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蓮花祝の大権現   作者: 終わり
49/51

四十九話 海亀のスープ 6

ノア・フォン・レーベルク

 25歳 167cm 52kg アクサ軍 少将 

 軍学校を主席で卒業した他、全ての戦場において圧倒的な実力を残したことから、若くして少将の位置に昇進する。その能力、ストイックさ、高貴な雰囲気で、周囲からは畏敬の念を持たれている。

 

ユリアン・ルーカス・ゲオルク・フォン・オルデンブルク

 32歳 192cm 75kg アクサ軍 中佐

 オルデンブルク家の長女。軍学校を好成績で卒業し、中佐の位置にまで昇進した。名家の長女として、家から家系の名誉を汚さぬような活躍を求められており、そのため規律に厳しく、頑固な面がある。


アレクサンドラ・フォン・ビスマルク

 32歳 180cm 75kg アクサ軍 少尉

 ビスマルク家次女。軍学校を主席で卒業し、独創的な天才として知られていたが、“ある事件”をきっかけに、出世ルートからは外れることとなった。今では軍の規律を守らぬ不届きものとして度々問題になっているが、部下や直接接する人間からの信頼は厚い。

 

エリザベート・テレーゼ・フォン・バーデン

 18歳 174cm 47kg アクサ国立士官学校一年 士官候補生

 バーデン家三女。今春、士官学校に入学した。その愛嬌とコミュニケーション能力で、あらゆる部署・人間と知り合い、仲良くなれるという特技を持っている。その人間関係の中には、謎が多く孤高を保つノア・フォン・レーベルクも含まれると噂されている。

 

ソフィア・マリア・エリザベート・アウグスタ・フォン・アルコン

 12歳 144cm 37kg アクサ国立士官予備学校一年 士官候補生

 名家アルコン家の第十三子。末子とはいえアルコン家の本家の人間であるため、規律ある振る舞いが求められている。まだ年齢も低く実力もないため、より安全な雪中訓練を求め、本家から最大限の配慮を求められている。


 アルベルト・ミューラー

 22歳 177cm 70kg スヴィ国立ホルン大学工学部4回生

 スヴィの名門ホルン大学の4回生。スヴィのLSC(レベルシステムカリキュラム。レベルを上げ、能力を高めるカリキュラム)に特待生として参加した他、ホルン大学でも能力を高く買われ、大学生にして研究に参加し論文をいくつか発表している。趣味として、とある男性アイドルのファンをしている。二人とは知己。


 カヤ・フーバ

 22歳 153cm 42kg スヴィ国立ホルン大学理学部4回生

 スヴィの名門ホルン大学の4回生。同じくLSCにも参加し、ホルン大学にも在学しているが、成績は芳しくない。特に学業成績は低く、ホルン大学では度々留年の危機に陥っている。二人とは知己。


 ミカ・アシュリマン

 22歳 170cm 65kg スヴィ国立ホルン大学理学部4回生

 スヴィの名門ホルン大学の4回生。同じくLSCにも参加している。アルベルトほどの成績ではないものの、実力は高く評価されることが多い。二人とは知己。



 もみじは、懐から大柄の中華包丁を取り出した。その刀身には、赤い液体がべっとりと付着している。


 それを構え、急激に突進してくる。


 高速で近づき、一振りする。わたしは紙一重で回避したな、よく研がれており、一瞬接触しただけで肌が切れる。軌道上に位置する岩はまるでバターのように容易に切り裂かれた。


 「ああああ!!」


 そのもみじに死角からグラントが近寄り、ハンマーを振りかぶって殴る。


 もみじは、全くモーションを示さずに、体全体を動かして回避する。そしてその直後、忽然と消失する。

 

 「逃げた!?」


 グラントがそれに反応して追おうとしたが、それは肩を掴んで止める。


 その瞬間近くの岩の影から包丁が飛び出してくる。その軌道は、グラントの顔面のすぐ近くを通過し、皮膚を一枚切った。


 そのままわたしが刀を構えそちらの方に注意を向けると、もみじはまた退いてどこかへ向かう。


 さっき、一瞬だがあの岩の影に隠れるのが見えたんだ。おそらく、もみじはあの圧倒的な速度でわたしたちが見えないところから一瞬だけ飛び出してくるのだろう。だから、隠れられるものがたくさんあるところにいると危ない。


 それに加え、わたしとグラントで背中合わせになる。これならどっちからきても対応できるだろう。


 しかし、もみじの攻撃方法をを考えると、この場所は最悪だ。四方を岩やら茂みやらに囲まれていて、どこからもみじがくるかわからない。

 

