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7話 なんだかすごいことになっちゃったぞ

 サンマイト遺跡40F。


シエル「死ぬかと思いました……」


Gilly「お疲れさん!赤石を遺跡の前の兵士に渡せばクエスト達成だ!」


 煙幕花火の数はギリギリだった。むしろちょっと足りなかった。足りない部分は勇気で補い、俺達は今来た道を戻り計20階分を走破したのだ。ボス戦回避できるからシーフって楽だな、なんて少しでも思ってごめんなさい。非常に心臓に悪い1時間でした。


シエル「道を戻るとか最初に言ってくださいよ……」


Gilly「言わなかったっけ?」


シエル「ログ見てください」


Gilly「まぁまぁ結果オーライと言うことで」


 俺達は40Fからショートカットを使い、遺跡の入り口まで難なく戻る。「ミュールの赤石」を兵士に手渡すとクエスト達成の文字が俺の画面にも流れる。

 何より経験値ボーナスがすごい。ノーダメージボーナス、ノーミスボーナス……こんなの取れるの最初のダンジョンくらいだよ。なんだよノーキルボーナスって、聞いたこと無いぞ。誰も気づかないし、やろうとしないっつーの。

 ……うわぁ、レベルが22まで上がってやんの。ナンテコッタイ。新しいクエストもいくつか開放。だけどしばらくはお世話にならなそうだ。


Gilly「流石にパーフェクトスニーキングボーナスはきつかったか。これからまた戦略を練り直さんとなぁ」


 要は魔物に一匹も気づかれずにって奴ですか。でもこの人だったらやりかねない。今回も俺が大分足引っ張っていた感じだし。


Gilly「ほれ、報酬の半分だ。煙幕花火の分をしょっぴかせて貰ってるけどな」


『Gillyはシエルに20万Gを渡した!』


 半端ないな。今までの総獲得Gを余裕でぶっちぎってるし。確かクエスト報酬は50万Gだった気がするけど、俺は実際この人に便乗しただけだし、これだけ貰えるだけでも僥倖だ。


 一度限りのクエストも、クリアしていないメンバーがいればそれに便乗して参加することが出来る。まぁ高いレベルになるとみんなでクリアしないと進めないから、新しく始めた人用の救済システムだと思っていたのだが。この分だと、これからも遺跡40~50階層にはお世話になるだろうな。結構先の話になるけど。


Gilly「じゃあ、俺はこの辺で。また面白そうなクエスト見つけたら誘うよ」


シエル「よろしくお願いします! 今日は本当にお世話になりました!」


Gilly「おう、煙幕花火の事は内緒にしてくれよ。んじゃまたな」


 そう言って彼はそのままログアウトする。俺はしばらくの間、キーボードから手を離し心地よい脱力感に身を委ねていた。……あ、さっきの人たちだ。



Harida「ドラゴナイトは計算外だったなー」


レーベン「ボスだけいきなり火属性とか、製作者ドSすぎる……」


夕凪「途中までは状態異常攻撃の敵がメインだったんでしょ?」


櫛坊主「ドラゴナイトは魔法がほとんど聞かねぇんだよ。ファイターの数がいないと無理」


レーベン「雑魚にはソーサラー必須だけど、ボス戦になると途端に空気になったな」


れんちぇふ「つかアーチャーも空気じゃね?」


櫛坊主「いや雑魚戦には間違いなくいるだろJK」


夕凪「今から攻略サイトに書きこんできますノシ」


櫛坊主「編集員乙」


レーベン「先駆者は大変だぜまったく」


Harida「40Fの壁は厚いな……いよいよ10人協力プレイを開放する時が来たか……」


ぱる「ADSLの俺に酷な事言わないでくれ……(´・ω・`)」



 ……ほんと、凄いことやっちゃたんだな俺ら。たかがゲームの世界だって? 現実に生きていてもこんな充実感なかなかねぇよ。

 とにかく今日は疲れた。夜中3時半か……目も痛いしもう寝よう。


 俺はログアウトしてパソコンの電源を落としそのまま眠りにつく。

 あ、歯磨かなきゃ……いいや、面倒くさい。


 とにかく今日も平和な就寝を。

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