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順調な計画の裏に

 その動きは、凱から依頼を受けたばかりのいぜっきーによる各国の軍中枢機関の監視から分かったことだった。凱はすぐさま、いぜっきーに次なる指示を出す。いぜっきーは各国の機密機関のサーバーに侵入し、全兵器の稼働停止命令を出す。混乱する各国首脳に向け匿名で、侵攻の中止、また魔獣を扱う未知なるものによるアースフィアの侵略が迫りつつある事、それに伴い各軍隊のプログラムに侵入し、兵器の配置を地中、地上、海、空からの攻撃に備えるように組み替えたこと、また最大の注意を各国の地割れに集中するように伝達する。


「どうやら僕のプログラムが役に立っているようだね。」ラルスは現況にご満悦のようだ。


「さすがラルス。そして…、伊関先生もお見事です。」凱も上機嫌だ。


「とはいえ、今はまだ土俵が固まっただけだ。ラルスと先生が俺たちの戦いのお膳立てをしてくれたからには、俺たち自身も万全な体制で敵を迎え撃つ。」集まった仲間たちに向けて凱が言うと、フィンが、


「いつも通りやれば…、俺たちなら勝てる!」そう言ってみんなの士気を上げる。


聞いている私たちは、迫りつつある戦いに緊張していたが、ここにいる強き仲間たちの存在でだいぶ気持ちは軽くなっていたのは間違いない。


 あまりに急な侵略者、来訪の情報に、混迷状態に陥った世界各国首脳は、為す術無く、ひたすら情報の収集に追われていた。それを見越した凱は、それぞれの国に合わせた行動計画を次々に各国中枢機関に流し、それを基に国家運営を進めていくよう促す。

 その状況下で3か国の首脳は、この有事を前に秘密裏で停戦協定を締結し、未知なる侵略者に対して共同で応戦する同盟を結んだ。しかしそれは、表面上だけの綺麗ごとで、実際は各国ともに保有する最新化学兵器の出番を今か今かと固唾をのんで見極めている状況であった。


 未知なる敵や魔獣ですら、自分たちの開発した化学兵器の脅威にはなり得ないと、裏で傲慢とも言える国家運営を進める各国首脳陣はこの後、自分たちがこの時抱えていた傲慢さをとてつもなく後悔するとは…知る由もなかった。




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