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運転手さん曰く目的地は、当然(?)教習所。
貴重品以外の荷物は受付にロッカーがありそこに預け、学校の教室みたいな部屋に案内された。
どうやら今日の入校者は、私と彼ら三人だけらしい。
所長さんが来るのを待って入校式。
がんばって、みたいな話だけで五分で終了。
式って着くのでこんなに早いの初めてかも(笑)
で、すぐに講義。
まぁ、そうよね。
必要日数分のホテル代は料金に含まれるけど、それ以上は教習所の負担。
だからこそ、短期間で取れるんだろうけど…
「今日から運転ですか…」
思わず溜め息と共に溢れたセリフに
「だよな」
と聡くん…長谷川聡くん(連絡先は交換済)が返してくれた。
今日入校者が少なかったのは、昨日近くの専門学校が斡旋して、来てたから団体さんがいらしているから、らしい。
だから、合宿での受け入れの空きがもう無くいみたい。
で、なぜ聡くんしか反応しないかと言うと…
配車の都合で他の二人は今まさに運転中だから。
「不安?」
よたよたと走る車を眺めながら、聡くんが聞いてきた。
「不安と言うより…本当に詰め込むんだなーと実感してるとこ」
ホントは、緊張してるけどここは年上らしいとこみせとかないと(笑)
「確かにな」
それっきり沈黙が降りてくる。
強がりばれたかな…?とそっとうかがい見ると真剣な眼差しは、よたよた運転の車に注がれていた。
それを見た瞬間。
ことり
恋に落ちた音がした。