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駅からは、教習所のマイクロバスが迎えに来てくれてた。
が、反対の方面から来る人を待つらしく30分ほど待つようだ。
運転手さんの勧めもあり、荷物を預け辺りを散策することにした。
そこそこ有名な温泉地の最寄りの駅。
30分くらいの時間が潰せそうな感じに駅のテナントは、入ってる。
そう言えば、グロスがなくなりそうなんだった。
今使ってるのは、廃盤になったんだよね。
ドラックストアを見つけて物色。
口紅もそうだけど、唇に色を乗せるグロスって自分に似合う色を見つけるのって難しい。
「この桜色が似合うと思いますよ」
突如後ろの上の方から声が降ってきた。
振り返ると高校生ぐらいの男の子が立っている。
どう答えようか悩んでると
「さーとーるー?」
少し離れた場所に数人の男の子に声をかけてきた男の子が呼ばれたらしい。
「待てよー!!」
友人たちに返事し、さとると呼ばれた彼は、もう一度言う。
「桜色、きっと似合います。僕が保証します。」
今度は爽やかな笑顔付き。
「聡!バスが来てるから、早く来い!!」
それじゃと言い立ち去って行く彼を見送りふと時計を見る。
「やばっっ」
約束の時間は五分ほど前に過ぎていた。