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環境回生~蘇る原始の大地~

ファータ、イザーク村の地割れが起きた現場に突如現れた「流天力渦」の巨大な柱。


その中心にいるのは12支人の1人ヴァランティーヌ。


彼女は、ラーニーの指示通り、ナータンに集められたエネルギーをファータに注ぎこみ、また同時にファータの人々をナータンに送り込み、エネルギーを吸いとっている。そしてナータンから流れてきたエネルギーを自らの祈りによって、人造人間を作りだしている。


ヴァランティーヌは柱の中にある楕円形の透明のカプセルの中に入り、両手で膝を抱え、うずくまる様な態勢で、まるで無重力空間にいるかのように浮いている。目は瞑ってはいるが全てが見えているのか、目の前に現れたコンラードに話しかける。


「来たわね…。コンラード。残念だけど…、今日があなたのこの世での最後の日となるわね。」


顔を上げ、不敵な笑みを浮かべながらそう伝えるヴァランティーヌは、柱の渦の中で作られた人造人間を操り始める。


人造人間たちはコンラード、ロイ、エルフリーデ、ポルトス、アラベルに向けて、様々な手法で攻撃を始める。


あるものは手から火球を、あるものは氷塊を、あるものは自らの体をミサイルの様にして。


争いのない、平和な理想の世界を作ると豪語するラーニーの作り出した人造人間に、攻撃の能力が備わっていることに矛盾を感じざるを得ない目の前の状況。自分に反する者は全て攻撃対象として即抹殺することで、平和を保とうとでも思っているのか…とさえ思えるくらい、人造人間の攻撃能力は高い。


その中をエルフリーデは環境のリセットを行うための回生に向け、ポルトスとアラベルに守られながら祈り始める。


すると、戦場以外の場所が、時を倍速で戻しているかのように昼夜を巻き戻し、徐々に原始の風景に近づいていき、空も川も海も、もともとの澄み切った状態に生まれ変わっていく。木々の緑も青々と何物にも汚染されていない状態に再生されていく。


カランドリア栽培により汚染された大地も、その空気も全て、人間の手が入る前の、清らかで美しい状態へと戻され、心なしか空の青がよりクリアで、より鮮やかになったように感じる。


「大地が浄化されていく…。これが環境の回生…。全てがリセットされるってこういう事なのね…。」


アラベルは目の前の奇跡のような光景に、瞬きが出来ない程見入っている。そんなアラベルを横目にポルトスも言葉を失っていた。



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