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閃と華那~破壊神と12支人~

ラーニーの前に仁王立ちで、啖呵を切る母は子供を怒鳴りつけるように、


「閃!なんであの子があっちにいること黙っていたの?よりによって敵じゃない?どうして私とあの子を戦わせるの!」


エデンの神殿内部、クラウディスへの洗脳を終え、莉奈の膝枕でしばし休憩を取っているラーニーに向けて言い放つ華那。ラーニーは母の顔を見ようともせず、


「その名前で呼ぶのはやめろ。ここで母気取りで話しかけるな。誰のおかげで生きていられると思ってるんだ。」


ラーニーはこの上なく不機嫌なようだったが、突然クククと笑い出し、


「お前と朔…。親子で殺し合うなんて、またとない余興じゃないか。だから…、そう組ませたのだが…、この私に何か文句でもあるのか?」


挑発するように言葉を吐きながらラーニーは起き上がって、母を睨みつける。その目に恐怖を感じる母だったが、負けじと、


「私の手で、朔を殺す?ひどく残忍に育ったものね…。」唾をペッと吐く母。


「ははは。残忍?それはお互い様だろ、むしろお前の方が腐っている。分かったなら、さっさと行って殺してこい。お前の最愛の息子を…。」ラーニーはニヤッと笑う。


「ふんっ。このバカ息子。私があの子を殺すわけないだろう!」そう言って、また唾を吐く。


 そんな母の品のかけらもない行動を見て苦笑しながら、


「まあいい、お前が殺さぬのなら…、お前がこの世で一番憎んでいる私の手で、始末してもいいのだぞ。」片方の口角だけを上げて、笑いながらラーニーが言う。


「この~。」


 母の怒りは頂点に達したが、破壊神と呼ばれ崇められている閃にかなうわけがないことを知っていたので、それ以上歯向かいはしなかった。しばし、息子であるラーニーを睨みつけ、その命とあらば従う以外ないと観念し、華那は戦場に戻る。それを見たラーニーが、


「気が変わった。私も出る。莉奈、いくぞ。」莉奈はちらっとラーニーを見て、深々と頭を下げ、


「はい。」そう言うと、ラーニーの後を追って、朔の待つ戦場へと飛ぶ。

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