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指輪~少女が持つ所以~

 このままでは拉致が明かないと考えたラルスは作戦を変更する。子供を拘束し、遠隔ではなく直にエルフリーデの手によって洗脳を解くしかないと、攻撃をかわしつつ、子供に徐々に近づくことにした。


 ラルスが放った光で少女が一瞬目を閉じ、体制が崩れたのを見逃さなかったラルスは、そのまま少女を小脇に抱える。その時少女のポケットから何か光るものが落ちる。それを拾うラルス。その様子をみた少女が、ラルスに抱えられながら叫ぶ。


「返して!」怒りを露わにしてジタバタする少女。その動揺ぶりに驚いたラルスは、


「ああ、分かった。分かったから落ち着け。」そう言って渡そうとその指輪を見る。


 何かに気付いたラルスは、その指輪をくまなく確認する。それからその少女の顔を見て、深く息を吸い込む。


「ちょっと待ってくれ。」


 ラルスはもう一度指輪をじっくり見て、その内側に彫られたメッセージを確認する。それから子供の顔を再び見る。


「何?」


 子供は不信の目でラルスを見る。


「この指輪、なぜ君が持ってる?」ラルスはさっきまでとは違う表情で少女を見る。すると、


「待って、ラルス!その子は…!もうすぐ洗脳が解けるから…!」


 エルフリーデも何かに気付いたようで声をかける。その途端、子供を包むように柔らかい光が生まれ、洗脳が解け始める。顔をしかめ、苦しみだす少女を抱くラルスの顔が緊張で強張る。


「ラルス、その子は…、


今からその子の記憶を解放します。」


エルフリーデはそう言うと祈り始め、ラルスは頷く。



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