 そう警戒している間にも、もう一度やってくる。


 背中合わせにしたのが功を奏して、わたしの目の前に向かってもみじは走りより、包丁を大きく振るう。わたしがそれになんとか刀を合わせて弾くと、また消えていってしまった。


 

 


 




 

 となれば。


 手元に火球を形成させ、目の前に放つ。


 それの火力を中心に集め、茂みに届いたタイミングで激しい燃焼を起こし、周囲の全てを吹き飛ばす。


 爆風を利用した、【火魔法】だ。といっても威力は無くて地形破壊に特化したものだが……。


 茂みたちに、数メートルほどの隙間ができる。あそこを通れば、近くに隠れられるような場所は無い。


 茂みにできた隙間に向かって走る。グラント、一瞬であそこを走り抜けるぞ!



 ……

 

 グラント…?


 わたしの発言に返事がないことを不思議に思って後ろを振り返ると、さっきまでいた茂みの中心にグラントはうずくまっていた。


 「全員が後ろを向けちゃダメでしょ……誰かはどっかを見てないと……」


 グラントが脱出しようとした際に転ばせたのか。


 もみじは、グラントに歩みより、鉈を振り上げ………


 



 その瞬間、鉈が止まる。もみじは、鉈どころか、全身指一本たりとも動かせないようだ。なんちゃって。誘き寄せたんだよ。これは、そう……


 わたしの【氷魔法】だ。


 氷結は、すでに葛城の胸元まで届いている。グラントに近づけば発動するように仕掛けておいたんだ。


 氷結は両手両足で、首から上は凍らせない。このまま縛り上げて地上に帰し、冒険者殺人の罪で裁きを受けてもらおう。

 

 「いや、不可能だね。」


 は?なぜ……

 

 葛城の唐突な発言に視線を向けると、葛城の体は、徐々に崩壊していた。


 え……【氷魔法】、そんなに威力があったのか。殺すつもりはなかったのに。


 「いや、そういうわけじゃないよ。私は単に、ストーリー上“凍死”に弱いんだ。」


 ストーリー?何を言っているんだ?


 「私を構築するストーリー。【雪深い山中】に【小屋】を構え、【旅人】を殺す。【山姥】の伝承だ。楽しんでいただけたかな?」


 理解が全く追いつかない。一体何を言っているんだ?


 「魔脈に入った誰かさんの【怪談】から生まれた私だが、まあ役割は十分に果たせたかな。私はこのまま死ぬ。せいぜい生き延びるんだな。」

 

 もみじの崩壊は首元まで進み、頭部まで完全に破壊された。


 

 

――――――――――――――――――――――――


 とあるところに、二人で住んでいる親子がいた。


 母親と娘の二人暮らし。父親は早くに亡くなってしまい、父親がこなしていた山小屋の番人の役目を親子二人でなんとか継いで、暮らしていた。

 

 そんな中、母親が病気にかかってしまった。流行りの肺病で、往診の医師に診てもらったが、母親の病気は悪化するばかりであった。


 そうなってからは山小屋業もままならず、ためていた食料と貯蓄を食い潰して凌いでいたが、時間の問題であった。


 ある時、娘はとある刷物を見かけた。旅人が昔置いて行ったのだ。二人暮らしで母親も病気なので、希少な娯楽として娘は喜んで読んでいた。


『雪男の肝、探索隊結成 七人の英雄現る』


 その記事に書いてあった文章。


 『雪男の肝は、万病を治す霊薬である』


 いくらか難しい単語は読解できなかったが、その一つだけは理解することができた。

 

 それからしばらくして、親子の家に、一人の客が現れた。


 その男は長身で、衣服のあらゆる部分が凍りついており、顔はひどく憔悴していた。そして、六つの荷物を持っていた。その男は、雪男の探索隊だと名乗った。


 男は山小屋の番人をしているのが年端もいかない少女であることにおどろき尋ねると、母親は病気であるため自身が代行すると言っていたので、得心がいったようだった。

 

 男は、山小屋の入り口付近に案内された。テラス席のようで少し不審に思ったが、娘が中は少し用意ができていない、時間を置いて中に入れると言っているので、仕方なくその席に座った。


