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アレクシア~難病を抱えて~

 ハルトが目を閉じるとアレクシアの過去が流れてくる。


 私は生まれながらに難病を患い、一度発作が起きると死の淵を彷徨う、そんな生活を送っていた。なぜ自分がこんなにもか弱く、家族や周りの力無しでは生きていけないのか、自分の人生を恨む日々を過ごしていた。発作が起きなければ通常の生活を送ることができるものの、いつなんどきその発作が起こるか分からない。その不安と恐怖の中で私、アレクシアは守られ生きてきたのだった。


 実際、経済面に関しての家族の生活は、私の薬代を稼ぐために家業の武器商だけではなかなか難しいものがあった。幼いころから、私とハルトが寝静まった後に、両親がお金について言い合いをしているのが聞こえ、私の存在が家族の生活を圧迫しているのだと、この頃から私の存在意義について考えるようになっていた。私は家族にこんなに迷惑をかけ、ここまでしてもらうほど生きる価値のある人間なのかと…。


 人生の大半をベッドで過ごしてきた私だったが、そんな私を悲しませないために弟のハルトムートは常に私に寄り添い、気遣ってくれていた。学校にもなかなか通う事も出来ず、友達もいない私にとってハルトムートの存在は無くてはならないものであったし、おそらくハルト自身もそうだったのではないかと思う。それほどまでに、私の心の支えとなってくれたハルトムートのおかげで私のメンタルは、何とか落ちることなく保っていることが出来たように思う。


 私が17歳の誕生日を迎えたころ、発作も症状も落ち着いてきたこともあり、少しでも家計の足しになる事はないかと、近所に昼は食堂、夜は酒場を営む、家族ぐるみで付き合いのある飲食店の給仕を手伝うことになった。店の主人のギーグに父は、私に悪い虫がつかないようにと、耳にタコができるほど伝えていたようで、実際私目当てで来る客は、妻に給仕を任せるなどの対応を取るなどしてくれていた。


 『私はここでも守られていた…』

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