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11話 ゲームの中でも人脈は重要です

 午後11時13分。ログイン成功。


 他のパーティーメンバーの状況も見たけど町にはいないようだしログイン出来てないか、ダンジョン行ってるかだな。ようし、心置きなく行きましょう。



 In モナドの酒場


シエル(Lv.22 ソーサラー)「本当に私なんかが参加して大丈夫なんですか?」


×ぽん(Lv.35 プリースト)「ちょうどソーサラーの人が来れなくなったんでこっちとしても助かりますよ」


Aselia(Lv.38 ファイター)「ファイヤーウォールWがあればなんとかなる!(キリッ」



 ……うん、想像以上にレベル高いぞこのパーティー。レベル30越えの人は少なくとも賞金目当てで入って来た新参ではないだろうし、寧ろかなりやり込んでる部類だ。このゲームはレベル10が一つの壁になっているからな。町で見かけるキャラの約3分の1以上がレベル10以下だ。伊藤くん、君をちょっと誤解していたようだ。反省します。



如月由眞(Lv.32 アーチャー)「そう言えばサイトさんは?」



 サイトさんという人はこのパーティーのリーダ格。既にレベル50に手が届きかけており、仲間内からもはや化け物通り越して廃人だとまで言われている。



×ぽん「ソロで挑むクエストあるから先にそっち行ってくるって言ってたけど」


Aselia「相変わらずだな、あの人は」



 サイトさん…… また一人、規格外の人と組むわけか。とか何とか言ってるけど他3人も相当強い部類だぞ。さっきから何度も他の人から話しかけられている。


 どうやら新参用の攻略掲示板でゲーム序盤に手っ取り早くレベルを上げるコツが議論されていたらしい。で、そこから伝播したのが、レベルの高い人をパーティーに迎える、もしくはくっ付いて行く、という方法だ。このゲームはダンジョン内であれば敵を倒した時の経験値はパーティ全員に与えられるので、始めから難易度の高いダンジョンで、レベル高い人に戦いを任せておけば苦せずして大量に経験値を稼ぐことが出来るわけだ。当然その話を聞いた金目当ての豚共が馬鹿の一つ覚えのように実践するわけで。


 元々このゲームはその難易度の高さで序盤に投げ出す人も多く、このままの調整だとマニアにしかウケないぞと、稼働初期から言われているくらいのバランスなのだ。しかも本稼働まで課金システムは実装されないらしい。そのことが初心者をより自重出来なくさせた。


 おかげさまで俺も彼らと合流するまでに何度もパーティーのお誘いを受けた。レベル20台も結構高い部類に入るからな。もちろん全無視。お断りします(AA略)

 古参用掲示板には、少なくともクエスト期間終了までは、レベルが10以下、もしくは自分とレベルが10以上離れている奴から声をかけられても一切相手にするなとまで書かれている。全ての人がそうだとは思わないが、昼間のビッチ共のような奴らが多くいることは確かなのだ。



Aselia「あー さっきから新参どもがうぜー」


如月由眞「これも金の力ですかねー」


シエル「これだけレベルが離れた人に対して、パーティに加えてくださいとか普通言えませんよ…… 話しかけるのも怖いのに……」


×ぽん「禁止されている行為では無いですけど、本来は自重するはずですからね」


 足手まといにしかならないって解かり切っているなら、そこに暗黙の了解が生まれる。本来は俺がこの輪の中にいるのもおこがましいくらいなのだ。ファイヤーウォールWが使えるのと、メンバーの如月(=伊藤)のリア友だからたまたま入れて貰っているのに。

 なんでゲームの中でまで、人の醜さを見せつけられなければならないのだ。



サイト(Lv.50 ファイター)「おまたせー!」


×ぽん「とうとう50の大台に乗っちゃったよこの人!」


Aselia「廃人乙!」


如月由眞「早速行きましょう! リア友のソーサラーも連れてきました!」


シエル「足引っ張るかもしれないけどよろしくお願いします!」


サイト「よろしく!」

 


 久々のフルメンバーでのダンジョンだ。あれ? 昨日出来なかっただけか? まぁいいや。Gillyさんの時のような刺激に満ち溢れたものにはならないだろうけど、これはこれで十分に楽しいのだ。……そう言えばGillyさん、今何やってるかのなぁ。

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