第26章 ― 宇宙を引き裂く衝撃
女王は惑星から跳躍した。
初動の衝撃はあまりにも激烈で、彼女の下にあった世界はひび割れ、系全体を貫く重力波を解き放った。それはまるで悲鳴のようだった。
空中で、クララ・コズミアは巨躯の一部を振り上げた。左の前肢は巨大な拳のように握り締められ、殺意を込めて後方へ引かれていた。
同時に、ケルベロスも前進した。
彼のオーラは赤と黒が混じり合い、崩壊寸前の物質のように不安定だった。左腕を後方へ引き、全身がただ一つの破壊ベクトルへと整えられる。
二人は激突した。
拳と拳。
衝突は音を生まなかった――局所的なビッグバンを生んだ。
下方の虚無は裂け、空間は膨張し、原初の爆発が二人の間に生まれ、光とエネルギー、そして現実の断片を四方八方へと押し出した。
ケルベロスは弾き飛ばされ、異常な速度で回転しながら後退した。
女王は即座に反応し、巨大な尾を宇宙の鞭のように振るい、彼を叩き潰そうとした。
ケルベロスはその隙を突いた。
彼は尾の上に着地した。
そして――走った。
足は鱗に覆われた表面を、まるで固い地面のように踏みしめる。
ほんの一瞬で数キロメートルを駆け抜け、身体を前傾させ、不可能な速度で空間を切り裂いた。
跳躍し、女王の背後に現れる。
クララは察知した。
四枚の巨大な翼が力強く閉じられ、すべてを押し潰そうとするように、まるで地殻プレートがぶつかり合うかのように圧縮された。
彼女は笑った。
「お前は私の相手ではない、ケルベロス」
その笑いは途切れた。
ケルベロスはそこにいた。
両腕を伸ばし、翼を掴んでいた。
「……待て……」
ケルベロスの筋肉が収縮した。
金属の爪が食い込み、両手が閉じられる。
そして――身体を回転させた。
不可能が起きた。
女王の巨大な身体が、ケルベロスの絶対的な力に引きずられ、共に回転し始めたのだ。
星々までもが彼女と共に回っているかのようだった。
空間の軸が歪む。
そして最後の動きとともに、ケルベロスはクララを前方へ投げ放った。
彼女は神の投射体のように宇宙を貫き、恒星へと激突した。
爆発は眩かった。
白光。
プラズマ。
衝撃波。
恒星は激しい噴出を起こした――だが、クララは墜ちなかった。
彼女は咆哮した。
翼を打ち、巨大な身体を安定させ、再び突進する。
その怒りはもはや純粋で、絶対的だった。
ケルベロスも応えた。
彼は咆哮した――悪魔的な咆哮が、遥かな星々を震わせ、宇宙の周波数を変調させた。
ためらいなく、一直線に突進する。
二人は正面から衝突した。
その衝撃は、赤と黒が混じり合った混成エネルギーの光線を生み、
見えない刃で宇宙の布を切り裂いたかのように、空間の一帯を引き裂いた。
ケルベロスは消えた。
そして、女王の顔の左側に出現した。
そして――殴った。
一撃は巨大な頭部を左へと逸らした。
だが、それだけではなかった。
力は空間を貫通した。
二つの銀河が真っ二つに切り裂かれ、
拡大し続ける光の傷跡によって分断された。
クララは咆哮した。
怒りは完全に制御を失っていた。
「ケルベロス、このクソ野郎!」
彼女の背から、エネルギーの奔流が四方へと爆発した。
世界を切り裂き、月を砕き、近距離にある恒星系を次々と破壊する。
ケルベロスは動かなかった。
四つの赤い眼が、彼女を捉え続ける。
やがて、彼はゆっくりと頭を左に傾けた。
そして――笑った。
不穏で、残酷な笑み。
それは戦争の本当の顔だった。
ケルベロスはテレポートした。
放たれたエネルギーの一つの前に現れ、
爪でそれを掴み、女王へと投げ返した。
爆発がクララの巨大な身体を包み込み、
鱗を引き裂き、宇宙的な物質を破壊した。
彼女はまだ生きていた。
だが、何かが変わった。
クララ・コズミアは動きを止めた。
怒りは、最終的な決断へと変わった。
「もういい……」
彼女は唸った。
「すべてを焼き尽くす」
彼女は口を開いた。
その内部で、これまでに見たことのないほど濃密な破壊エネルギーが蓄積され始める。
周囲の空間は歪み、まるで宇宙そのものが逃げようとしているかのようだった。
ケルベロスは見つめていた。
動かずに。
真の殲滅が
今、解き放たれようとしていた。
次の章へ続く。




