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【眞守り人としての目覚め】

『神遣士を守る。それが僕の使命。だから莉羽を護った。』って。


それでお母さん、家に帰ってから凱の記憶を呼び戻すよう力を使ったの。でも、その記憶は、まだ5歳の子供が抱えるにはとても酷だったわ。だからそのあと、神遣士である「莉羽を守る」使命だけを意識の中に残し、その他の記憶は消したの。


 それからよ、凱をあなたの夢の中に同行させるようにしたのは…。全ては神遣士である、あなたを守るため。だから、凱はあなたと全てを共有しているわ。今の凱は、抜け落ちていた記憶もほぼ呼び戻して、バートラルとしての運命を歩み始めた。これからずっと、必ず(・・)、凱はあなたを守ってくれる。だからあなたはそれを信じて、凱と共に神遣士として歩いてほしいの。」


「でも…。」私は、突然の告白に混乱し、何も考えられなくなる。


「お母さん、ごめんなさい。今の話を聞いても何の実感もないし、どうしたらいいかもわからない。何もできない。でも…、凱を危険な目に合わせるのだけは嫌。」凱は私の肩に手を置き、


「お前のその不安は分かる。でも大丈夫だ。俺は強い。だから俺を信じろ。」凱の瞳の奥に、固い意志を感じる。


「今、この世界に起きていることは、お母さんが統治していた世界では起きなかった事ばかり。一体誰が何の目的で、この世界の平和を壊そうとしているか分からないし、その者たちがどれだけの力を持っているかもわからない。人を拉致していること。石のこと。魔導書のこと。異能力者のこと。この5つの世界で何が起きようとしているか分からない。


 でもあなたは、この世界の神遣士。この5つの世界を救うことができるのは、あなたしかいない。酷なことを言っているのは重々承知しているわ。でも考えてほしい。自分がどうすべきかを…。」母はそう言うと、まだ16の娘に重責を負わせなけらばならない事態に耐え切れず、その場で泣き崩れてしまう。


私は、母の心情を察し、

「分かったよ…、お母さん。今は何が何だかわからないし、どうすべきかもわからない…。ごめんね、お母さん。少し時間を頂戴。1人で考えたい。」私はそう言い残し、何とも言えない気持ちの重さを抱えながら部屋を後にする。



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