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王宮~ベールに包まれし愛憎の園~

話し終えるとサイファは、


「王宮なんて華やかなイメージしかなかったけど、とんでもない愛憎と嫉妬、妬み嫉みの温床なんだね…。」うんざりと言わんばかりの表情を見せる。


「ああ。しかし、そんな王宮内であっても、莉羽様は元気に健やかに成長されましたね。」


エドヴァルドに悪意はない。しかし、ここぞとばかりにエドヴァルドの純粋な気持ちに悪意を乗っけてやろうとする輩が騒ぎ出す。


「そりゃそうだよ、だって…、莉羽だもん。」フィンがニヤッと小悪魔的笑顔で私を見る。


続いて、玄人もニヤニヤしながら、


「こいつにそんな王宮の繊細な人間関係とか、そういうのは全く関係ないし、分かりもしないだろうからな。いかに楽しく、おいしいものを食べて、元気でいられるか。だろ?莉羽。」玄人の悪ふざけが過ぎる。


これには、女性陣みんなドン引きで、


「玄人君、そんな言い様はないわよ。確かにそういう所はあるかもしれないけれど…。そこはあえてグレーにしてあげて…。」私の冷ややかな目に気付いた母莉月が口を閉じる。


「お母さん!お母さんこそ、そんな言い様はないでしょ!母親がフォローしないで誰がフォローしてくれるのよ!」私は冗談半分ムキになって言うと、


「冗談に決まってるじゃない。みんな、あなたのその明るさ、優しさ、素直で一生懸命なところが大好きなんだから…。」母はにこにこ笑って言うがなんともすっきりしない。


そこにやれやれといった表情の凱が加わり、


「そういう事だ。」


そう言って、明後日の方向を見ながら私の頭をポンポンして、私の不満の全てを消し去ってくれる。私が凱の言葉に顔を真っ赤にして、照れながら口を尖らせていると、それを逃すまいと玄人が、


「ふ~!さすがモテ男凱君!一言で決めますね~。」と茶化す。


私がなんとも恥ずかしくなって、顔をさらに真っ赤にしていると、リディアが、


「良い男って、何言っても素敵なのよね、莉羽ったら、幸せ者だわ~。」両手を合わせて目をハートにしてそう言うと、


「そうそう。イケメンって罪よね。」とリディアとは対照的に冷めた感じで同調するミディア。


2人の会話に一同、目が飛び出しそうになるくらいの衝撃を受ける。おいおいと呟きながら2人の間に入る兄サイファが、


「2人とも、今回の戦いでかなり成長したけど…、なんだか違う方面でも随分おませさんになったみたいだね。」と苦笑いする。


すると、2人がサイファの両脇から腕を組んで寄り添いながら、


「凱もいい男だけど…、やっぱり私たちは…、私たちのサイファが一番よね~。」と声を合わせる。


それにはもう誰も突っ込みすら入れることができない。

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