ぐようにして飛ぶところを、ソードフィッシュは高速機動時にヒレをたたむ。速度と機動性を重視した、不安定さの目立つ最新機だ。

 現在、ブラッドが搭乗しているソードフィッシュはすでに戦闘モードに入っており、飛行に必要なはずのヒレはおりたたまれている。一定の速度を出し続けなければバランスを崩してそのまま墜落するような、緊張を強いられるフライト。

『何? 特徴? 前進翼のイカれた設計ってだけだ! 夜に色なんざ分か──』

 得られる情報の方が少ないと判断し、ブラッドは通信を切って怒声を遮断。

 速度を落とすことなく飛行を続けながら、さきほどまで共に編隊を組んで飛行していた部隊に目を向ける。

 残った二機は健闘しているものの、どう見てもこちら側に勝ち目はない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