ミディア~心優しき少女~
『私たちの大切な娘ミディアへ 私の大好きなミディアへ
私たちの可愛い娘、ミディア、いつも元気な笑顔をありがとう。
毎日優しさをありがとう。
ミディアはいつも家族のために一生懸命頑張ってくれています。
私たちはそんなミディアにいつも「思いやり」というプレゼントをもらっています。
お母さんが熱を出した時、最初に気づいてお母さんの看病やご飯の支度、掃除洗濯もミディアが率先してやってくれたこと、お父さんが腰を痛めた時、頼まなくても仕事の手伝いをしてくれたこと、本当に嬉しかったよ。
ありがとう。
そして、ミディアとリディアが生まれる前にお母さんのお腹の中でお星さまになったお兄ちゃんの事を話したら、お墓に毎日お花を供えてくれていたこと、本当に心の優しい女の子に育ってくれたねと、お父さんとお母さんはその花を見るたびに心が温かくなります。
ミディアが、かしこまって言葉をかけられるのが嫌だと言っているので、こんな機会にしか言えなくてごめんね。でもミディアには、いつも心の中で「ありがとう」の言葉をかけています。私たちの娘として生まれてきてくれてありがとう。そして心優しい娘に育ってくれて、心から嬉しく思っています。
心から愛しているよ、大切な娘ミディア。お父さん、お母さんより
大好きなミディアへ
生まれてからずっと一緒のミディア。私は自分のお姉ちゃんがミディアであることを嬉しく、そして誇らしく思っています。
どんなこともいつも一生懸命。
どんな時もダメな私を助けてくれて…、私はミディアがいなかったら、きっとこうやって楽しく生活できていないと思います。ミディアは私以上に私の事を分かっていて、学校の準備も、勉強も、魔法の事も、私が忘れたり間違えたりしないように、いつも言葉をかけてくれて…、だから、学校で先生に怒られることも少なくなったし、勉強も魔法も何とか及第点を取れています。
ミディアはほんとにすごいお姉ちゃんです。
あと、寝るときも私が怖がりだからと言って、毎日私が寝るまで起きていてくれてありがとう。
いつも私の事を考えてくれるミディアが大好きです。
これからもずっと、ずっと仲のいい姉妹でいたいな。リディアより』
最後まで読む前に、涙で胸がいっぱいになってその場にしゃがみ込んでしまうミディア。その頭を撫でながら、
「ミディア。お姉ちゃんでいてくれてありがとう。」リディアも涙を拭う。
サイファは妹たちのその様子を見て微笑む。そして母に、
「母さん、今日はお祝いだね。」
「そうね。今日はみんなが家に帰ってきた記念すべき日だものね!
サイファには初めて私のご飯を食べてもらえるんだし、お母さん気合入れて作るわよ。」
そう言って腕まくりをして、はち切れんばかりの笑顔をみせながら気合を入れる母マーガレット。




