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シルバーの石~2人目の神士教~

 その少女はそう言って皇子の肩に手を乗せ、目を瞑る。皇子もそれに合わせて目を閉じ、手を合わせると、その手からまばゆい光が生まれ、次の瞬間皇子と少女が同時に目を開くと、その光が莉亞の体に吸い込まれていく。しばらくすると、その少女は、


『すぐに目を覚ますはずよ。』そう言って皇子に抱き付く。そして皇子の顔を見上げ、不機嫌そうに、


『多分、この女の子、皇子の事好きよね?目覚めたら、きっと今の私みたいに皇子に抱き付きそうだから…、私はここで帰るわ。他の女に抱き付かれてる皇子なんて…、見たくもないもの…』


そう言って、皇子の頬にキスをする。皇子はにこっと笑って、


『いつもありがとう。フィーリア。またね。』そう言って最上級の笑顔で見送る。


※※※


 ちょうどその時、その戦場の上空を通過していたラルスが驚きの表情で皇子の元に降りたつ。


「今のは…、精霊ですか?」驚きのあまり、声が上ずっているラルス。突然見知らぬ男に声をかけられ、驚いた様子の皇子だったが、事をすぐに理解し、


「えっと、あなたは…、ナータンの?」


 皇子が尋ねると、自己紹介もしてことにいなかった気付いたラルスが焦ったように、


「はい、私はラルス、回生以前、ナータンの王だったものです。」そう言って握手を求める。


 エルフィー皇子はそれに応え、


「初めまして、ナータンの主ラルス殿。私はファータの次期王となるエルフィーです。先ほどの少女は私が呼びだした治癒の精霊フィーリア…。私たちファータの民は異能の力で契約した精霊を召喚し、精霊の力をいただくことで戦います。


ただ、お恥ずかしい話ですが、私は先ほどまでラーニーの洗脳の元におりました。ですので、完全に状況を把握しているわけではないので…。」


 話の途中、胸元に入れてある小物入れの異変に気付いた皇子は、話すのを止め、胸元に手を入れ確認する。それと同時に、莉亞の剣の中に埋め込まれている石が光を放ち始める。驚いた皇子がその剣の放つ光を確認していると、再び胸元の小物入れから振動を感じ、その振動の原因となるものをゆっくりと取り出す。皇子の手には、剣にはめ込まれた石と同じものがにぎられていた。


「同じもの…なのか?この色、この光の放ち方といい…。」そう呟きながら皇子は手のひらにその石を乗せ、ラルスに見せる。


「この石のいびつな形といい、あなたの持っていた石は、莉亞が持っていた石のかけらのようですね。」


そう言いながらラルスが石に触れようとしたその瞬間、その石から放たれた光が莉亞の体を包み込み、全体を覆った瞬間、さらに強烈な光を放つ。その光の強さに咄嗟に目を閉じた2人だったが、光が収まるとゆっくり目を開け、目の前に光景に驚く。


 


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