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母と子~信じがたい血縁~

「朔!ああ、良かった。家に1人にしちゃったから心配してたんだけど…。」


 そう言って朔を抱きしめようとする朔の母、双黒寺華那。そんな母を、朔は両手で遠ざけようとしている。その様子に違和感を感じた玄人は、


「あいつがあの子の母親か…。父親が黒かと思ったけど…、母親の方なのか?」


父親による虐待の可能性を考えていた玄人だったが、母親と朔のやり取りから疑念を抱く。


「なんで逃げるのよ。逃げないで、朔~。あらっ。でも…、なんであなたがここにいるの?」


 家に置いてきた朔が、よりによって敵陣にいることを今さらながら不思議に思い、尋ねる母。


「あんたこそ…。何でここにいるんだよ?」母と目を合わせないようにしてぼそぼそ話す朔。


「私はあの子のせいでここに連れてこられたのよ。」と言ってラーニーの方を指さす。


「あの子?」


 朔は、破壊神ラーニーが母に「あの子」呼ばわりされている事の意味が分からない。


「ああ、あれは…、あなたの兄よ。あなたには話したことなかったわね…、

 

でも、あれはあなたの兄なの。


とはいえ…、私の中ではとっくの昔に無かったことになってる存在だけど…。会いたくもなかったのになんでこの期に及んで会わなきゃいけないのかしら…。全く…。」母が吐きすてるように言う。


「え…、じゃあ…、破壊神って呼ばれてる人が僕の兄さんってこと?」


 驚きのあまり、極力見たくないと思っていた母の顔を、思わず見てしまう朔。


「そうよ。なんであの子が破壊神なの…、ほんとに意味が分からない。世界を滅ぼすって何?どうしようもない事考えて…。あの子は昔から疫病神だったけど…まさか破壊神だなんて…胸糞悪いいったらありゃしないわよ…。」母は自分の息子への暴言を悪びれる様子もなく、むしろ開き直って言う。


「そんな…。」朔は困惑の表情を隠せない。


「閃の奴…、あなたがそっちにいることを黙って私をここに差し向けたのね。私に朔を殺させようと…、あのバカ息子絶対に許さない…。あの子がよりによってラーニーなんて…。なんで私より上の立場にいるのよ…。私だって12支人の1人だっていうのに…。何かの間違いよ、そうに決まってる…。」そう言って爪を噛みながら癇癪を起こして続ける華那。


「朔。ちょっと待ってなさい。母さん、あいつのところに行ってくるわ。」そう言うと華那は破壊神の方に移動しようとする。そんな母を一瞥して、


「ほんとに…、どういう事だよ…。なんで僕の兄が破壊神で、母親が12支人なんだよ…。」母の衝撃の告白に苛立ちと戸惑いを隠せない朔は頭を抱える。


そんな息子を残して、母はもう1人の息子であるラーニーのもとに向かう。


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