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ケイト~破壊神に憑かれたその力~

 おそらく、エルフリーデの異能の力は、仲間の中でもかなり上位だと思われるが、そんなエルフリーデの力を以てしても、全ての攻撃は一瞬にして破られ、どうにもこうにも太刀打ちできない状況になっていた。

 エルフリーデの息が上がる。その美しい顔に自身の血がしたたり落ちてくる。彼女自身、頭部に負傷した覚えがないほど、気付かぬ攻撃を受けていることに愕然とする。ケイトに憑いたラーニーは勝利を確信していたが、ここでエルフリーデを片付けておかないと、後々厄介なことになる事が目に見えて分かっていたので、ここでとどめを刺す準備に入る。


 エルフリーデはそのケイトの攻撃態勢を横目で見て、どうにか反撃の糸口を模索するが、その瞬間、大量の血を吐き、その場に倒れこむ。意識が遠のいていく中で、心層に声が聞こえる。


『エルフリーデ。エルフリーデ!』その声は徐々に大きくなっていくが瀕死状態のエルフリーデには、その声が自身が愛する者の声だと判別することさえ出来なくなっていた。


『誰?なの?』エルフリーデが声を振り絞って発する声に、


『まさか…、私の声も分からぬ状態にまで…。』声の主は怒りにあふれた声で、


『許さない。』次の瞬間、エルフリーデの体は、戦場のはるか後方に移動し、愛する者の腕の中にあった。


「エルフリーデ…。」声の主は優しくエルフリーデの額にキスをする。


 そして、エルフリーデの周りに堅固な結界を張り、誰にも邪魔されることのない状況下で回復術をかける。そして、声の主は立ち上がると、精神的に衰弱し、いつ自死を選んでもおかしくない状況を救ってくれた、命の恩人であり、今一番守らねばならない大切な存在を、ここまでいたぶり、痛めつけ、殺めようとした怨敵に、彼らしからぬ粗暴な言葉で、最大限の怒りをぶつける。


「ぶっ飛ばす。」


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