 その男は、娘が用意したためか、やや拙い食事を摂ろうと娘から視線を外した。その瞬間、その男の意識は途絶えた。


 娘は、入り口の汚れを、雪を使って綺麗に掃除し、その体を引きずって入り口から出し、雪に埋めた。


 その荷物を確認すると、その中には動物の死体が入っていた。六つあったが、ひどく凍りついていて区別がつかなかったため、適当に一つ選んだ。


 娘はその臓腑を切り出し、大鍋に入れて煮込み、母親に食べさせた。


 娘は、その後も毎食、それを食べさせ続けた。


 それを続けたある日、肝の残りが少なくなっていることに気づく。母親の病気は全く治っておらず、娘は焦り、さらに雪男の肝を手に入れるべく考えた。


 その時、以前埋めた雪男捜索隊の男に気がつく。そういえばあれは、雪男に非常に類似していた。









 とある雪国の王は、持病に悩んでいたため雪男の肝を求めていた。そのため、最も信頼していた、長身の側近に命じて雪男を捜索させたが、成果は一向になかった。


 そこで、雪男の肝を所有しているという娘が市井にいるという噂を聞く。


 王は、その娘を饗宴に招聘した。





 男は、ある人間に非常に高価な料理を注文した。しばらく後、男が食べているのは男が注文した人間だった。なぜか?



――――――――――――――――――――――――


 祝子たちは帰宅する前に山小屋に戻った。自分の部屋を片付けて帰ろうとすると、今まで気づかなかった離れがあることに気づいた。


 戸を開けると、そこには白骨化した死体が布団に横たわっていた。寝室は綺麗に清掃されており、枕元には花が生けられていた。


 





 

ノア・フォン・レーベルク

 25歳 167cm 52kg

 真名:ノア・シュミット

 アクサの鍛冶屋の末子。異常な身体能力を持っているところをレーベルク家に発見され、養子として迎え入れられた。英才教育により軍隊で使用する技術を高め、結果として軍での極めて高い地位を獲得したが、その環境により人とまともな関係を築くことができなくなってしまった。人と分け隔てなく接するエリザベートとの接触により初めて友人ができたと感じたが、最近になって避けられていることを非常に気にしている。

 

ユリアン・ルーカス・ゲオルク・フォン・オルデンブルク

 32歳 192cm 75kg

 3年前の戦争により中佐に昇進した。その戦争で任を負っていた自分の部下が途中で致命傷を負ってしまったが、それを致命傷だと判断して見捨て、結果大きい功績を残した。その時、ノアとアレクサンドラに目撃されたのではないかと疑っており、また更にノアは自身よりさらに昇進し上司となり、アレクサンドラは自身の部下となったことから、上と下、どちらから自身の責任を追及されるか常に怯えている。

 

アレクサンドラ・フォン・ビスマルク

 32歳 180cm 75kg

 軍学校を主席で卒業した。在学時はユリアンのことを若干見下していたが、3年前の戦争のユリアンの非情な判断力を目撃師、高い前線能力を持つ自分でなく、ノアでもなく、指揮官として高い能力を持つユリアンが軍の大将になるべきだという考えを持つようになり、以後自身は昇進せず、ユリアンをサポートすることに専念している。ユリアンがする命令に部下が不満を溜めないよう、部下の気持ちには最大限気を払っている。 

 

エリザベート・テレーゼ・フォン・バーデン

 18歳 174cm 47kg アクサ軍立 士官候補生

 幼少期に激しいいじめに合い、そのことから他人との不和に対して激しい拒否反応を示す。そのために、高いコミュニケーション能力を身につけ、他人から自分へ立ち入ることを拒否しつつ良好な関係を築くすべを身につけた。腹部に後遺症が残っており、そこに触られると激しい反応を示してしまう。ノアがなぜか自分を気に入っているようで、不思議に思っている。

 

ソフィア・マリア・エリザベート・アウグスタ・フォン・アルコン

 12歳 144cm 37kg アクサ軍立 士官候補生

 名家アルコン家の第十三子。末子とはいえアルコン家の本家の人間であるため、規律ある振る舞いが求められている。アクサ軍閥にはアルコン家一派ともう一つ、オーエン家一派が存在しており、その陰謀によりノア、ユリアンといった新参の派閥に属するものがソフィアたちのパーティに組み込まれた。


 アルベルト・ミューラー

 22歳 177cm 70kg

 LSC、ホルン大学での特待生としての生活で二人とはいくらかの期間顔を合わせなかった。その結果、二人と距離感が生じてしまい焦るも、()()()()()()を目にしてしまい、絶望する。この関係を元に戻すべく様々な企画を模索する。今回の旅行はその一環。


 カヤ・フーバ

 22歳 153cm 42kg

 同性愛者。ミカと付き合っている。


 ミカ・アシュリマン

 22歳 170cm 65kg

 同性愛者。カヤと付き合っている。


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