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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

痛みを感じない病気の男とその子供

作者: ヒロモト

シンジ。これが痛みだよ。

医者として兄として僕は君に教えなくてはいけない。

爪を剥がされ痛いだろ?骨を折られるのは痛いだろ?分かるかい?次は股間を蹴ってみよう。

ここは痛いよ。痛みが強すぎて死ぬ人もいるぐらいだ。

ああ。もう白衣が真っ赤だよ。


「んー!!」


ガームテープで口を塞がれ、裸で椅子に縛られているシンジは泣いていた。

痛みを感じない『無痛症』?なんて残酷な病気だ。

痛みを感じずに生き『いつか無痛症が治り、痛みが来る恐怖に怯える』

痛みを知らないと人は人に優しくなれない。

無痛症の人間ってのは『他者が痛がるのを見て擬似的に痛みを感じる』という悪魔の様な遊びをする。

シンジ。

痛みはどうだい?辛いだろ?グロテスクだろ?君は他者に『これ』を与えてはいけないよ。

『これ』で我慢しなさい。

『これ』で最後だよ?


じゃあ次は膝を砕いてみよう。




神木医師のインタビュー。





兄は元医師でした。

そして元快楽殺人者であり元無痛症です。

信じてもらえないでしょうが僕にはとても優しい兄だったんです。

『他者が痛みを感じるのを見て痛みを擬似的に感じて楽しむ』ってのはいい得て妙。

僕もそうでした。

虫を殺したり魚を殺したり。

あのままなら僕の興味は最後には人間に向けられていたでしょうね……。

兄に叱られたのは僕が猫を捕まえて地下で痛めつけようとした時です。

服を脱がされ椅子に縛り上げられました。

兄は僕を拷問しました。

そして同じ拷問を自らに……。

……痛みってのが分かりましたねぇ。

もちろんその時の僕に痛覚は無かったんですけど。

兄は『元無痛症』。あの時は痛みがあったんですから。そりゃあもう苦しそうでしたね。痛そうでしたね。

兄の痛がり方を見て僕は痛みを他者に与えてはいけない。

痛みを取り除いてあげる者にならなくてはと思いましたよ。


兄は自分と同じ過ちを僕に犯してほしくなかった。やり方が問題でしたがね。感謝していますよ。


いたた。僕も今では元無痛症。最近寒くなりましたね。この季節になると兄に砕かれた膝が痛むのなんの。

じゃあ僕は研究に戻りますわ。


※神木シンジ医師の御子息も無痛症である。

神木家特の遺伝なのだろうか?


神木医師は無痛症の即効性の薬の開発を急いでいる。










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