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前騎士団長~ダズフードとの出会い~

私が店の手伝いを始めてからほどなくして、シュバリエ全騎士団を束ねる騎士団長ダズフードが店を訪れる。常連であるダズフードの久々の来店だったが、その日は満席でギーグもおしゃべりを楽しむ時間など無かった。1人酒をたしなむダズフードの給仕を任された私は、忙しいながらも彼とのおしゃべりを楽しんでいた。


 騎士団長と言えば、屈強でいかつく、気難しいイメージを持っていた私だったが、ダズフードは30代半ばにしてはかなり落ち着いた雰囲気で、体もどちらかと言えば細身、騎士団の中を探しても、そうは見つからない優男というイメージの男だった。長髪で少しウェーブがかった黒髪を後ろで束ね、センター分けした前髪から見え隠れする瞳は普段は柔らかい光をたたえているが、事が起きると眼光鋭く、別人の光を宿す。

 だがしかし、彼が騎士団長を務めていた時期は、さほど魔物の出現もなかったために、その鋭い光を見る者は数えるほどしかいなかった。そういった状況に加え、そのすらっとしたスタイルもあって、誰もこの男が騎士団のトップであるとは思いもしなかった。私もその内の1人だったことは言うまでもない。


 そんなダズフードから、店の主ギーグとその妻の2人で切り盛りしてきた馴染みの店に、突然美しい女性が現れたことに最初戸惑ったと、後日直接聞かされたのだが、私の事をそんな風に見ていたのかと、胸がくすぐったくなる、そんな感じがしたのを覚えている。


 それからというもの、ダズフードは仕事終わりに必ず店を訪れるようになった。私もいつか、彼が来るのを心待ちにするようになっていた。たわいもない話をするだけでも、気持ちが落ち着き、そして癒される、そんな日々を嬉しく思いながら、私は働いていた。


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