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マシナリー×マジック  作者: 射月アキラ
Code2:HIMINGLAEVA
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07

 壁に背をつけて軽く俯いているため、その表情をうかがい知ることはできない。掘りの浅い顔立ちや色素が濃い割に柔らかい毛質を見るに、東方の国の血を引いているとは思われる……のだが、ブラッド自身、その判断に確信を持てているわけではない。

 現在、大陸のほとんどは帝国によって支配されている。コールガのテストフライト中、攻撃を仕掛けてきた黒の亜音速機ラ・モールも、帝国軍によって開発された戦闘機だ。

 圧倒的国力をもって、世界を支配し続けてきた帝国。それに対する「反撃の手段」を手に入れたのが、ブラッドの属している公国だ。

 反重力機能を搭載した、シリーズ・エーギル。

 魔力を使用して形勢逆転を可能にする、『波の乙女計画』。

 帝国に対する抵抗手段を持っている公国は、軍事国家の支配に抗いたい人々にとっての希望でもあった。武力はなくとも、抵抗の意志を持ち続けている人間ならばどこにでもいる。

 故に、帝国に追われている反逆者や、帝国支配を抜け出そうとした難民が、公国に流れ着くことは珍しくない。しかし、それも近隣からの流入であって、大陸西端に位置する公国に大陸東部──東方と呼ばれる地域の人間が辿り着ける可能性は極めて低い。伴って、公国人が東方出身者を見る機会も少ない。

 そうなってしまうのは、移動距離が長く、亡命にかかる所要時間も長くなることが理由の一つに上げられるが──もう一つ。どうしても避けられない問題が、容姿の違いである。

 一目で「余所者」と知られてしまう姿をしていれば、亡命未遂者であると疑われてマークされる可能性は自然と高くなる。一度世界の覇者となった帝国は特に支配欲が強く、公国のことも「反乱軍」と称して独立を認めていないほどだ。亡命者に対する取り締まりはもちろん厳しい。

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