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凱の変化~恋から愛へ~

それを聞いた仲間たちがしばし考えこむ。


すると玄人がその静寂を破り話し始める。


「確かに言われてみれば、朔がリーゼの事をそういう視線で見ているのを見た事があるな…。

朔の事、リーゼ1人に任せるんじゃなくて、それぞれがもっと朔に働きかけたほうが良いと思う。俺もあいつが目覚めたら、ちょっと顔出してみるわ。」玄人を皮切りに、


「私もそうしてみるわ。」


「私も。」


「僕も。」仲間たちが声を上げる。


 私は仲間たちが、朔の気持ちに寄り添い、そしていい関係を保っていこうと考えてくれる事に心からの感謝と、こんな仲間たちと共に戦えることの喜びを感じ、胸がいっぱいになる。


「みんな、ありがとう。


そうだね、今までリーゼに任せることが多かったけれど、これからはもっとそれぞれが朔に働きかけて、ここが朔の居場所であり、みんなは仲間であり、家族みたいなものだって…、心で伝えてあげよう。」


 パソコンで資料を作りながら隣に座る凱は、そんな私を横目で見て、みんなから見えないように優しく私の背中に手を当てる。そして心層に、


『本当にいい仲間たちだな。』


 そう言って、私を見てにこっと笑い、また真剣な表情でパソコンに向かう。私はそんなとどめを刺すような凱の優しさに涙が溢れる。


ここ最近の凱は、以前とは違った表情を見せてくれる。今までも優しく微笑んでくれることは多々あった。でもここ最近は…、何というか、優しく包み込んでくれるような『愛?』を感じる。


こんなの私の勝手な勘違いかもしれないけれど、凱は以前と違った感情で私を思ってくれているのではないか…、そう期待せずにはいられない、私の妄想が先走っていくのを感じ、自分でも笑ってしまう時がある。


でもそれは、紛れもない私の正直な気持ちであり、願望である。私は凱が好き…、いや『愛している』。

神遣士と眞守り人の禁断の愛が、この未来をどう変えてくか予測不能な状況の中、それを

表に出すことは出来ないけれど…


せめて心の中は自由でいさせてほしい。戦いの渦中で不謹慎であるのは分かりつつ、そう願わざるを得ない自分を大切にしていきたい、そう思うのだった。



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