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石を視る母~伝えられたこと~

「くそっ。」


 ハルトムートは隣の戦場を睨みつけながら、母から聞いた話を思い出す。


 石の中には、【力】の保持者の血を取り込んで、石の所有者にその能力を使用可能にさせる物があるということ。石の力を見抜く力を持った母しか知り得ない話であるが、何の脈絡もなく突然切り出されたこの話…、なぜあの時母は自分にこの話をしたのか…、ハルトムートは、自分の腕の中で気を失って目を瞑る姉を見て、納得する。


『母さんは、感覚的に俺たちの未来にこの話が必要になると感じていたのかもしれない…。母さんには俺たちの今の状況がすでに見えていたのか…、だとすると今まで母さんが俺に伝えてきた話を思い出す必要があるのかもしれない…』最愛の姉の美しい顔にかかる艶やかな髪を直してから、


「すまない、姉さん。」と言って、莉亞にアレクシアを任せる。そして、自分の過失を取り戻そうと隣の戦場に向かおうとするハルトに私は提案する。


「ハルト…。お姉さんが気を失っている今なら、心層に入り込むことができるんだけど…。さっきの言葉、気にならない?何がお姉さんにそう思わせたのか…、何がきっかけでお姉さんがラーニーと接触することになったのか…。それを知ることがお姉さんの洗脳を解くカギになるかもしれない。どうする?」


 私の提案に、目を見開くハルト。


 それ以前の表情、言動から、自分の能力を敵に使われる事に関して、多大な責任を感じていることは見て取れていた。それを考えるとすぐさま敵を倒すことをハルト自身が一番望んでいるだろうと推測できたが、今ここでアレクシアの洗脳を解けるのであれば、後々の事も考えて、また何よりも、ハルト自身の為にもその方がいいと私は思い、そう提案した。


ハルトはアレクシアの顔を見て、暫く考えていたが、


「分かった。莉羽、見せてくれ、姉さんの心層を…。」


私はその言葉に頷くと、ハルトムートの脳内にアレクシアの過去の記憶を転送させる。


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