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マシナリー×マジック  作者: 射月アキラ
Code3:LEVIATHAN
21/46

03

 単刀直入な切り返しに、今度こそ閉口。口喧嘩というか、口論というか、他人を言いくるめることが得意なオペレーターに、ブラッドが勝てる道理はないのだが、いつも同じパターンだなと思わないこともない。

 ふてくされつつ、ブラッドはコールガに指示してレーダーからの情報を表示する。次いで、ステルス性の高いラ・モールに対応するためにモニタを全面表示。

 シートにもたれかかりながらも視線を走らせる。──のだが、緊張感のかけらもない暇つぶしのような索敵だった。

 その暇つぶしも、ブラッドにとっては苦痛でしかない。視界に入るのは蒼穹と白雲の帯。それらのことは嫌いではないのだが、見ている内に「飛びたい」という欲求がふつふつとわきあがってくる。

 オートパイロットモードのような無粋な方法ではなく、自分の意志で操って、自由に飛びたくなってくるのだ。

 ──意識を反らそう。

 ブラッドの思考がその結論に至るまでに、さほど時間はかからなかった。

「なぁ、アビゲイル」

『なんですか?』

「今回の作戦、参加するのは二機だけか? レヴィアタン相手に」

『火力として計算されているのは二機ですが、もう一機、先行してレヴィアタンに接近している機体があります』

 一度アビゲイルの言葉が切れ、キーボードの打鍵音が聞こえてくる。

『ステルス特化の機体、ドゥーヴァ。今回、敵座標が細かく指定されたのは、ドゥーヴァがレヴィアタンに貼りついているからです』

「へぇ……もうそいつは撤退してんのか?」

『いえ。後続機が到着するまで貼りつくか、あるいは到着後も陽動役の任につくことが多いです。今回は陽動役をするようですが──』

 打鍵音が止まった。

 わずかな沈黙ののち、アビゲイルが言葉を継ぐ。

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