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謎に包まれた星ナータン~ラルスとその過去~

新たな事実も判明し、興奮冷めやらぬ室内ではあったが、気を取り直して凱が仲間たちに伝える。


「これを読んで、みんな、頭の中を整理してほしい。ここ数日でかなり状況が変わってきているからな。」その言葉を聞き、


「確かに…、しかもかなりの前進…だな。」そう言いながら、ハルトムートは凱にニヤッと笑いかけ、石の種類と保持者についての書類を手に取る。


「ああ。」そのハルトの笑みにパソコンを操作しながら答える凱の口角も心なしか上がっている。


「で、話を戻すけど…少し前に私と莉亞とお母さんが行った時に見たナータンは、破壊神に完全に支配されているようだったけれど…、実際はどういう状況なの?」私はラルスに尋ねる。


「ああ、それなんだが…、俺が目覚めた時にはすでにナータンは破壊神の手に落ちていた。今現在、拉致された人々はエネルギーと記憶を抜かれて、能力者と前回の回生以前の記憶を持つもの以外は戻されている状況だ。新たな世界構築に向けて着々と準備が始まっているようだ。と言っても、そもそも私が目覚めたのは、君たちがナータンに来た時だから…。」


「え?そうなの?ほんとについ最近じゃない?」私の反応に苦笑いして、


「そう…、そしてナータンの記憶だけ、まだ記憶が完全に戻ったわけではなくて…、頭の中でいろんなことがつながらないんだ。でも、そこから私なりに推測してみたけれど…、


あの荒廃した土地、生物が生きられない状況から考えて、ナータンは化学兵器を使った大戦が原因で壊滅したんじゃないかと…。惑星全域の地上数100mは有毒ガスが立ち込めている状態だった。シェルターのようなものの中にいる、拉致により他の惑星から連れてこられた人以外、人はもちろん、魔物のようなものも一切見当たらなかった。人類は滅亡したんじゃないかと…推測される。


ここからは私の記憶になるのだけれど…


 私は目覚める前はナータンの科学者で、大戦で使用されるであろう、その当時最強の化学兵器から身を守る、対化学兵器装置の開発を担っていた。そしてその開発をちょうど終えた直後…、その経緯が思い出せないんだけれど…、その化学兵器による世界大戦が起きたようだ。

 というのも、私が目覚めた時、地中深い場所で自分が作った対化学兵器の装置の中にいたから、それを使わねばならない状況に陥ったと考えるのが妥当だろう。つまりは、大戦が起き、化学兵器が使われた…と。

 これもつい最近思い出したんだけれど…、元々、今後数年以内に発動される回生前に目覚める予定だった、この星の主である私は、ちょうど君たちがナータンに来た時に…莉羽、君の力に触発されて、予定より少し早めに目覚め、記憶を少しずつ取り戻し始めたんだよ。でも記憶が断片的だし、曖昧で…、はっきりとは分からないところは多いのだけれどね…。」


「そんな事が…、ナータンで?」莉亞が口を抑える。

「情報が多すぎて訳が分からないよ~。」リディアが困り顔で言う。

「俺もだ…。」どさくさに紛れながらも、どや顔で玄人が言う。


「それで、目覚めてから今までどうしていたの?」私は彼に聞きたいことはたくさんあったが、まずこの質問をぶつける。




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