表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マシナリー×マジック  作者: 射月アキラ
Code2:HIMINGLAEVA
15/46

09

「そのレヴィアタンで間違いない」

 ブラッドの問いに答え、クレイグはデスクに埋め込まれたパネルを操作する。

 呼び出されたデータは司令室中央のホログラム投影機で展開され、極細の光が戦艦の像を作り出した。

 鉛色が剥き出しのままの姿は、水棲生物をモデルとしたシリーズ・エーギルよりもよほど兵器らしい。船首上部は水を切るために鋭く、水中に沈む下部はソナーを内蔵した球状の突起が突き出ている。

 水面上の船体上部には、中央から前に伸びる二本の主砲。その下には一回り小さい副砲が備えつけられていて、左右を囲むように対空ミサイルの発射ポッドが並んでいる。

 超弩級戦艦にカテゴリされるレヴィアタンの主砲は五十二口径。他、全長や幅といった数値で示されるデータは投影されたウィンドウに収まっているが、文字通りミニチュアサイズと化した戦艦を見ても実感が湧かない。

「全長二二〇メートル、幅三二メートル……などと言うよりは、こうした方が分かりやすいかな」

 ブラッドの心中を察したように、クレイグが言う。同時、端末の操作に従って投影機がもう一つの像を結んだ。

 漆黒の亜音速機──ラ・モール。公国空軍に所属していれば一度は見ると言われている、最高の汎用性を有する帝国機が、レヴィアタンの隣に並ぶ。

 たったそれだけで、『全長二二〇メートル』という数値にリアリティが増した。コックピットから見つめ続け、追い続けてきた敵機の大きさは、下手をすると頻繁に変化する自機よりも分かりやすい。

「いい標的に見えるか?」

「……当てやすそうではありますね」

 しかして、二二〇メートルの巨体に対し、ブラッドが感じたのは畏怖ではない。言葉を選んではいるものの、その口調に恐怖の感情は含まれていない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