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双子で生まれ…~秘めた思い~

 アラベルが死の淵を彷徨っている頃、その隣では、王兵団団長コンラード、リディア、サイファと、ミディア、乳母ヴァランティーヌの戦いが始まっていた。


 リディアは、サイファの腕を掴んで、


「ミディア、聞いて!この人、私たちのお兄ちゃんだよ。生きてたらよかったのにって、話してた、あのお兄ちゃんだよ。生きてたんだよ!」一生懸命訴えるリディア。


「…。ばかじゃない?リディア。突然現れた人にお兄ちゃんだよって言われて…、あんたは信じるの?お人よしにもほどがあるわ。だから嫌いなんだよ。バカ女。」


「なんでそういうこと言うの?ミディアだって、あのラーニーって人に騙されてるじゃん。馬鹿はミディアの方だよ!早く目を覚まして!」


「はぁ?いつまで寝言言ってんのよ?あんたのその、かわい子ぶった妹キャラ…、マジでついていけない。もう合わせるのも疲れたわ…。」ミディアはそう言うと、宙に浮かびながら腕を組み、リディアを見下ろす。


「おいおい、僕の妹はとんだ不良娘ちゃんなんだね。」サイファは苦笑いしながら話すと、


「うわっ、気持ち悪い。妹とかやめてよ。」ミディアはそっぽを向く。


「あははは。しかし、僕のもう1人の妹がこんなに悪態着く、可愛い可愛い子だったなんてね。ここにこれて良かったよ。」と言って、にこにこしているサイファ。その姿にさらにイラつくミディアが、


「だまれ、くそ男!」と叫ぶ。その様子を見たサイファの目が光り、


「じゃあ、仕方ない。目覚めるまでお仕置きの時間だね。下がってて、リディア。」そう言うとサイファは臨戦態勢をとる。


「待って、お兄ちゃん。」リディアが止める。


「どうした?」サイファは体勢を戻す。


「前から思ってたことがあるの。きっと双子ならではってことかな…。解決してくるね。」そう言うと、リディアはミディアを、一生懸命睨みつける。そんなリディアに優しく微笑みながら、


「分かったよ、リディア。でも君がピンチになったら遠慮なくいくからね。」サイファはリディアの頭を撫でる。


「うん!」いつも誰かの後ろで見ているような、どちらかと言えば大人しいリディアが、いつになく覚悟を決めたよう顔つきで頷く。すると、その様子を見ていたミディアが、


「よくまあ、あんたの実力で私と戦おうなんて思ったわね。」そう言い放って、あざ笑う。


「私も強くなったよ。ミディア。」


「強くなったって、どうせたかが知れてる。さっさと消えな。」ミディアの目には憎しみしかない。


「ねえ、ミディア、ほんとは私に言いたいことがあるんじゃないの?」


「は?何が?あんたに話したいことなんてあるわけないじゃない。顔を見るのも嫌なくらいなんだから…。」


「嘘。ミディアは嘘つくとき眉毛がちょっと上がるもの。」


「うるさい。黙りなさいよ!」激高したミディアは、水の攻撃魔法でリディアに攻撃を開始する。竜巻上になった水の中に閉じ込められ、窒息しそうなリディアは、風魔法でその水を粒子状にして飛ばし、攻撃を回避する。


「ごめん、ミディア。それくらいの攻撃じゃ全く意味がない。」リディアは、ミディアをにらみつける。その様子に少し焦りを感じたミディアは、


「はったりかましてんじゃないわよ。」と言ってまた攻撃を始める。するとリディアはそれも全てかわし、


「私、だいぶ前からだけど、ミディアが私に対してどう思ってるか、読めるようになったの。


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