最初が肝心だから
短いです
「私が婿入りしないと跡を継げないんだから、私の方が立場が上だと分からせないと」
と、婚約者が友人達と話しているのを聞いた。
「分からせようぜ」
「『お前を愛するつもりはない!』って初夜に言うんだよ」
「面白そう!」
「何も言えないんだから、浮気し放題だぜ!」
「最高だな!」
「最初が肝心だからな」
それから、婚約者は更に浮気しまくった。
「こっちも愛するつもりは無いわよ」
私は侯爵家の長女。
婿入りのくせに。
選ぶのはこちらだ。
分からせよう。倍返しだ。
「最初が肝心だからね」
奴には何もさせなかった。
後継者教育や引き継ぎもさせなかった。
交流のお茶会をしようとしても来ないから、気付かれないようにお茶会の期間を伸ばして、会わないようにした。
夜会に2人で招待されても、私をエスコートしないで、他の令嬢をエスコートしていた。
浮気の証拠を集める。
そして、両家の両親を連れて浮気現場へ突入。
「なんてことをしたんだバカ息子!」
「最低!」
「婚約は破棄させてもらう!」
「援助も無しね」
互いの両親達が言う。
「私が婿入りしないと、お前は跡を継げないんだぞ!」
と、婚約者は宣った。
「婿入りしたい人は、貴方だけじゃないのよ」
私は嘲笑った。
「は!?」
「貴方、後継者教育を何も受けていない事に気付かなかったの?」
「え?」
「婚約者というだけで偉そうにして、領地経営なんて何の勉強もしてないのに、婿入りできると思っているの?」
「え?ちょ…」
やっと、自分の立場を分かったらしい。
婿入りできない。
自分は選ぶ立場ではなく、選ばれなければ婿入りできないのだと。
「浮気男とは婚約破棄します。貴方有責ね。慰謝料よろしく」
「は!?」
「貴方みたいな頭空っぽ浮気男ではなく、優秀な男に婿入りしてもらうに決まっているじゃない」
「え?」
「『お前を愛するつもりはない』?私だって貴方を愛するつもりはないわよ!」
「な…」
自分の言った事を思い出した?
「さようなら。2度と私の前に現れないでね」
「ま…待ってくれ!」
「お前は最低だ!領地に閉じ込めてやる!」
元婚約者は、両親から領地の邸に閉じ込められて、世間から忘れ去られた。
私は宣言通り、優秀な婿を迎えた。
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